YouTubeでの惜しみない知識披露から講師業への依頼が殺到し、「整体大学」を開校!【もっと知りたいヘルスケアのお仕事 Vol.136 整体師 土信田裕介さん】#2
ヘルスケア業界のさまざまな職業にフォーカスして、その道で働くプロにお仕事の魅力や経験談を語っていただく連載『もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事』。
サラリーマンを経験後、モデルを目指した後、整体師になった異色の経歴を持つ土信田裕介さん。現在は「Dr.Style整体院」の経営と、実践型で手技を学べる「整体大学」の運営を行うなど大活躍中です。
後編では、土信田さんがどのように「整体大学」を立ち上げ、3000人以上の門下生に技術を伝えてきたのか伺います。
お話を伺ったのは…
土信田裕介さん
整体師。土信田整体義塾株式会社CEO。直営店、FC合わせて15店舗を経営している。youtubeのチャンネル登録者数4万人越え。「筋膜フリクションテクニック(FFT)」の療法を独自に体系化し、整体師育成を行うスクール「整体大学」も運営している。
体系化された知識の習得で、3ヶ月で臨床現場に立てるプログラムを提供中!
――土信田さんは現在、整体師さんに手技を教えるスクール「整体大学」を経営されています。「整体大学」がどんなものなのか教えてください。
「整体大学」は、私が考案した汎用性と即効性が高い「筋膜フリクションテクニック(FFT)」の技術を身につけることで、患者さまの不調を治すことができる整体師を目指すスクールです。これまで累計300名以上の人が門下生として入学してくださいました。
講座は座学だけではなく、現役の整体師がマンツーマンで「筋膜フリクションテクニック」を教えるほか、臨床現場での実践なども踏まえて生きた技術を身につけていくことができます。また私自身が「早く現場で活躍したい」という思いを持っていたことから、3ヶ月で臨床現場に立てるようなカリキュラムになっているのも特徴の一つです。
卒業後は、私が運営する「Dr.style整体院」で就労していただくことも可能ですし、フランチャイズで開業してもらうことも可能と、手厚くフォローを行っています。
――そもそも整体師だった土信田さんは、どのようにして講師業を始めてここまで事業を拡大してきたのですか?
もともと俳優やモデルを目指していたほど、人前に立つことが好きだった私は、2015年頃からYouTubeを始めたんです。
「技術がなくて困っていた過去の自分を慰めてあげたい」、「当時の自分と同じように困っている人がいたら救いたい」という思いから、整体に関して知っている技術を惜しみなく動画に盛り込んで発信していたところ、「土信田先生に技術を習いたい!」「どうやったらセミナーを受けられますか?」という声がかかるようになり、講師業をスタートしました。
そこから依頼が途切れなかったため、東京、大阪、福岡など全国各地でセミナーを行うようになっていきました。すると参加してくださる方のレベルも初心者からベテランまでまちまちに。複数回受講してくださる方も出てきたこともあり、レベル別で体系的に知識をまとめてパッケージ化したのが今の「整体大学」の原型になっています。
「時代のニーズ」にあった施術を身につけることが、活躍の秘訣
――これから整体師を目指す人へのアドバイスをいただけますか。
最近はコロナが流行したことで、運動習慣を失ったことによる身体的不調や精神的不調を訴える人が増えています。自律神経の働きが乱れている方も非常に多く、整体技術の需要はより増していると私は考えます。
しかし現在、整体の手技としてメインになっているのは、高度経済成長期に第二次産業が伸びていた時代に肉体を使って労働する人々に求められていたようなグイグイと強く押す施術。この現代で不調を抱える人にはマッチしていない施術なのです。
今の時代のニーズに合った施術というものを習得しないと、逆に患者さんの体を壊してしまうことになりかねません。時代に合った正しい情報をキャッチして、自分が身につけていくべき技術を見定めてほしいと思います。
――整体師として活動中で、土信田さんのように経営者としても活躍していきたい方へのアドバイスもあわせてお聞かせいただけますか。
個人事業主や一人で経営をしていく人であれば、正直なところ努力次第でなんとかなる部分は大きいです。
しかし経営を頑張って店舗を拡大していきたいということを考え出すと、人を育てる「教育」の部分がネックになってくるかと思います。特に若い世代への教育については、方法がわからず頭を悩ませている人も多いのではないでしょうか。
教える側も困惑をすることがありますが、教わる側である若い世代によくよく話を聞くと案外、「意欲はあるがどう質問していいのかわからない」「どううまくなっていけばいいのかわからない」という悩みを抱えているもの。指導の仕方がわからないからといって嫌厭するのではなく、彼らに寄り添って、ともに問題を解決していく姿勢をとることが、適切な指導の第一歩になるのではないかと思います。