理学療法士は副業できる? 副業をするならどんなお仕事があるの?
今現在理学療法士として働いているけど、もっと収入を増やしたいとお考えの方もなかにはいるのではないでしょうか。そう考えたときに、思いつくのが副業でしょう。しかし、理学療法士は副業をしても問題のない職業なのでしょうか。
今回は理学療法士が副業できるのか、副業をするとしたらどんな仕事があるのかをご紹介します。また、副業で収入がUPした場合にどうするべきかなども解説するので、副業をお考えの方は参考にしてくださいね。
理学療法士は副業OK?
2019年4月に施行された「働き方改革」により、社会では副業が認められるように変わりはじめました。副業にはさまざまなメリットがありますが、一番の魅力は「収入が増えること」です。しかし、副業は必ずしもメリットばかりではありません。自身の働き方や環境によって、デメリットが発生することもあります。
そもそも理学療法士は、患者さんのリハビリをお手伝いすることがおもな仕事です。肉体を酷使するような副業では、本業に支障をきたすか可能性も。ここでは、理学療法士は副業ができるかどうかを解説します。
病院やクリニックの就業規定をチェックしよう
理学療法士は、法律的に副業が禁止されている職業ではありません。しかし、「働き方改革」が施行されてから2年ほどしか経っておらず、副業禁止を就業規定に盛り込むクリニックは今でも存在すると考えられます。
自身の勤務先の就業規定に違反しないよう、副業を開始する前に必ず就業規定を確認しておきましょう。就業規則に違反すると、ペナルティを課される恐れがあります。考えられるペナルティとしては、「譴責処分」「降格」「減給処分」などです。
また、勤務先が本来得られる利益を逸失させてしまったと判断される場合は、「諭旨解雇」などの重いペナルティが課せられることも想定できます。
副業OKなら|副業で収入UPを目指そう
就業規定を確認して問題がなければ、興味のある副業に挑戦してみるとよいでしょう。副業にはフリーランスや業務委託、アルバイトなど、さまざまな形態があります。副業をすることで以下のようなメリットを得られるでしょう。
・収入が増加する
本業である理学療法士の仕事のほかに、副業で新たな仕事を請けることにより、副業収入が発生します。
・本業以外の知識や経験を得られる
副業でビジネスの幅を広げることにより、本業では得られない知識や経験・スキルを身につけることができます。また、副業で得られた経験を本業に活かすことも可能です。
副業をするうえでの最大のメリットは、やはり「収入の増加」でしょう。厚生労働省の2020年度の賃金構造基本統計調査では、理学療法士の平均年収は418.9万円となっていました。一般企業の事務の平均年収が493.4万円であることを考えると、理学療法士の年収はかなり低いことがわかります。
このような理由から、副業を考える理学療法士が増えているのでしょう。
理学療法士が副業するならどんなお仕事があるの?
理学療法士は患者さんに運動指導や物理療法をおこなうのが仕事ですが、その経験やスキルを活かすことができる副業はさまざまな種類があります。
ここでは、もし理学療法士の資格を持っている人が副業をするなら、どんな仕事があるのかをチェックしておきましょう。
1. 非常勤のアルバイト|訪問介護・デイサービススタッフなど
理学療法士の知識やスキルを活かせる仕事として、訪問介護やデイサービスがあります。自身の知識や視野を広げることにつながるため、スキルアップにもよいでしょう。
この副業には、「交流を通して利用者さんに喜んでもらえる」、「リハビリのお手伝いで自身のスキルを活かすことができる」といったメリットがあります。
非常勤のアルバイトは、時給制で一定の収入が確約されている点、週1回・短時間の勤務から相談可能な求人が多い点が特徴です。そのため、理学療法士の副業としてスタートしやすい仕事だといえます。
2. ジムやトレーニングセンターでアルバイトをする
スポーツジムやトレーニングセンターでのトレーナーの仕事も、理学療法士の知識やスキルを活かすことができる副業です。また、スポーツセンターで開催する講座の講師として仕事につながる可能性も考えられます。
フリーランスとして活動したいのであれば、スポーツ選手やスポーツチームのトレーナーを目指すのもよいでしょう。理学療法士の資格や知識を活かせば、トレーナーとしての評価も高くなります。
3. クラウドソーシング|記事の監修・執筆
記事の執筆・監修の仕事は、普段からブログなどを書いている人に適しています。理学療法士の資格と経験を活かし、記事の監修や執筆の仕事に挑戦してみるのもよいでしょう。
この仕事は、自宅にパソコンとネット環境があればすぐにはじめられるのが特徴。クラウドソーシングに登録して、興味のある仕事を探してみましょう。
トレーニングに関する記事のライターは、頻繁に募集がかけられています。そこで、理学療法士の専門知識を大いにアピールして案件に応募してみましょう。
4. セミナー講師として働く|PT向け・健康講座など
理学療法士としてのこれまでの経験を活かして、「セミナー講師」に挑戦してみるのもよいでしょう。セミナーの種類は、「同業種向けセミナー」「一般の方が対象の健康セミナー」などです。
セミナー講師は、自治体や保健所などをとおして問い合わせしてみることで講演活動につながりやすくなります。人気が高まってくると、ほかのセミナーの仕事にもつながるでしょう。
収入を得られるだけでなく、セミナーをとおして地域貢献に参加できる点もセミナー講師の魅力です。思いのほか、やりがいを感じられるかもしれません。
5. 開業権のある資格を取得して休みの日に開業
開業権のある資格を取得して、休日開業に挑戦してみるのもよいでしょう。一例として、「鍼灸師」があげられます。
ただし、鍼灸師になるためには、認定された専門学校もしくは大学・短大で「はり」「きゅう」の技能と知識を3年以上修学しなければなりません。そして、「はり師試験」「きゅう師試験」の受験資格を得て、合格を目指します。
鍼灸師の仕事は、けがや痛みなどで苦しみを抱えている人を治癒または予防するのが目的です。自身の施術によって患者さんが回復していくのを間近で見ることができる、そして喜びに接することができるのが鍼灸師の仕事の魅力といえます。
休日開業・週末起業は、ゆくゆくは独立へとつながることも。資格をとらないといけない大変さはありますが、将来的に独立を考えている人にはよいでしょう。
副業で収入がUPしたら|確定申告を忘れずに
副業収入が発生した場合、確定申告は忘れずにおこないましょう。年間20万円以上の収入があれば、確定申告は必須となります。また、年間20万円以下の収入であっても住民税の申告が必要です。
税金の納付には、時効がありません。そのため、いつまでも放置していると忘れたころに追徴課税が課せられ、ペナルティを含めて大きな出費となることが考えられます。確定申告は手間がかかって面倒ですが、あとで後悔しないためにも毎年欠かさずにおこないましょう。
資格と経験を活かした副業で収入UPを目指そう!
理学療法士の資格・経験を活かせる副業は、非常勤のデイサービス・訪問介護やジムやスポーツセンターでのアルバイト、セミナー講師などさまざまなものがあります。
しかし、いくら働き方改革が施行されたからといっても、まだまだ副業を禁止にしているところが多いのも事実です。そのため、就業規定に違反してしまわないよう、副業を開始する前に必ず今現在勤務している職場の就業規定を確認しておきましょう。
引用元:
厚生労働省 職業情報提供サイト 理学療法士
厚生労働省 職業情報提供サイト 一般事務
厚生労働省 職業情報提供サイト はり師・きゅう師
厚生労働省 はり師国家試験の施行
厚生労働省 きゅう師国家試験の施行
国税庁 確定申告情報