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特集・コラム 2022-06-01

介護職はいじめが多い?いじめの理由や人間関係の悩みへの対処方法について解説

介護の業界は、いじめが多いと耳にしたことがある人もいるのではないでしょうか。もし、勤務先の職場でいじめに遭遇してしまったら、どうすればよいかわからない人も多いかもしれません。

そこで今回は、介護職におけるいじめや人間関係の悩み、そして知っておきたい対処法についてくわしく解説します。

介護職はいじめが多いって本当?

介護職は、いじめが多いという印象を持っている方もいるでしょう。しかし、いじめは介護職に限ったことではなく、さまざまな職種でいじめが問題となるケースが存在しているようです。

なぜ、いじめが起こるのか、どのような対処方法があるのかを理解することで、解決の糸口が見つかるかもしれません。そのため、まずはいじめが発生する理由を明らかにしましょう。

介護職でいじめが発生するのはなぜ?

なぜ介護職では、いじめが発生すると言われているのでしょうか。いじめの原因は、介護職の仕事内容や置かれている現状を整理すると見えてくるはずです。

ここでは、介護職でなぜいじめが発生するのか、具体的な理由や原因について、くわしく解説します。

人手不足

介護現場でいじめが多いと言われる理由のひとつに、人手不足が挙げられます。実際に、厚生労働省の「介護人材確保・介護現場の革新」によると、人手不足だとする施設は半数以上にものぼっていました。

人手が現場の対応でいっぱいとなり、新人への教育やフォローが満足におこなえず、仕事ができないことを理由としていじめに発展することもあるようです。

ストレスを抱えやすい業界

介護職でいじめが多い理由に、ストレスを抱えやすいことが挙げられます。介護職では、利用者の日常生活動作の支援や身の回りの世話を最低限の人数でおこなっているところも多く、スタッフひとりあたりの心身の負担は大きくなる傾向にあるからです。

また、心身へのストレスの多い仕事であるわりに給料が安く、勤務中にもピリついた雰囲気となり、ストレス発散のためにいじめをおこなうというケースも見受けられます。

派閥ができやすい

介護職でいじめが多い理由として、派閥の形成も関係しています。長く勤務していると、会社内で話しやすく気の合う仲間でグループ、派閥が自然とできてくるでしょう。

派閥では、それ以外のスタッフの陰口や悪口を話題にすることも少なくありません。陰口や悪口からいじめや嫌がらせに発展し、職場の雰囲気が悪くなることも考えられます。

介護職にありがちないじめの内容や人間関係の悩みとは?

人手不足やストレスなどが原因で、いじめが発生しやすいと言われている介護職。ここでは、介護職で見られるおもないじめの内容や人間関係の悩みについて、くわしく解説します。

無視される

おもないじめとして、無視されることが挙げ

られます。無視をする行為は相手を人と思わず、空気のように接し、孤独感を与える行為です。

たとえば、あいさつをしても返事がない、質問や相談事をしても聞いていないふりをされる、休憩室や更衣室に入った途端に会話が止まるなどといった内容が挙げられます。

怒鳴られる・嫌味を言われる

仕事でミスをした際に注意ではなく必要以上に怒鳴られたり、人格を否定するような嫌味を言われたりすることも、いじめとして挙げられます。

また、質問をしただけなのに怒鳴られるケースもあるようです。指導するスタッフの態度がきついため、質問もしづらくなってしまい、わからないまま業務をおこなってミスにつながり、また怒鳴られるという悪循環になることもあります。

陰口を言われる

悪口や陰口を言われることも、いじめのひとつです。職場でほかのスタッフがいるにもかかわらず、あえて周りに聞こえるように大声で自分の悪口をいう場合やスタッフルーム、更衣室などみえないところで陰口をたたかれるケースもあります。

その場で反論できず、ただ周囲に悪口を聞かれてしまうこともあるでしょう。さらに周りが注意をせず、黙っている状況に精神的なダメージを受けることもあるかもしれません。

負担が大きい仕事ばかり押し付けられる

複数のスタッフでおこなう業務をひとりだけに任せることも、いじめとして挙げられます。誰が見ても、明らかにひとりではむずかしい業務を強いられることに苦痛を感じることもあるでしょう。

ほかにもスキルアップに結び付くような重要な仕事、大きな仕事を任されない、チームから外されてしまうことも、いじめとなり得ます。

いじめや人間関係の悩みへの対処方法とは?

