医療×スポーツの観点からみた丁寧なフィジカルチェックとフォローが人気の秘訣!【もっと知りたいヘルスケアのお仕事 Vol.139 柔道整復師 宮田洋佑さん】#2
「ヘルスケア業界」の多様な働き方を紹介する「もっと知りたい!ヘルスのお仕事」の企画。今回は「柔道整復師」と「アスレティックトレーナー」に焦点を当ててお届けします。
専門学校を卒業後、柔道整復師として都内の接骨院で経験を積み、再度専門学校に通ってアスレティックトレーナーの資格を取得した宮田洋佑さん。前回は、柔道整復師・アスレティックトレーナーとしての仕事の魅力や、宮田さんが過去にどんな困難を乗り越えてきたのかをご紹介しました。今回は、宮田さんの勤務する「Ligare Medical Fitness」でトレーニングを受ける場合、どのような流れで体の改善をしていくのかを伺いました。
お話を伺ったのは…
宮田洋佑さん
動作改善に特化したメディカルフィットネスで活動するスポーツトレーナー。柔道整復師・日本スポーツ協会アスレティックトレーナー。都内接骨院を経て松戸のメディカルフィットネス「Ligare Medical Fitness」で勤務。千葉県のバスケチームなどの帯同実績も持つ。
医学とスポーツの2つの観点から利用者をサポート
――宮田さんが勤務されているフィットネスクラブ「Ligare Medical Fitness」の特徴を教えてください。
「Ligare Medical Fitness」最大の特徴は、理学療法士、柔道整復師という医療系国家資格を持っているスタッフと、スポーツの現場での応急処置や怪我の評価や予防などを行うアスレティックトレーナーの資格を持っているスタッフが在籍している点にあります。
通常、医学的な観点もしくはスポーツ的な観点の一方向からしかサポートができない施設が多いなか、その両方向から体のコンディショニングとトレーニングのサポートができる点が大きな特色です。
――2つの方向からサポートしていただけるのは利用者さんにとっても心強いですね!
私も、柔道整復師とアスレティックトレーナーの2つの資格を取得しており、その2つの観点から最適なサポートができるよう心がけています。
「Ligare Medical Fitness」には日常的な体の不調の改善を目的にいらっしゃる方と、スポーツのパフォーマンス向上の目的でいらっしゃる方がいます。不調や痛みがある方は無理にストレッチやトレーニングをしたら症状が悪化してしまいますが、逆にパフォーマンス向上を目指す方が負荷のない運動を続けても意味がありません。
目的と現在の身体の状況をよく見極めて、最適な手技やトレーニングを組み合わせられるという点において、2つの資格を持っていることにメリットを感じています。
――スポーツのパフォーマンス向上を目指す目的で「Ligare Medical Fitness」を訪れた場合、具体的にどのようにサポートしてもらえるのでしょうか。
最初に行うのは「フィジカルチェック」です。たとえばゴルフのパフォーマンス向上を目指している方であれば、その場でスイングをして体をひねる動きをしてもらい、股関節がしっかりと動いているか、背中が丸まっていないか、足の踏ん張る感覚は適切かなどを評価していきます。
次に動きが悪い箇所を具体的に見つけていく作業に入ります。芳しくない動きを見つけたら、具体的にその動きを阻害しているのは肩甲骨なのか、肋骨なのか、はたまた膝なのかなどを見極めつつ、生活習慣やプレースタイル、競技レベルなどを聞いて原因を探っていきます。
最初に行うフィジカルチェックは現在地を知るだけではなく、優先度設定においても重要な工程です。一言にパフォーマンス向上と言っても、ストレッチや筋トレなど、やれることは山程あります。そのなかでも特に何を優先的に行っていけば、目標にたどり着けるのかという順位付けをするうえでも大切な工程です。
自宅でできるトレーニングのサポートも
――目標が決まったらどのようにトレーニングを進めていくのですか?
現在地を確認してゴール設定をした後は、いよいよ改善の工程に入っていきます。
人によっては、プレーを阻害する痛みなどがある場合があるので、手技などのサポートが必要であれば加えていきます。もしそうした必要がなければ、その人に最適な負荷のトレーニングを実施してもらうというのが王道のセオリーです。
改善は、ジムに行った一瞬だけがんばっても効果が持続しません。ですから10分程度でできる簡単なエクササイズを3~4個宿題にして持ち帰ってもらい、自宅で継続してもらうようにアドバイスします。「Ligare Medical Fitness」では、自宅でのトレーニング時に見てもらえるような動画なども提供しているんですよ!
体を変えるのはあくまで利用者さん。わたしたちはそのサポート役でしかありません。利用者さんに並走しながら、利用者さん自身の調子がよいときの再現性を高められるように、自立をお手伝いしています。
――「Ligare Medical Fitness」さんが、他にも今力を入れていることがあれば教えてください。
今後伸ばしていきたいのは、いわゆる「育成年代」と呼ばれる小中学生向けのトレーニングプログラム提供です。この年代の多くの方は、ジャンプ力を上げたい、足が速くなりたいなどのパフォーマンス向上や、普段取り組んでいるスポーツの怪我防止・予防を目的にしています。
成長期にある育成年代の子どもたちは、身体が完成しきった大人とは違ったアプローチでのトレーニングが必要です。とくに自分の体を適切にコントロールできるようになると、パフォーマンスが向上するだけでなく、怪我の防止などにもつながると考えられています。
都内など遠方から足を運んでくださる方が多かったことから、現在はオンラインでプログラムを提供し、より多くの人に利用していただける状況になることを目指しています。
宮田さんが柔道整復師・トレーナーとして成功できた3つのポイントとは?
1.柔道整復師とアスレティックトレーナーの2つの資格を取得した
2.現場で多くの症例を確認し、症例の復習にも力を入れた
3.目の前の患者さんにしっかりと向き合い、思いやることで常に技術向上を目指した