コロナ禍のピンチをSNSで回避! 国境を超えて「指リンパ®︎」を広めたい【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事Vol.129 リンパセラピスト 穴田美緒(はちみつ先生)さん】#2
ヘルスケア業界のさまざまな職業にフォーカスして、その道で働くプロにお仕事の魅力や経験談を語っていただく連載『もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事』。
今回は「指リンパ®︎」を通じて、リンパドレナージの有効性を広めているリンパセラピストの穴田美緒さんにインタビュー。
前編では、リンパセラピストになるまでの経緯を詳しくお聞きしました。後編では、仕事が軌道に乗ったきっかけや、穴田さんの代名詞とも言える「指リンパ®︎」を考案するまでの経緯をお聞きします!
お話を伺ったのは…
リンパセラピスト 穴田美緒さん
大学卒業とともに管理栄養士の資格を取得。さまざまな仕事をしながら、副業として管理栄養士の仕事も経験。30代後半にアロマに目覚め、アロマスクールに進学。卒業後は、アロマサロンで勤務をするもオイルが扱えない体質であることに気づき、リンパセラピストにシフト。現在12年目にして、X(旧・Twitter)のフォロワー数は約5万人を越えており、オンラインにて「指リンパ®︎」を広めている。
SNSでの活動をスタート! 「必要な人に届ける」をモットーに100人から約5万人越えの人気アカウントに急成長
――リンパセラピストとして軌道に乗ったきっかけは? 経緯をお聞かせください。
X(旧・Twitter)を活用したことでしょうか。
実は自宅サロンをしていたときに1年間だけ、セラピスト仲間と共同のサロン経営もしていたんです。2年目以降は、私がそのままサロンを引き継いだのですが…コロナ禍に見舞われてしまって。それからは1日1人だけとルールを決めて、採算度外視で感染対策にはかなり力を入れました。でも、お客様が一人でも感染したと報告を受けたら、大体1週間ほど休業していたので、休みが明けたと思ったらまた感染の報告が…と、キリがない状態。もともと人を雇わずに一人で経営していましたし、大幅な経営悪化とまではいかなかったのですが、コロナ禍によって収入の道が一つしかない状況に不安を感じ始めていました。
私にとってサロンでお客様に施術をさせていただけるのは生きがいでしたが、兼ねてから本当に情報を必要としている人に伝えられないもどかしさも感じていました。そこを埋めるには、やはり拡散力のあるXしかないと思ったんです。新しい収入源を確保すること、情報を必要としている人に届けることを目的に、Xを始めました。
ネット系は大学卒業後から変わらず苦手意識があって不安はありましたが、苦手ながらも、とにかく投稿を続けました。変化が見えたのは、始めてから2〜3ヶ月経った頃です。
――どんな変化があったのでしょうか?
コロナ禍のためサロンに施術に来てもらえないので、まずはリンパドレナージのセルフケアのオンラインレッスンを始めたんですね。それを受けて、試しにXで無料のセミナーを開催したところ、徐々にオンラインレッスンに入会いただくお客様が増えてきたんです。
――SNSを始めたことで軌道に乗り始めたのですね。
実は当時、仕事以外にプライベートでも落ち込む出来事が重なって、精神的に気が滅入っていたのですが、Xを始めたおかげで同じ話題で盛り上がれる仲間が集まり、いくつものグループができました。
仕事でも経済的に見通しが立ち、プライベートでも大切な仲間ができて…苦手な分野でしたが取り組んで良かったと思っています。
――改めて、Xで情報発信する際のコンセプトを教えてください。
届けたい人に届ける。必要としている人にしっかり届けることをモットーに発信しています。
――オンラインレッスンで行っている、セルフケアとはどういうものなのでしょう?
「指リンパ®︎」と言って、指2本だけでできるリンパドレナージです。
主に、シミ・しわなどの美容面の悩みのほか、痛みのある部位へもアプローチできるんです。 例えば、痛みを誘発する老廃物をリンパドレナージで流すことで、 一時的に痛みを緩和できるようなマッサージとしておすすめしています。
――実際にお客様からの反響はいかがですか?
当初は不安でしたが、始めてみたらメリットだらけ。自分で実践できるところが良いと好評の声を多くいただき、今は実際の施術よりもオンラインレッスンに力を入れています。サロンに来て施術を受けるよりも、オンラインレッスンでセルフケアの方法を身につければ、場所や時間を選ばずに不調なときにすぐ自分でケアできるメリットがあるのです。
多くの人々にリンパドレナージをセルフケアとして普及させたい
――ずばり、リンパセラピストを仕事にする魅力とは何でしょうか。
何と言っても、お客様が喜んでいる姿を間近で見られること。さまざまな方が、健康や美容などに悩んでいて、そこから抜け出すための手助けをすることが私の使命だと思っています。
――今後、同じ業界を目指す方へアドバイスをいただけますか?
勉強を続けるのは大事です。あくまで資格取得はスタートと捉えて、学びを止めないこと。私はお金をいただく限り、責任を持たなければいけないと考えています。勉強し続けるのは、その責任を取るためだと思うんです。
日々、医学は進歩しています。もし、10年勉強しなかったら10年分取り残されていることになるんです。お客様への責任を負うことを頭に入れながら、勉強に取り組んでいくべきだと考えています。
――では、穴田さんの今後の目標をお聞かせください。
「指リンパ®︎」を海外まで広めていきたいと考えています。オイルや道具を揃える必要がなく指一つだけでケアできる「指リンパ®︎」は、地球全体でSDGsが呼びかけられている現代にピッタリだと思うんです。高価なオイルやクリームを揃えなくても健康や美容にアプローチする方法があることをもっとたくさんの方々に知っていただきたいですね。
あとは、医療関係の方が行っている海外へのボランティアですね。私はもともとボランティアに対して積極的で、セラピストになってからの12年間、途切れることなく国内にある介護施設へ伺い、施術を行ってきました。今後もこういった活動を国内のみならず、海外にも視野を広げ、強化して続けていきたいと思っています。
ただ、一人では難しいので、私が考案した「指リンパ®︎」を習得してもらい、一緒に広めてくれる方々を増やしていくことも視野に入れています。国内はもちろん、国境を飛び越えて困っている人たちの助けになるような活動をしていくことが目標です。
異業種からリンパセラピストとして注目されるようになった3つの取り組み
1.興味のあるものと真摯に向き合い、軸になり得そうな要素を確立させる
2.苦手意識があっても物怖じせずに、挑戦してみる
3.責任を持ってサービスを提供するため、学びを止めない
取材・文/東 菜々(レ・キャトル)
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