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特集・コラム 2021-08-12

訪問看護ステーションとは? 訪問看護ではどんな風に働くの?

高齢化社会が進むにつれて、最期の看取りの場も、病院や施設だけでなく、在宅を希望する人も増えてきました。在宅医療は看取りだけでなく、慢性期の治療や退院後のフォローなどさまざまな看護が求められているのです。

訪問看護ステーションは、そんな在宅医療を支える現場であり、看護師が働く職場のひとつでもあります。ここでは、訪問看護ステーションについて解説しますので、興味のある方は参考にしてくださいね。

訪問看護ステーションとは? 在宅医療を支える要について解説!

訪問看護をおこなう看護師や保健師、助産師などが所属する訪問看護ステーション。ここでは、訪問看護ステーションについてくわしく解説します。

訪問看護をおこなう職員が所属している事業所の総称

訪問看護ステーションとは、訪問看護をおこなう職員が所属している事業所の総称です。そもそも訪問看護とは、看護師などのスタッフが利用者の家に直接訪問し、利用者の健康状態の観察や医療的ケアをサポートすることを目的としています。

訪問看護のスタッフとは|看護師・准看護師・理学療法士など

訪問看護をおこなうスタッフは、看護師はもちろんですが、ほかの職種の職員が配置されているステーションも数多くあります。

配置基準は、「管理者(看護師、保健師で看護職員との兼務可)を1人配置、看護師、准看護師、保健師を常勤換算で2.5人以上(うち1人は常勤)を配置すること」と法律で定められているのです。そのほか、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士を適当な人数配置することもあります。

機能強化型訪問看護ステーションとは|24時間対応・頻回訪問など

訪問看護ステーションには、機能強化型訪問看護ステーションという認定を受けているところがあります。これは、24時間対応、頻回訪問、重症者への訪問という、訪問看護の役割を担うことができる体制や実績が評価され、認定を受けたステーションのことです。

具体的には、ターミナルケアの実績や重症児ケアの実績がある、看護師の配置数が多く、24時間対応可能。土日祝日の訪問も必要時は可能といった届けを出している事業所が該当します。

普通の訪問看護ステーションと比べ、休みや時間に関係なく、医療的ケアをサポートしてもらえる可能性が高いです。つづいては、機能強化型訪問看護ステーションの設置条件などについて解説します。

機能強化型Ⅰ

機能強化型Ⅰは、常勤7人、重症利用者月10人以上、ターミナルケアの実施前年度20件以上、重症児の利用6人以上など、クリアすべき条件設定が多いです。24時間体制をとっていること、休日、祝日を含めたサービスを計画的におこなっていること。そのほか、地域住民への情報提供や相談や人材育成の研修をおこなうことが望ましいとされています。

機能強化型Ⅱ

機能強化型Ⅱは、常勤5人、重症利用者月7人以上、ターミナルケアの実施前年度15件以上、重症児の利用5人以上と、Ⅰよりは若干低い認定となっています。しかし、24時間体制をとっていること、休日、祝日を含めたサービスを計画的におこなっていることは満たさなければなりません。地域住民への情報提供や相談や人材育成の研修をおこなうことが望ましいとされている部分については、Ⅰと同様です。

機能強化型Ⅲ

機能強化型Ⅲは、ⅠとⅡと少し異なりますが、常勤4人、重症利用者や精神科重症患者、複数のスタッフが訪問看護する利用者月10人以上いることが認定条件となっています。24時間体制をとっていること、休日、祝日を含めたサービスを計画的におこなっていることについては、ⅠとⅡと同様です。そのほか、地域住民への情報提供や相談、人材育成のための研修2回以上などとこまかい条件があります。

訪問看護ステーションではどんな風に働くの? 仕事内容を解説!

