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特集・コラム 2023-03-17

難病患者等ホームヘルパーとは? 資格の取得方法と取得メリットを紹介

在宅介護を支援する職業の1つに、「難病患者等ホームヘルパー」というものがあります。しかし、どのような仕事をする職業なのか、一般的なホームヘルパーとの違いはどんな点なのかなど、わからないこともあるのではないでしょうか。

今回は、難病患者等ホームヘルパーとはどんな仕事(資格)で、取得するにはどうすればいいのかなどをお伝えします。介護業界への就職や転職を考えている人は、ぜひ最後までご覧ください。

難病患者等ホームヘルパーとは?

難病患者等ホームヘルパーとは、名称からも伝わるように、難病や特定疾患を抱える人への訪問介護をおこなうヘルパーのことです。以下で仕事内容を見てみましょう。

難病を抱えた方のQOL向上ための支援を行う

難病患者等ホームヘルパーの仕事内容や提供するサービスは、一般的なホームヘルパーと同じです。病気によって在宅での生活に支障が出ている場面で適切なサポートをおこない、QOL(生活の質)の向上に向けて、利用者の自立や社会参加促進への支援をします。

具体的な業務内容は、
・家事支援(掃除・洗濯・料理など)
・身体的な介助(食事・排泄・入浴など)
・利用者本人や家族の心のケア
などです。

仕事自体は一般的なホームヘルパーと同様とはいえ、難病・特定疾患への知識や理解が必要で、利用者の心身の状態やニーズに合わせたケアが求められます。

難病患者等ホームヘルパー資格を取得するには?

難病患者等ホームヘルパーの資格取得においては、試験はありませんが指定の養成講座を受けなければなりません。講座には受講資格があるので、詳細をお伝えします。

受講資格を確認しよう

難病患者等ホームヘルパーの講座には3つの段階があり、それぞれに受講資格があります。それぞれの内容を以下で確認しましょう。ただし、自治体によって内容が異なる可能性があるので、各自治体の受講資格を必ず確認してください。

入門講座

難病入門課程(入門講座)の受講対象者は、障がい者居宅介護従事者基礎研修課程を履修中または修了した者、3級課程研修の修了者、介護福祉士です。

ただし、自治体の情報を確認するとあまり開催されていない模様なので、つづいて紹介する基礎課程Ⅰからの受講をおすすめします。

基礎課程Ⅰ

難病基礎課程Ⅰの受講対象になるのは、介護職員初任者研修課程を履修中または修了した者、2級課程研修の修了者、介護福祉士です。

基礎課程Ⅱ

難病基礎課程Ⅱは、介護福祉士実務者研修を履修中または修了した者、介護職員基礎研修もしくは1級課程研修の修了者、介護福祉士が受講対象です。

どんな内容を学ぶの?

つづいて、難病患者等ホームヘルパー養成講座のそれぞれの課程のカリキュラムを紹介します。下記の表にもまとめているので、あわせてチェックしてください。

入門講座|4時間

難病入門課程は、「難病に関する行政施策」として「難病の保健・医療・福祉制度Ⅰ」を1時間と、「難病に関する基礎知識」として「難病入門」を2時間、「難病患者の心理及び家族の理解」を1時間履修し、合計4時間で取得できます。

基礎課程Ⅰ|4時間

難病基礎課程Ⅰのカリキュラムは、入門課程と同じ「難病に関する行政施策」の1時間に、「難病に関する基礎知識Ⅰ」として「難病の基礎知識Ⅰ」が2時間、「難病患者の心理及び家族の理解」が1時間で、合計4時間でおこなわれます。

基礎課程Ⅱ|6時間

難病基礎課程Ⅱは、「難病に関する行政施策」として「難病の保健・医療・福祉制度Ⅱ」を1時間と、「難病に関する基礎知識Ⅱ」として「難病の基礎知識Ⅱ」を3時間、「難病患者の心理学的援助法」を1時間、さらに「難病に関する介護の実際」として「難病に関する介護の事例検討等」を1時間、合計6時間の内容です。

どうやって申し込むの?

難病患者等ホームヘルパー養成講座の申し込み方法や申し込み先は、自治体によって違うので、まずは各自治体の実施状況や開講日時などをチェックしましょう。

たとえば、東京都の場合は、未来ケアカレッジで受けられるため、未来ケアカレッジに申し込みをおこないます。また、埼玉県は自治体に直接申し込みをおこなうように案内されています。

講座はオンラインで開催されていることもあるので、会場に足を運ぶのが難しい方にも便利です。

難病患者等ホームヘルパーの資格を取得するメリットとは?

ここからは、難病患者等ホームヘルパーの資格を取得するメリットとはどんな点なのかを紹介します。

専門性の高い知識を身につけられる

難病患者等ホームヘルパーの講座では、一般的なホームヘルパーの資格取得講座では学べないような専門性の高い知識を身につけられます。難病・特定疾患という困難を持ち、生活に不便を感じている人々への理解が深まることで、一層質の高い介護を提供できるのです。

仕事の幅が広がる|転職にも役立つ

担える業務の幅が広がることから、キャリアアップにも役立ちます。そのため、活躍の場を広げていけるでしょう。また、難病患者等ホームヘルパーは、専門性をアピールできるので転職にも有利になりやすい資格の1つです。

取得にかかる費用が安め|自治体によっては無料開催も

介護系に限らず、多くの資格で取得に費用がかかります。そのなかで、難病患者等ホームヘルパーは他の有料資格に比べて費用が安く、埼玉県や千葉県などでは無料で取得できるなど、費用面でも取得しやすい資格といえるでしょう。

難病患者等ホームヘルパー資格で専門性の高い知識を身につけよう!

難病患者等ホームヘルパーとは、難病により生活に困難を抱える人々を支える専門職であることがわかりました。受講資格を満たしていれば、4~6時間程度の講座を修了するだけで取得することができ、キャリアアップやスキルアップを目指せます。

専門性の高い知識を身につけることで、より質の高い介護サービスを提供することができるので、興味のある人はぜひ受講してみてください。

なお、前述した通り、自治体によって実施要項や申し込み方法などが違うので、必ず自分が属する自治体の情報をチェックしましょう。

引用元
大阪市:難病患者等ホームヘルパー養成研修事業
兵庫県:難病患者等ホームヘルパー養成研修について
介護労働安定センター:横浜市難病患者ホームヘルパー 養成研修基礎課程のお知らせ
埼玉県:令和4年度埼玉県難病患者等ホームヘルパー養成研修
千葉県:令和4年度千葉県・千葉市 難病患者等ホームヘルパー養成研修実施要領
東京都福祉保健局:令和5年度 東京都難病患者等ホームヘルパー養成研修
厚生労働省:難病患者等ホームヘルパー養成研修事業の運営について
東京都福祉保健局:難病患者等ホームヘルパー養成研修
千葉県:千葉県・千葉市難病患者等ホームヘルパー養成研修会

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