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特集・コラム 2020-06-26

ガイドヘルパーと同行援護従業者の違いとは? 同行援護従業者の仕事内容と資格の取得方法を解説

介護業界にはさまざまな種類の仕事がありますが、そのなかのひとつに「ガイドヘルパー」があります。ガイドヘルパーといってもすべて同じ仕事内容というわけではなく、サポート対象者によって役割や作業の中身も異なってきます。

今回の記事では、ガイドヘルパーのひとつである「同行援護従業者」の仕事内容について詳しく解説するとともに、同行援護従業者になるための方法や研修講座についてもご紹介します。

ガイドヘルパー(移動介護従事者)と同行援護従業者の違いとは?

ガイドヘルパーとはどんな仕事なのか、また同行援護従業者との違いは何なのかを見ていきましょう。

ガイドヘルパーは総称|障害のある方の外出を支援・介助するサービスの従事者

ガイドヘルパー(移動介護従業者)とは、身体障害、知的障害、視覚障害、聴覚障害など、さまざまな障害によって外出時の移動が困難になっている人を介助し、サポートをおこなう人のことをいいます。

ガイドヘルパーとして働くための要件は各市町村の規約によって異なっており、必ずしも養成研修を受けなければならないというわけではありません。養成研修の受講が義務付けられている市町村では、指定の研修を修了することによってガイドヘルパーの資格を取得することができます。

同行援護従業者はガイドヘルパーの中のひとつ

同行援護従業者とはガイドヘルパーのひとつであり、視覚障害者の移動をサポートする人のことを指します。視聴障害を患っている人が外出する際に一緒に同行し、移動やその他さまざまな日常生活の行動において介助をおこなうのが仕事です。具体的には移動補助、代読・代筆、排泄・食事におけるサポートです。

ほかにはどんな種類がある?|行動援護従業者・全身性障害者移動介護従業者

ガイドヘルパーは、対象とする障害者の違いによって呼名が細分化されています。すでに説明したように、視覚障害者を対象としたガイドヘルパーは「同行援護従業者」と呼びますが、ほかにも知的障害者・精神障害者を対象としたガイドヘルパーは「行動援護従業者」、全身性障害者を対象としたガイドヘルパーは「全身性障害者移動介護従業者」と呼ばれます。

養成研修には、それぞれ「同行援護従業者養成研修」「行動援護従業者養成研修」「全身性障害者ガイドヘルパー養成研修」があります。なお2021年4月から、行動援護従業者として働く場合は各市町村が指定する行動援護従業者養成研修を修了し、かつ1年以上の実務経験を経ていることが義務付けられるようになります。

同行援護従業者の仕事内容を紹介!

同行援護従業者の具体的な仕事内容、サポート例を説明していきます。

視覚障害者(児)の外出をサポート

同行援護従業者は別名「視覚障害者ガイドヘルパー」と呼ばれ、視覚障害者を対象としてサポートを実施するのが特徴です。視覚障害者は歩行や移動・外出先での行動においてさまざまな困難をきたすことが多いため、同行援護従業者は視覚障害者の移動・動作の補助や、外出先での必要な情報を提供する役割を担います。

視覚障害といっても、まったく見ることができない全盲の人から、わずかながら見える人、眼鏡で矯正している人、光は感じることができる人など、症状や視覚レベルもさまざまです。そのため、それぞれの視覚レベルに合わせた補助が必要になります。

必要な情報の代読や代筆

視覚障害者は、文字を読むこと、また文字を書くことが困難なことが多いため、同行援護従業者は必要に応じて代読や代筆などのサポートをおこないます。同行援護従業者は視覚的情報の支援全般も担うので、常に言葉で状況を説明するなど、その場に応じた臨機応変な対応が求められます。

トイレや食事などの介助

外出先で視覚障害者の方がトイレや食事の必要性が出てきた場合も、同行援護従業者がサポートする必要があります。

同行援護従業者になるには資格が必要! 取得方法を解説

同行援護従業者になる方法、また資格を取得するための養成研修について詳しく解説していきます。

1. 各都道府県の規定を確認しよう!

