自分も生徒さんも続けやすい、子供連れで通えるヨガ&ピラティス【Flowers Me! 三井章子さん】#1
地方でヘルスケア事業に携わっている方に、集客や売り上げアップのための取り組みについてインタビューする本企画。今回は滋賀県大津市・栗東市・守山市を中心にピラティス&ヨガ教室とメディカルアロマ教室を開いている「Flowers Me!」の三井章子さんにお話をお聞きしました。
前編では、三井さんのこれまでの道のりと、「子供連れで通える」というコンセプトを決めた理由についてお聞きしました。
お話を伺ったのは…
「Flowers Me!」主宰 三井章子さん
体育科教員と体操競技指導を経験後、妊娠・出産を機に退職。運動から離れた生活のなかで心身の不調を感じるとともに、子育て中でも通いやすい場所の少なさを実感。子連れでも通いやすい教室を作るため、ピラティスとヨガのインストラクター資格を取得し、「Flowers Me!」をスタート。教室での出会いをきっかけにメディカルアロマの資格も取得し、多方面から生徒さんの健康をサポートしている。14歳、12歳、10歳の子を持つママ。
Instagram:@flowers.me2015
自身の経験からママが気軽に通えるヨガ&ピラティス教室を構想
――まずはインストラクターを始めた経緯を教えてください。
幼少期から大学まで体操競技に取り組み、大学卒業後は子供たちに体操を教えながら、非常勤で体育科の教師をしていました。あまり真面目なタイプではないので、自分では教員という仕事は向いていないと思っていたんですが、それでも子供たちや生徒と触れ合ったり成長を見たりするのが楽しくて。その後も6年ほど、正職員として京都の私立高校にも勤務しました。
でも結婚して妊娠したとき、いろんな方の働き方を見てきて「子育てしながら教員をするのは私には難しい」と感じて退職したんです。その後は自分の子供のことをちゃんと見ながら働けるバランスを考えて、在宅ワークでできる事務の仕事を6年ほどしました。
だけど、ある時ふと「やりたいのはコレじゃないな」と思って。東日本大震災も、きっかけのひとつでした。何かしたいけど、何もできない自分がいる。でも、そんな大きなことを考える必要はないと気づいて、自分ができることをしようと思ったんです。
そこから自分に何ができるか、何がしたいのかを、ひとつひとつ整理していきました。今までの経験を活かしてできることがしたいとか、体を使って何かを伝えることが好きだなとか。その結果「お母さんたちが気軽に行けるような体を動かせる場所を作りたい」と考えるようになり、それならヨガとピラティスのインストラクターかなと思ったんです。
――ヨガとピラティスのご経験があったんですか?
ヨガはスポーツクラブで1回受けた程度、ピラティスなんて全くの未経験でした(笑)。今考えると無謀なことをしたと思うんですが、未経験なのにいきなりインストラクター養成のスクールに通ったんです。子供達が6歳と4歳と2歳だったので、幼稚園や母に預けられる時間で、自宅から通える範囲で一から教えてもらえるスクールを探して…。育児中という限られたなかでもできる方法を考えて、段取りを組んで頑張りました。
子育て中の自分も無理なくできる方法でスタート
――では最初から開業を目指されていたんですね。滋賀県でスタートしたのもご自宅が近かったから?
そうですね。お母さんたちが通いやすいヨガ&ピラティス教室をしようと決めましたが、3人の小さい子を育てながらフルタイムで働くのは難しい。スタジオに勤めてしまうと、子供のことで急に休んだら他の人に迷惑をかけてしまうかもしれない…というプレッシャーもありました。それならもう、子供たちも連れていける場所で、自分のペースでしたらいいんじゃないかと思ったんです。
また自分自身の子育ての経験のなかで、育児中のお母さんが子どもと一緒に通える場所がとても少ないと感じていました。私の子供も生徒さんのお子さんも、一緒に見ながらヨガやピラティスができるお母さんたちの集まり。そういう場を自分が作ろうと思って始めたので、自分が通える範囲にある施設の貸しスペースでスタートしました。
――当初はどんなかたちでスタートしたんですか?
当初は施設が借りられる曜日に行っていたので、平日2日と土日どちらかの週3回をベースに、午前中にレッスンしていました。まだ子供たちも小さかったので、帰ってきたときに「おかえり」と言ってあげたいし、何かあったときにも対応できるようにレッスンは組んでいましたね。
――現在は自宅スタジオをメインに活動されているそうですね。
子供たちが大きくなって手狭になったので家を探していたときに、コロナ禍が重なったこともあって、それなら自宅で教室ができるようにしちゃおうかと。自分がエアリアルヨガをしたかったのもあって(笑)。
コロナ禍になって、貸しスペースで続けるのにリスクが増えたんです。急にキャンセルする必要が出ても、前金で料金を払っているし、キャンセル料として返ってきませんから。無理やりオンラインを始めたりもしたんですが、やっぱり触れながらのレッスンのほうがわかりやすいと言われる方はすごく多いので、対面の場も必要だったんですよね。
2022年から自宅リビングをスタジオに
――自宅スタジオにして大変だったことはありますか?
いろいろ覚悟の上で始めたので、そんなに大変なことはありません。子供が3人いるので、あっという間に散らかるんですが(笑)、レッスンがあるのですぐに片づけて回らないといけないのが大変なくらい。私も面倒くさがりなので、生徒さんが来るから片付けなきゃと思える面もあって。大変ですけど、いい面もありますね。
――スタジオにはリビングを使われているんですか?
はい。1階にお風呂やトイレがあって、最初はその奥の部屋を仕事部屋にしたらいいんじゃないかと提案されたんですが、閉塞感もあるし人数もあまり入れないので、一番スペースがとれるリビングにエアリアルヨガの設備を作りました。
自宅に人を入れるのがイヤな方もいると思いますが、私の場合は長年のお付き合いの方が多いですし、地域のママ友のような関係なので、あまり気になりません。
自宅スタジオがメインになり移動が少なくなったので、その分レッスンの回数は以前よりも多くなりました。オンライン含め、平日はほぼレッスンが入っています。時間帯は変わらず午前中がメイン。自宅なので夜は難しいというのもありますが、生徒さんもお子さんのお迎えまでとか、お昼以降は家から出づらいという方が多いんです。日中働いている方は、お子さんと一緒に土日のレッスンに来てくださっていますね。
地方でスタジオ運営をしていくうえで大切なこと3か条
滋賀県のママたちメインに活動している三井さんに、地方でインストラクターを続けるために大切なことを教えていただきました。
1.ターゲットをしぼる
2.メイン以外の手法を持っておく
3.つながりを大切にする
次回後編では、三井さんの売上や集客への取り組みについてお聞きします。
取材・文/山本二季