ヘルスケア&介護・看護・リハビリ業界の応援メディア
ヘルスケア 2024-09-03

「学びたい!」気持ちが後押ししてヨガインストラクターに【もっと知りたい!「ヘルスケア」のお仕事 Vol.158 /mll yoga主宰 カワノミエコさん】#1

ヘスルケア業界のさまざまな職業にフォーカスし、その道で働くプロにお仕事の魅力や経験談を語っていただく連載企画「もっと知りたい! ヘルスケアのお仕事」。

今回はヨガインストラクターとして、ご自身のヨガ教室はもちろん公園や河原、銭湯などユニークな場所でもヨガを指導しているカワノミエコさんにお話しを伺います。

前編では、学びを通してヨガの魅力にどんどんハマっていったこと、ご自身がヨガによって生活スタイルも考え方も変わっていったこと、ご自身の教室を持つまでのいきさつなどについてお話しいただきました。

お話しを伺ったのは…
mll yoga主宰
カワノミエコさん

2021年に全米ヨガライセンスRYT200取得。2022年に南林間クラスと飯能クラスを開講する。2023年にオンラインクラスを立ち上げ、2024年にはご自身の教室のほかにフィットネスクラブで3クラスを受け持つ。

学べば学ぶほどヨガの魅力にハマり、インストラクターの資格を取得!

カワノさんと一緒にヨガを学んだ同期生たちと。ともに学びを深めた同期の絆は、今もずっと続いているそう。

――カワノさんはずっとヨガに興味があったんですか? 

フィットネスクラブのメニューにあるもの…というくらいの認識しかありませんでした。スクールに通い始めたのも、インストラクターになろう!と思っていたワケではなく、ヨガを深く知りたかったからなんです。

――何かを学びたかったということですか?

そうです。子どもが大学生になり、新しい生活や学びにキラキラしている姿を見て、私も何か新しいことにチャレンジしたいなぁと思うようになったんです。

料理が好きなので、お店を開いて料理の道を究めるのも良いかな…とも思いましたが、その当時はコロナもあって難しい。ほかに何をしようか、いろいろ考えた末、ヨガに辿り着きました。子どもを授かるまでダンサーをしていたこともあって、身体を動かすのが好きというのもありました。

――どんなスクールだったんですか?

リラヨガ インスティテュートというスクールで、まず哲学を深く教えてくださり、アーサナ(ポーズ)もじっくりと学びました。身体のつくりを知るために、解剖学も教わったんですよ。ただアーサナ(ポーズ)を覚えるだけではなく、その奥にあるインド哲学を知ることができました。

――かなり本格的ですね。覚えることもたくさんありそう…。

覚えるだけでなく、考えて実践することが中心の毎日でした。週に1日、6時間のカリキュラムを勉強するためにスクールに通っていたんですが、他のすべての日は宿題をこなすのにあてていました。

たいへんな毎日だったからこそ、同期とのつながりが深まったと思います。卒業した今でも連絡を取り合ったり、悩んでいることがあれば相談したりしているんですよ。

――毎日が大変そうですが、それでも続けられたのはどうしてですか?

授業を受け始めて「難しいな」が、だんだん「面白いな」に変わっていったんです。宿題に「これについて考えてきなさい」とか「これを実践してきなさい」とか、「このアーサナを深めてきなさい」という課題が出ると、自分なりにいろいろ考える。学びが止まらないんですよね。今でももっと深めていきたいと思っています。

ありのままの自分を受け入れたら、ラクに生きられるように!

スクールに通っていたときから愛読しているヒンドゥー教の聖典『バガヴァッド・ギーター』。本には繰り返し読み込んだ跡が。

――カワノさんがヨガを学んで変わったことはありますか?

自分の中では自由な発想のなかで子育てをしてきたつもりでしたが、ヨガと哲学を学ぶうちに、実は「無難なところを探しながら生きてきたのでは?」と感じるようになりました。例えば、私は自分のことより子どもを優先するような子育てを望んでいましたが、「良いお母さんならこうするはず」とか、無難な道を選んでいたことに気づきました。

もちろん、子育てしているときは無理をしているなんて思っていませんでしたけど。

――今のカワノさんからは「良いお母さん」を演じていたようには感じられません。

スクールに通い始めた頃は筋肉がついていなくてすごく痩せていたし、今ほどパワーもなかったと思います。ヨガをやることで身体を作らなくちゃいけないし、勉強もしなくちゃいけないし、大変でしたけど、いろいろな意味で強くなった気がします。

誰にでも「思考のクセ」があるんですよね。私もそのクセに気づいたら、どんどん自分がラクになりました。

――カワノさんにはどんなクセがあったんですか?

例えば、息子のことですね。ふとした拍子に「ちゃんと食事しているのかしら」っていう心配が頭をよぎると、以前の私はそのままずっと不安な気持ちを抱えていました。

気になるなら、すぐ電話なりメールなり連絡をして確認するのもいいし、「もう大人なんだから放っておいても大丈夫」って気持ちを切り替えてもいい。そうは言ってもクセに気づくのは難しいし、私だってこのクセを手放せないときもあります。でも、そのクセを手放せない自分を許すというか、「こんなことをいつも私は考えちゃうんだな」って認められるようなりました。

無料のトライアルから正式にレッスン料をもらうインストラクターに

正式なインストラクターになる前段階から参加していた受講者が、そのまま南林間クラスのメンバーになってくれたとか。

――勉強するのと教えるのとでは、勝手が違いますよね。その差はどうやって乗り越えましたか?

私が通っていたリラヨガでは、スクーリングの期間中に1ヶ月ほどのインターバルがあるんです。その間に「自分のクラスを受けもってレッスンをしてきなさい」という課題を与えられました。

まだインストラクターの資格がないので、もちろんお金はいただけません。友人やそのお友だちに声をかけて「私のレッスンを受けてもらえませんか?」とお願いしました。

――実践する場があったんですね。インストラクターの資格を取ってからはどうしましたか?

ずっと練習台になってくれた生徒さんたちに「無事にインストラクターになれました!」という報告をしたら、「これからもレッスンを続けて欲しい」と言ってくださって。そのまま今も続いています。

ただ、ずっと無料でレッスンをしていたので、お金をいただくことに葛藤がありました。でも先生から「あなたはしっかり学んできたでしょう? お金もかけてきたでしょう? 生徒さんからお金をもらうことに負い目を感じなくていい」と言われて、納得できました。

――ずっと無料だったのが次回からレッスン料をいただくのは、確かに言いづらいですね。

そうなんです。でも、そこは割り切らないと。お金をいただくのは、教える立場になった「覚悟」でもあると思います。

ヨガとは無縁の生活を送っていたカワノさんが、インストラクターの資格を取るほど魅力にハマったいきさつなどをご紹介しました。

後編では、カワノさんがヨガのレッスンでいつも心がけていること、銭湯や公園などユニークな場所でレッスンを行うようになったきっかけなどを伺います。

撮影/古谷利幸(F-REXon)

information

この記事をシェアする

編集部のおすすめ

関連記事