ガイドヘルパーの資格要件は、市町村ごとに異なっています。そのためガイドヘルパーとして働きたいときは、自治体の規定を確認する必要があります。今回の記事では、一例として千葉県の規定を元に研修要綱と資格要件をご紹介していきます。

千葉県|「同行援護従業者養成研修」実施要綱

ここでは、千葉県で実施される同行援護従業者養成研修の概要をご紹介します。

・受講対象者
受講対象者は、同行援護に従事する者、または同行援護の従事希望者。

・研修時間
一般課程 20時間
応用課程 12時間

・研修期間
一般課程・応用課程ともに2カ月以内。ただし、受講者の病気などでやむを得ない場合は4カ月以内。

・修了認定
研修の修了認定を受けた者に、修了証明書および携帯用修了証明書を交付。

千葉県| 同行援護従業者の資格要件

千葉県で同行援護従業者になるには、いくつかの資格要件のうちいずれかを満たす必要があります。

(1)同行援護従業者養成研修(一般課程)の修了者。
(2)居宅介護の従業者の資格要件を満たす者、または視覚障害者外出介護従業者養成研修修了者であって、視覚障害を有する身体障害者または障害児の福祉に関する事業に1年以上従事した者。
(3)厚生労働大臣が定める国立障害者リハビリテーションセンター学院視覚障害学科の教科を修了した者。またはこれに準ずる視覚障害者の生活訓練を専門とする技術者の養成を行う研修を修了した者。
(4)地域生活支援事業における盲ろう者向け通訳・介助員派遣事業に従事する盲ろう者向け通訳・介助員。

なお、(1)については、千葉県の研修だけでなく、各都道府県等で指定された研修を修了した場合においても認められます。

2. 同行援護従業者養成研修を受講しよう!

同行援護従業者養成研修は、各都道府県が実施する研修のほかに、外部団体でも受講することが可能です。いくつか例をご紹介します。

未来ケアカレッジ|同行援護従業者養成研修

未来ケアカレッジの同行援護従業者養成研修では、講師に各分野のエキスパート(視覚障がい者ガイドヘルパー・障がい者施設長・介護福祉士・看護師など)が招かれており、現場で培われたノウハウを直接学ぶことができます。

講座を欠席しなければならない場合でも、同校の別コースで振替受講が可能となっており、振替受講の授業料も無料となります。

出典元:未来ケアカレッジ 同行援護従業者養成研修

三幸福祉カレッジ|視覚障がい者同行援護従業者養成研修

三幸福祉カレッジの視覚障がい者同行援護従業者養成研修は、演習などの実体験・類似体験が豊富なカリキュラムになっているのが特徴です。講師も、介護現場を兼任している方が務めます。なお介護職員初任者研修と同時に申し込むことで、同行援護従業者養成研修の受講料が20%割引となります。

出典元:三幸福祉カレッジ 同行援護従業者養成研修

サービス提供責任者資格を得るにはどうすればいいの?

同行援護のサービスをおこなう事業所においては、ヘルパーではなくサービス提供責任者として働くこともできます。サービス提供責任者の資格要件も各都道府県によって異なりますが、こちらも千葉県を例に挙げてご紹介していきましょう。

要件1|介護福祉士や介護職員基礎研修の修了者など

サービス提供責任者資格になるためには、大きく2つの要件があります。そのうち、要件1はさらに(a)と(b)にわかれています。

(a)いずれかの要件に該当する者
介護福祉士
実務者研修修了者
介護職員基礎研修の修了者
居宅介護従業者養成研修1級課程修了者
初任者研修修了者または居宅介護従業者養成研修2級課程修了者(3年以上介護などの業務に従事した者)

(b)同行援護従業者養成研修応用課程を修了した者(相当する研修課程修了者を含む)

なお、要件1は、(a)(b)の両方を満たす必要があります。

要件2|視覚障害者の生活訓練に関する研修の修了者など

サービス提供責任者資格になるたのもう一つの要件です。

「厚生労働大臣が定める国立障害者リハビリテーションセンター学院視覚障害学科の教科を修了した者またはこれに準ずる視覚障害者の生活訓練を専門とする技術者の養成を行う研修を修了した者」とされています。

前述の要件1において(a)(b)の両方を満たしている場合、要件2は必須ではありません。

同行援護従業者は視覚障害者の外出をサポートするお仕事!

同行援護従業者の仕事内容や、資格取得方法についてご紹介しました。同じガイドヘルパーでも、身体障害者、視覚障害者、知的・精神障害者など対象によってガイドの仕方や仕事の取り組み方はそれぞれ異なるので、自身はどの障害者を対象にしたヘルパーの仕事をしたいのかをまず考えてみましょう。

ガイドヘルパーよりも上位の仕事として、サービス提供責任者もあります。まずはガイドヘルパーから始めて、そこからキャリアアップを目指してみてはいかがでしょうか。

出典元:
厚生労働省 障害者等の移動の支援について
厚生労働省 6 同行援護について
千葉県 障害福祉サービス従業者養成研修
千葉県 同行援護の従業者等の資格要件について
神奈川県 ガイドヘルパー養成研修事業認定要綱

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