16時間勤務の夜勤は違法?具体的な業務内容やメリット、キツい理由についてご紹介
「介護職の夜勤の16時間勤務は労働基準法違反なのではないか?」と考え、介護現場における16時間勤務の法律上の扱いと、労働者の権利について知りたい方も多いでしょう。
介護職の8時間夜勤と夜勤を含む16時間勤務では、一体どんな点が異なるのでしょうか?
この記事では、16時間勤務の夜勤は違法なのかどうかや8時間夜勤と16時間勤務の違い、夜勤の業務内容、働く3つのメリット、キツいと言われる理由について紹介します。
介護職の夜勤の16時間勤務について、詳しく知りたい方は参考にしてください。
介護職の夜勤で16時間勤務は違法?
介護施設で16時間勤務の夜勤で働くのは、労働基準法の適用範囲内です。
労働基準法で定められている法定労働時間は1日あたり8時間、週あたり40時間です。ただし、変形労働時間制の場合、一定の期間を平均して週あたり40時間を超えないという条件をクリアすれば、1日8時間以上、週40時間以上の労働が認められると明記されています。
また、6時間以上の勤務で45分以上、8時間以上の勤務で60分以上の休憩が義務付けられています。8時間勤務・16時間勤務ともに1時間以上の休憩を取らなければなりません。
そのため、16時間勤務の夜勤は一定の条件下で合法だと結論付けられます。
時間外労働・休日労働・深夜労働に割増賃金が支払われないと違法?
法定労働時間を超えて働く場合や、休日・深夜労働には追加賃金が支払われます。雇用主が社員に対して割増賃金を支払わないと、労働基準法違反となるのです。
時間外労働・休日労働・深夜労働の割増賃金の詳細は以下のとおりです。
・時間外労働:通常の賃金に25%以上増し
・休日労働:通常の賃金に35%以上増し
・深夜労働:通常の賃金に25%以上増し
たとえば、時間外労働+深夜労働をした場合は、50%以上増しの割増賃金が支払われることになります。正規雇用者も非正規雇用者も、雇用形態に関わらず同じ法律が適用されるのが特徴です。
介護職の夜勤で1人勤務は違法?
介護職の1人夜勤は違法ではありません。ただし、6時間以上の勤務で45分以上、8時間以上の勤務で1時間以上の休憩が義務付けられています。休憩中に電話や来客の対応などをする場合、休憩時間ではなく労働時間とみなされるため、そういった業務を対応するスタッフと交代できることが条件です。
また、1人夜勤では業務負担が大きいと感じたら、上司に相談することも重要です。
職場のスタッフと協力しながら、夜勤の業務をこなしていきましょう。
8時間夜勤と16時間夜勤の違い
介護現場における8時間夜勤と16時間夜勤には、一体どのような違いがあるのでしょうか。ここでは、勤務時間帯や休憩の仕組み、休日のとりかたを確認してみましょう。
8時間夜勤は3交代制!勤務時間帯が幅広い
8時間夜勤の職場は、日勤・準夜・夜勤の3交代制となっています。夜勤の勤務時間そのものは短いものの、続けて翌日の日勤シフトが入ることもあるでしょう。また、1日あたりの勤務時間が少ないので、勤務日が増えてしまうケースも考えられます。
16時間夜勤は2交代制!翌日休みが基本
16時間夜勤の職場は、日勤と夜勤の2交代制です。たとえば、夕方17:00〜翌朝10:00の場合、勤務16時間+休憩1時間の合計17時間は職場に居なければなりません。実質的に2日分の勤務時間となるため、身体への負担を考慮して翌日のシフトは休みとなることが多いです。
介護職の夜勤の業務内容
介護職の夜勤の業務内容は、以下のようにまとめられます。
・食事介助
・夜勤の病棟の見回り
・トイレの誘導や排泄介助
・就寝・起床の準備
・緊急の対応
ここでは、具体的な介護職の夜勤の業務内容をチェックしましょう。
1.食事介助
夜勤の業務は、利用者の夕食介助からはじまることが多いです。夕食を準備したら対象となる利用者に配膳し、食事の介助とその後の口腔ケア・服薬指導・後片付けなどをします。8時間夜勤の場合は夕食のみの対応ですが、16時間夜勤の場合は朝食介助にも対応することがあるでしょう。
出勤してすぐの忙しい時間帯の業務になるため、段取りよくおこなうことが重要です。
2.夜間の病棟の見回り
夜勤の介護職は、消灯後に利用者がどんな状態にあるのかを定期的にチェックしていきます。1〜2時間おきに1回ペースで見回りをして、利用者の体調の急変やトイレに行きたがっている人が居ないかをチェックしてまわるのが主な業務内容です。
利用者からの緊急のオンコールがあれば、その都度、対応していきます。
見回りの合間に介護記録や事務作業を済ませて、引き継ぎの準備をすることも重要です。
3.トイレの誘導や排泄介助
利用者がトイレに行きたがっている場合は、トイレまで誘導するのも介護士の仕事です。
就寝前にトイレまで付き添うことが多いですが、利用者が就寝後にトイレに行きたくなってしまった場合には、夜間の見回りの際にトイレまで誘導することもあります。
また、利用者の介護度によっては、トイレでオムツ交換をする場合もあるでしょう。
4. 就寝・起床の準備
