急性期の看護師の仕事内容とは?回復期・慢性期との違いや急性期病院で働くことが向いている人の特徴も紹介
病状の状態は、急性期・回復期・慢性期の3つに分けられいて、それぞれの時期によって特徴や看護師の役割が異なります。今回の記事では、急性期・回復期・慢性期の違いを解説し、急性期で働く看護師の仕事についてご紹介します。
これから病院に就職することを検討している看護師の方は、ぜひ参考にしてください。
病状の状態は3つに分類されている
病状の状態は、急性期・回復期・慢性期の3つに分かれますが、まずはこれらの特徴や看護師の役割をご紹介します。看護師として病院に就職する際に、どのような患者を看るかで役割が異なります。そのため、看護対象を知ることは、必要な要素となるため、必ず覚えておきましょう。
急性期
急性期とは、病気のなり始めや病状が急に現れる時期のことをいいます。また、急性期は身体や精神の負担が大きいため、精神的なケアが必要になる時期です。この時期は、病状によって検査や治療が必要で、場合によっては手術を必要とすることもあります。急性期は容体が安定しておらず、急変リスクが高いため、担当する看護師は、容体の急変に備えなければいけません。
急性期は、主に生命に支障をきたす患者のことを指すため、急性期の患者を担当する看護師は患者の状態を把握して、いち早く判断して対応することが要求されます。
回復期
回復期は、治療を受けた結果、急性期よりも病状が安定した状態のことで、発病・術後から1~2カ月過ぎたことを指します。回復期は急性期に比べて、容体の急変が多くありません。この時期では、体の機能を回復して在宅・職場復帰を目指すことが主な目的とされています。
回復期の患者を担当する看護師は、日常生活の復帰を目指して、介助やリハビリの手助けを行います。また、患者の中には、社会復帰ができるかどうか心配していることもあるため、精神面のでのケアも重要な役割です。
慢性期
慢性期は、治癒するまでに至らないものの、長期間にわたり病状が安定している状態のことをいいます。この時期は、再発予防や体力維持を目的に時間をかけての治療となります。慢性期患者のなかには、病状は激しくないものの、治癒が困難な状態である場合もあるため、入院期間が一年以上になることも珍しくありません。
慢性期の患者を担当する看護師は、患者の容体が悪化した時に早期発見ができるように、日々注意深くチェックする必要があります。
急性期病院について
急性期の患者は、急性期病院が担当していますが、実は急性期病院とひとことで言っても、いくつかの種類が存在しています。そこで、急性期病院の特徴や担当している救急医療についてご紹介していきましょう。
急性期病院とは?
急性期病院とは、24時間体制で急性疾患・重症患者・重症外傷の患者の治療を行う病院のことをいいます。急性期病院は、総合病院や大学病院、専門病院が役割を担っています。看護師の数は、患者7人に対して看護師1人、もしくは患者10人に対して看護師1人、病院によって異なるため覚えておくといいでしょう。
急性期病院の特徴としては、救急病院として救急患者を受け入れていることがあげられます。救急病院とは、事故や急病などの傷病者を救急隊が搬送する医療機関のことで、都道府県の認定を受けた病院のことです。救急病院では、救急業務を行うために、救急医療体制が整えられています。
救急医療の種類
救急医療は、一次救急から三次救急の3つの段階に分けられており、患者の状態が異なります。ここでは、それぞれの救急医療における患者の状態を覚えておきましょう。
一次救急では、入院する必要がない軽症患者を対応します。二次救急は、手術や入院を必要とする中等症患者の救急医療です。三次救急は、一次・二次では対応できない重症患者を受け入れます。
急性期病院での仕事内容
急性期病院での仕事内容は、主に診療の補助がメインで、患者の管理や点滴や人工呼吸器等を管理します。基本的に、急性期病院で療養上の世話をすることは少ないです。