年々、需要が増えつつある訪問介護。ここでは、訪問看護ステーションでは実際にどのように働くことになるのかなど、くわしい仕事内容を解説します。

利用者の自宅を訪問して医師の指示書にもとづいた処置をおこなう

訪問看護ステーションのスタッフは、まず契約している利用者の希望する曜日や時間に、利用者の自宅を訪問します。そして、医師の指示書にもとづいた健康管理などの医療的ケアの処置をおこないます。

これらの状態観察の内容は、面談や電話、FAX、メールなどさまざまな手段で定期的に医師へ報告しなければなりません。

利用者の健康状態をチェック

医師の指示書のもと医療的ケアを提供しますが、健康状態の確認もおこなう必要があります。体温測定、血圧測定、経費的酸素飽和度の観察や呼吸状態の確認など基本的なチェックのほか、状態によってはターミナルケアをおこなうことも。

それらを、利用者を介護してくれる家族や支援者に伝え、療養するにあたってのアドバイスや相談場所の案内などをすることもあります。

療養生活の支援|機能訓練や介助など

慢性疾患や障がいがある場合、自宅の環境調整や機能訓練、補助具、福祉用具などの提案、服薬指導、栄養指導などもおこないます。療養生活を支援することにより、長い時間、安心して在宅で生活することができるようにすることが目的です。

また専門スタッフと連携し、専門的な機能訓練をおこなうこともあります。看護とリハビリが両方介入することもあり、その際は情報共有と連携が重要です。

家族や介護者への支援|アドバイスや窓口の紹介など

訪問看護は、利用者だけでなく、介護者のサポートをするのも業務のひとつです。介護者の困っていることや疲労度に合わせて、介護の相談や行政のサポート、ショートステイなどの支援について、現状に合わせたアドバイスをおこないます。介護のたいへんさを共感し、理解し、話を傾聴する姿勢が重要です。

訪問看護ステーションで働くメリット・デメリットとは?

病院と違い、在宅に訪問して医療を提供する訪問看護ですが、もちろんメリット・デメリットがあります。ここでは、メリット・デメリットを踏まえたうえで、訪問看護に向いている人とはどんな人なのか確認しておきましょう。

訪問看護ステーションで働くメリットとは?

機能強化型の訪問看護ステーションでは24時間体制をとっているので夜勤がある場合がありますが、多くの訪問看護ステーションは日勤のみのところがほとんどです。

また、働く時間についても、午前中3件、午後3件など訪問件数や訪問時間についてもあらかじめ決められています。そのため、午前中のみのパートや曜日限定のパートなど、さまざまな働き方が可能です。

訪問看護ステーションで働くデメリットとは?

訪問看護は、基本的にはひとりで訪問することになるため、ひとりでケアをしなければなりません。体位変換や排泄ケア、状態観察など利用者の状態によってケアは異なりますが、体力も使いますし、責任を重く感じることも多々あるでしょう。

その場にいるのが自分ひとりのため、自身で判断し、ケアを提供しなくてはなりません。ひとりで判断するには、ある程度経験が必要となり、事業所によっては3〜5年の経験を必要とするところもあります。

訪問看護ステーションに向くのはこんな人!

訪問看護ステーションは、利用者の生活に寄り添った看護がしたい在宅医療に興味のある人、ターミナルケアに携わりたい人に向いている仕事です。

訪問看護は、ひとりの利用者と長い期間関わることになります。利用者の症状や生活環境に合った診療計画を立てなければなりません。病院とは違い、1対1で利用者と接することになるため、利用者はもちろん、その家族ともしっかりとした信頼関係を築くことができます。

また、地域住民への情報提供や相談も訪問看護の仕事のひとつですので、地域貢献したい人にも向いているでしょう。

訪問看護ステーションは地域で医療を支える場所!

訪問看護ステーションとは地域に貢献し、在宅で医療的ケアを受けたい人にとって必要な場です。訪問看護は子どもから高齢者までと年齢関係なく、必要としています。地域住民や行政、医師、ケアマネジャーなどのあらゆる職種との連携を図り、利用者を支えることができる素敵な仕事です。

在宅医療やターミナルケア、地域貢献に関心のある方、訪問看護に興味のある方にはとくにおすすめの職場ですので、訪問看護ステーションで働くことを検討してみてはいかがでしょうか。

引用元:
厚生労働省 訪問看護ステーションの事業運営に関する調査詳細
厚生労働省 訪問看護について
厚生労働省 訪問看護のしくみ
厚生労働省 令和2年度診療報酬改定の概要
厚生労働省 「機能強化型訪問看護ステーションの実態と訪問看護の実施状況調査」における報告書(案)の概要
日本訪問看護財団 訪問看護とは(医療・福祉関係者むけ)

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