多くの介護施設では。朝5時前後に起床時間を定めています。朝食の準備や起きてきた利用者の着替え・トイレなどの介助を済ませて、日勤者へと引き継ぎます。
ゆったりしたペースの夜勤業務の中で、朝の起床から朝食までの時間は忙しく動き回る時間帯です。夜勤のスタッフ同士でうまく協力して、効率的に業務に取り組みましょう。
5.緊急の対応
利用者の状態が急変したら、その場にいる夜勤担当者が対応しなければなりません。夜勤の時間帯には、医療スタッフが常駐していないこともあります。緊急時の適切な処置や救急外来への電話など、その場の状況に柔軟に対応する必要があるのです。
責任と負担が重くのしかかるため、人によってはキツいと感じるでしょう。
介護職の夜勤で16時間働く3つのメリット
介護職の夜勤で16時間働くメリットには、夜勤手当がもらえる点や介護職としてのスキルアップが目指せる点、選べる就職先の選択肢が広がる点などが挙げられます。
介護職の夜勤で働きたいと考えている方は、具体的なメリットを確認しましょう。
1.夜勤手当がもらえて稼ぎやすい
夜勤に従事すると25%以上の割増賃金がもらえるので、賃金アップが見込めます。一般的には3,000円〜10,000円程度がプラスで支給されるケースが多いようです。それに加えて、時間外労働で25%以上、休日労働で35%以上の割増賃金が支給されます。
このように、夜勤労働は夜勤手当がもらえて、同時間の日勤のみよりも賃金がアップするのが魅力です。
2.転職で選べる求人の幅が広がる
介護業界は慢性的な人材不足が続いているため、夜勤労働者も不足しています。就職先を探す際には、日勤だけでなく夜勤にまで視野を広げると、就職の幅が広がるでしょう。
また、すでに夜勤の経験がある方であれば、転職で選べる求人の幅はさらに広がります。
3.介護職としてスキルアップを目指せる
介護職の夜勤は、2〜3人程度の少人数でまわしている職場が少なくありません。必然的に1人あたりの業務量が増え、効率的にこなさなければ現場がまわらないため、介護職としてのスキルアップが目指せます。業務を効率的にこなせるスキルに加え、業務における責任感やリーダーシップも育めるでしょう。
また、緊急時のトラブル対応も学べるため、幅広い知識・スキルが身につきます。
介護職の夜勤で16時間働くのがキツい理由
16時間夜勤をするのがキツいと感じる介護職も少なくありません。ここでは、夜勤に従事する介護職が思わずキツいと感じてしまう場面やその理由について見ていきましょう。
1.自分の負担や責任が増える
介護職の夜勤は少人数で業務をまわす必要があり、1人あたりの負担が増えてしまいます。また、利用者の介助や緊急時の対応が増えるため、負担と責任を感じる場面も多いです。
2.生活リズムが崩れる
16時間夜勤に入ると、生活リズムが崩れてしまうことは避けられません。16時間夜勤の場合は翌日が休みになることも多いですが、夜勤と日勤のどちらにも入っていると、生活リズムが崩れた状態で勤務をすることになり、心身の状態が不安定になってしまうことも。
その結果、疲れから仕事でミスをしてしまうことも考えられます。また、生活リズムが崩れてプライベートとの両立が難しくなってしまう点も、介護職の夜勤がキツいと感じられることのあるポイントです。
自分に合った介護職の仕事を見つける方法
自分の希望とマッチした夜勤にも入れる介護職の職場を、一から自分で見つけるのは難しいことです。ここでは、介護職の職場を探すのにおすすめの方法についてご紹介します。
介護職に特化した転職エージェントを利用してみる
介護福祉業界に特化した転職エージェントを活用するのは、自分に合った職場を見つけるためのスタンダードな方法です。職歴や経歴をもとに、担当の転職コンサルタントが自分に合ったベストな職場を探してくれます。自分で介護職の求人を一からリサーチする必要がないので、これから介護業界にはじめて就職するという方におすすめです。
求人数が豊富で労働条件を細かく選べる求人サイトの利用がおすすめ
自分自身で自分に合った職場を探したい方には、求人サイトの利用がおすすめです。
転職エージェントは良くも悪くも担当者の裁量によって紹介される職場が決まってしまうため、自分の考えに沿って職場を選別することが難しいのがデメリットです。
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介護職として16時間勤務するなら自分に合った職場選びが大切!
この記事では、介護職の夜勤で16時間勤務するのは違法かどうか、8時間夜勤と16時間夜勤の働き方とシフトの入り方の違い・業務内容・メリット・キツい点を紹介しました。
16時間夜勤は違法ではありませんが、1時間以上の休憩・仮眠の時間をとることや、夜勤の割増賃金が支払われることが労働基準法に明記されています。
夜勤の業務は食事介助や夜間の見回り、緊急時の対応など、業務量自体は少ないですが、1人あたりが担当する利用者の多さと緊急時の負担の重さがキツいと感じることも。
ただし、割増賃金がもらえるので、高い給料をもらいたい方にはおすすめです。
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