急性期の患者は、回復期や慢性期の患者よりも早急な措置を必要とします。そのため、患者の状態を早く把握して、取り組まなければいけません。また、容体が急変することが多いため、急性期病院は忙しい状態であることが多いです。
急性期病院で仕事をするやりがい
急性病院で働く上で、どのようなやりがいを感じるのか気になる方もいるのではないでしょうか。急性期の現場は、特に人の命が関わる場所です。責任が大きい場所ではありますが、そこでしか得られないことがあります。急性期病院で仕事をするやりがいをご紹介します。
達成感が得られる
急性期病院は、24時間体制で急性疾患・重症患者・重症外傷の患者の治療を行います。これらの患者の病状は安定していません。状態によっては、緊急手術が必要になることもあります。治療を通じて、命に危険があった患者が一命を取り留める姿や回復していく手助けができることが達成感となり、やりがいを感じます。
看護師としてスキルアップができる
急性期疾患には、脳卒中・急性心筋梗塞・肺炎の他にも、さまざまな疾患や病例に対応します。また、急性期病院では最新の医療技術や医療機器を使う場合があるため、幅広い医療知識や技術力を身に付けることができます。
看護師として、よりスキルアップすることを目指している方は、急性期病院で働くことをおすすめします。
急性期病院で仕事をする上で大変なこと
急性期病院で仕事をすると、その場所だからこそ得られるやりがいもある一方で、大変なこともあります。急性期病院での勤務を検討しているのであれば、やりがいや達成感だけでなく、大変な部分も知っておくべきでしょう。
急性期病院で仕事をしていく中で大変なこと、デメリットをご紹介します。
勉強する内容が多い
「急性期病院で仕事をするやりがい」でもご紹介したように、急性期病院ではさまざまな疾患や病例に対応しなければいけません。これらの治療に対応するために、幅広い医療知識と技術を習得する必要があります。
幅広い医療知識や技術を習得に多くの時間を費やすため、プライベートな時間やまとまった休日が取れない可能性があります。
患者と関わる時間が少ない
急性期病院では、急性期の患者を担当します。急性期は病状によって期間が異なりますが、数週間とされていることが多いです。手術や治療を終えて急性期を脱した患者は、回復期に移行され、回復期リハビリテーション病棟などに移ります。そのため、長期間にわたり患者と接することがありません。
ひとりの患者とコミュニケーションをとり、長く関わりたいと思っている方には、デメリットになるかもしれません。
急性期病院で働くことがおすすめな人
急性期患者の命を救いたいという思いを抱いている方は、急性期病院で働くことがおすすめです。その他にも、急性期病院で働くことが向いている人をご紹介していきます。
感情の切り替えがうまくできる
急性期の治療において、毎回治療がうまくいくとは限りません。病状の進行具合によっては、手の施しようが無くなってしまう場合もあります。特に急性期病院では、このような状況が少なくありません。
そういった状況になった際に、感情を引きずらずに切り替え、次の業務にあたることが、急性期病院で働くうえで大切になります。
知識やスキルを高めたい
急性期病院では、回復期や慢性期の看護では経験できない病状を治療する機会があります。そのため、より多くの知識や技術を習得し、スキルを高めていくことができます。多くの医療知識や技術を学び、看護師としてさらに成長したい方は、急性期病院がおすすめでしょう。
急性期病院は看護師として成長できる職場
今回の記事では、急性期病院での仕事について主に紹介し、急性期・回復期・慢性期の違いもご紹介しました。急性期は、病気のなり始めや病状が急に現れる時期のことで、急性期病院では、急性疾患・重症患者・重症外傷などの患者の治療を行います。
緊急性が高く、重症度の高い患者に対応することから、人の命に大きく関わることが急性期病院の特徴のひとつと言えるでしょう。そのような職場で働くことは、とても貴重な経験になり、看護師として成長できるはずです。看護師としてさらに成長したい方は、急性期病院で働いてみてはいかがでしょうか。