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ヘルスケア 2023-10-30

「ヨガで幸せを広げていきたい」気持ちを大切に活動し、年600本のレッスンを実現 ヨガ講師・花井葵さん

長年、人気を集める、ヨガインストラクターの仕事。養成講座に通ったり、資格を取得すればヨガインストラクターを名乗ることはできるものの、なかなか仕事を広げることができない人も多いのが現状です。

今回お話を伺った花井葵さんは、3年目から年間600本のレッスンを担当することができたという人気のヨガインストラクターです。集客のためにどんなことをしてきたかを伺うと、「集客をするというより、ヨガを広めたい、周りに幸せを広げていきたい!という思いで活動していました。1人ひとりを大切にすることが、結果的に集客につながっていったと思います」と花井さん。その真意を、伺いました。

今回、お話を伺ったのは…

花井葵さん

ヨガインストラクター、瞑想トレーナー

会社員を経て、2年間に渡る世界一周旅行を経験。帰国後、結婚、出産を経て、ヨガインストラクターとしての活動を開始。3年目からは年間600本のレッスンを担当する、人気のヨガインストラクターに。その後、離婚をし、シングルマザーとして鎌倉に移住。現在はヨガ指導者の養成講座やスキルアップ講座の運営を主軸に活動。ヨガや瞑想を通して、健康や笑顔を広げるために活動をしている。

インスタグラム:@aoi.yasasiihana_yoga

「幸せって何?」。答えられるようになるため、世界一周旅行へ

ヨガインストラクター向け講座の講師として活躍中の花井葵さん。ヨガを仕事にしたきっかけは世界一周旅行だったそう

――ヨガインストラクターになった理由は?

26歳のときに行った、世界一周旅行での経験が大きかったです。それまで塾でスクールカウンセラーの仕事をしていましたが、子ども達に「なんで勉強するの?」、「何のために生きているの?」と聞かれることがよくありました。そのときに私が「幸せになるためだよ」と伝えると今度は「幸せって何?」と。私はそのときに答えることができなかったんですね。

――確かに答えにくい質問ですね・・・。

そうなんです(笑)。ただそんなときにテレビで、東南アジアの子ども達を目にすることがあって。キラキラした目で学ぶ子ども達を見て、とても幸せそうだと思いました。この子どもたちと、日本にいる子どもたちの差はなんだろう・・・。それに答えられることができれば、子ども達は変わるかもしれないと思って旅に出ることにしました。旅に出た先では、貧しいからこそ、当たり前に物を貸し借りしたり、「ありがとう」を言う姿が。笑顔でいること、感謝しあうことができれば人生は十分なのではないかと思ったんです

帰国後は、結婚、出産を経て、塾には結局戻りませんでしたが、旅で得たことを伝えられる手段として、ヨガインストラクターの道を選びました。ヨガは元々、習ったことがあり、ヨガ哲学に旅で学んだことと通ずる部分が思ったからです。

お母さんたちの笑顔のため。信頼関係を積み重ね、自主開催を広げる

何より大切にしてきたのは、信頼関係だという花井さん

――そこからどのようにしてヨガインストラクターとなったのでしょうか?

最初は私が習い事として通っていたヨガスタジオで、インストラクターとしてのキャリアをスタートさせました。その後は、スタジオと地域で自主開催を増やしていき、3年目くらいからは年間600本ほどレッスンを行えるようになったんです

――年間600本!すごいですね。自主開催されていたときは、集客などはどのようにしていたのですか?

集客をするというより、ヨガを広めたい、周りに幸せを広げていきたい!という思いで活動していました。1人ひとりを大切にすることが、結果的に集客につながっていったと思います。笑顔があふれる世の中になるように、1人ひとりの元気と笑顔のために活動していましたね。

――元気と笑顔のため。

はい。最初の自主開催はママ友から広げていったのですが、子育て世代のママ達が健康で幸せになったら、家族の幸せにつながる。家族の幸せは社会の幸せの基盤になると信じており、ヨガを広げていく活動をしていました

具体的には自宅から徒歩15分圏内に3つの幼稚園があり、それぞれにママ友がいました。そこでそれぞれのエリアにレンタルスペースを借りて3カ所でクラスを始めたんです。友達をご紹介いただいたら1レッスンをプレゼントする形をとっており、効果を実感してくださった方が、口コミをどんどん広げてくださって集まる方が増えていきました。その後、児童館でのレッスンなども行うようになりました

――児童館でレッスンは、どのようにして可能にしたのでしょうか?

幼稚園エリアにあった児童館に「地域のお母さんの健康のためにヨガを広げていきたいと思って活動しています。お話を聞いていただけますか」とお話ししてから直接伺い、開催をお願いしました。児童館も地域のお母さんの心や体の健康を目的としているところがありますので、開かせてもらえることになったんです。それが評判となって、自主開催に来てくださる方が増えました。児童館以外にも地域のお祭り、小学校の文化祭、コミュニティセンター、お年寄りの施設などさまざまなところで、ボランティアでレッスンを開かせてもらっていました

安定を求め、一度は手放したヨガ

離婚後は、シングルマザーとして子どもを育てるため、ヨガの道を諦めたこともあったそう

――すごく順調な滑り出しですね。

ただ、そのあと離婚をすることになり、一度ヨガインストラクターを辞めているんですよね。鎌倉に引っ越して、一般企業の正社員として就職しました。フリーだとどうしても収入が不安定になりますし、ひとりで子どもを育てていくなら安定した収入があったほうがいいだろうと思ったんです。ところがそのころがちょうどコロナ禍で、会社のあったビル自体が閉まってしまい、会社が休職になってしまって。

好きな仕事をあきらめたうえに、収入もヨガインストラクターのときと比べると減ってしまった。私は本当に人生をこんな風に送ったままでいいのかなと悩みました。そしてもう一度鎌倉でヨガインストラクターに挑戦することを決めたんです。

――そこからどのように軌道にのせたのですか?

顧客はほとんどいなかったのとコロナ禍でもあったので、先生を雇ってオンラインサロンを立ち上げました。当時はヨガのオンラインサロンはまだあまりなかったので、最初はすごく順調だったんです。ところが大手の会社がどんどん参入してきて。レッスン料金も安いし、ヨガインストラクターもたくさん雇っていて12時間もレッスンを提供していたりで、これはもう勝てないと思いましたね。一時期は収入が1/3ぐらいにまで減りました。

でも、もう一度やると決めたからには諦めたくないと思ったんです。子どもを育てながら、単発のレッスンで生活をしていくのは難しいという思いもあったので、少し方向転換をして、一般向けではなく講師向けの講座を立ち上げることにしました。主にマタニティや産後ヨガのインストラクター養成講座と、ヨガのポーズを介入しながら整えるアジャストメントの講座ですね。これを機に活動の主軸が、講座開催に変わっていきました。現在もヨガのレッスンは行っていますが、通ってくださっている方の多くが、ヨガインストラクターになっています。


生徒さんが期待する以上の講座を提供することを、いつも課題にしているという花井さん。そうすることで講座が評判を呼び、確実に生徒さんを増やしているそうです。後編もお楽しみに!

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