無視されることや陰口を言われることが、介護職の現場で発生するいじめとなっているようです。つづいては、介護職におけるいじめや人間関係の悩みへの対処法をくわしく解説します。

証拠を保存していじめる側にはっきり言う

まずは、いじめの証拠を保存しましょう。どのようないじめがあったのかを、日記やメモに忘れないようにこまかく記載します。

また、いじめる側の相手の言動などをボイスレコーダーに保存しておくと有力な証拠として使えるはずです。これらの証拠を見せながら、嫌だという意思表示を伝えるようにしましょう。

とはいえ、実際に当事者同士では冷静に話し合いをすることはかんたんではないので、間に第三者が入った場で伝えるのがおすすめです。

同僚に相談する

職場での人間関係やいじめに悩むときには、同僚や年齢や経験の近いスタッフに相談するのもひとつの方法です。夜勤の時間など働くスタッフの数が少なく、職場が落ち着いているときなど相談しやすいでしょう。

相談することで悩みを共感してもらえると、気持ちがラクになり、ひとりで思い悩むよりも状況の解決に向けて考えが浮かぶこともあるはずです。

中立な立場を貫く

いじめる側に同調して悪口や陰口を言うなど同じような態度をとってしまうと、いじめに加担したとみなされてしまい、いじめに巻き込まれてしまうこともあります。

この場合、敵でも味方でもない中立的な姿勢を貫きましょう。同調せずに当事者同士から距離をおき、事態が大きく膨らむのを避けることが大切です。

もし加害者に促されて同調しそうになってしまったときには、聞き流すようなさらっとした受け答えをしてみるとよいでしょう。

上司や施設長に相談する

同僚などに相談しても解決の糸口が見えない場合、上司や施設長に相談するのもひとつの方法です。

いじめが続き、業務に支障をきたしそうな場合に部署移動や系列の施設への異動について相談してみましょう。新しい環境に移ることによって、心身のストレスから解放されて、仕事を辞めることなく介護職を続けられます。

転職する

上司や施設長にいじめについて相談をしても解決しない場合には、転職を視野にいれてみるのもよいでしょう。思い切って違う事業所や施設に転職することで心機一転、新たな気持ちで仕事をスタートできます。

介護職には介護スタッフだけではなく、ケアマネジャーや生活相談員、介護福祉士などさまざまな職業があるのが特徴です。そのため、スキルやキャリアアップを目指して新たな資格を目指し、転職に役立てるのもよいでしょう。

また、介護職専門の転職支援サービスというものがあります。このサービスは介護職に特化しているため、職種や事業所などを絞って効率的に探せます。

いじめの少ない介護施設を見分けるには?

いじめの少ない介護施設を見分けるには、一体どんなところに気をつければよいのでしょうか。ここでは、いじめの少ない介護施設の見分け方をくわしくご紹介します。

職員が明るい施設

いじめが多く常態化しているような施設はストレスが溜まりやすく、スタッフの表情が暗く、活気がなさそうに見えることがあります。

一方で、スタッフひとりひとりが元気にあいさつや声かけをおこなっていて、明るくハキハキとしているような職場はストレスが溜まりにくく、比較的働きやすい施設であることが多いです。

利用者を大切にしている施設

施設の見学や研修の際に、スタッフの利用者への接し方にも注目してみましょう。見えないところでの利用者への接し方、ケアの仕方が丁寧で思いやりや配慮が感じられれば、スタッフの心にゆとりがある現れです。

さらに教育を重視し、新人を育てることに力をそそいでいる職場は離職も少なく、人手不足にもなりにくいので働きやすい可能性があります。

施設長や役員などが一般職員に丁寧に対応している施設

面接担当者である施設長や役員の態度や接し方にも、注目してみましょう。威圧的な言動や態度が現れている場合は要注意で、普段現場のスタッフへの接し方も威圧的である可能性があります。

自分が就職してその上司や上司から指導を受けストレスの溜まったスタッフと働くことをイメージしてみて、むずかしそうであれば別の施設への面接も検討してみましょう。

いじめや人間関係の悩みの対処方法を知って解決の糸口を見つけよう

介護職の現場では、いじめや人間関係での悩みに直面してストレスを抱えることがあるかもしれません。ですが、職場の同僚や上司などに相談することで解決することもあるようです。

それでも解決しない場合、仕事をするのがつらくなってしまう前に別の対処法を考えましょう。今の職場で働くのは無理だと感じたら、つらい環境に我慢せず、思い切って転職するのがおすすめです。

ケアマネジャーを辞めたいと思う理由とは? 悩んだときにはどうすればいいの?

引用元サイト
厚生労働省 人手不足の現状(採用が困難である原因) 介護人材の確保・介護現場の革新 5/84ページ

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