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特集・コラム 2023-11-15

ケアマネジャー(介護支援専門員)の試験に向けた勉強方法|独学におすすめの学習の進め方と対策本も紹介

介護の現場で働いている方のなかには、ケアマネジャー(介護支援専門員)を目指している方もいることでしょう。介護支援専門員になるためには、規定の実務経験を経て、介護支援専門員実務研修受講試験に合格し、実務研修を受けなければなりません。

この記事では、試験の概要・試験に向けた勉強方法についてまとめています。独学で合格を目指す方に向けて、おすすめの学習の進め方や対策本も紹介しますので、参考にしてください。

ケアマネジャー(介護支援専門員)の試験について

介護支援専門員、通称ケアマネを目指そうとしている方の多くは、既に介護福祉士として現場で働いている方が多いことでしょう。

介護福祉士として働いているなら介護支援専門員についてある程度の知識があるかもしれませんが、介護支援専門員になるための試験がどのようなものかまでは詳しく知らないという場合がほとんどかもしれません。

そこで、介護支援専門員になるための介護支援専門員実務研修受講試験についての基本的な知識と、おすすめの勉強方法について解説していきます。

資格の取得方法については、「ベストウェイケアアカデミー」学校長である馬淵敦士さん監修の下記記事でも詳しく解説していますので、あわせてチェックしてみてください。
ケアマネジャーになるには? 必要な資格と取得方法を紹介|資格を取得するメリットとは

受験資格|都道府県によって多少の違いあり

国家資格である介護福祉士とは異なり、介護支援専門員の資格は都道府県によって認定される資格のひとつです。基本的な受験資格は同じですが、試験の詳細な内容は各都道府県のホームページで確認することができます。

一例として、東京都のホームページを見ると受験資格について、受験地が東京であることと対象となる資格及び業務内容で一定の実務期間を満たすこととあり、対象資格が別途一覧表になっています。

それに対し、神奈川県のホームページに載っている受験資格は、「保健・医療・福祉に関する法定資格に基づく業務に従事した期間、相談援助業務に従事した期間が5年900日以上であり、かつ、要援護者に対する直接的な援助が本来業務として明確に位置付けられていることが必要」と簡潔に書かれています。

このように都道府県によって多少の違いがありますので、まずは自分が住んでいる都道府県のホームページで確認しましょう。

引用元
東京都福祉保健財団:令和5年度 東京都介護支援専門員実務研修受講試験
神奈川県:介護支援専門員実務研修受講試験及び介護支援専門員実務研修について

試験概要

令和5年度に実施された、東京都の試験概要は次の通りです。

引用元
東京都福祉保健財団:令和5年度 東京都介護支援専門員実務研修受講試験

合格率

受験者にとって気になる点のひとつに合格率があることでしょう。いくら自分の頑張り次第とはいえ、目安となる合格率は知っておきたいですよね。

最新のデータ2022年度の合格率は、全国で19%です。つまり10人に約2人しか合格することができない、なかなか難関ともいえる試験だということがわかります。

介護支援専門員の試験が始まった1998年度の合格率は44.1%と比較的高い合格率でしたが、年が経つごとに合格率は下がり、今では難易度が高くなっている状態です。

引用元
厚生労働省:第25回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について

勉強方法は「受験対策講座の受講」か「独学」|それぞれのメリットデメリット

試験に向けた勉強方法は、受験対策講座を受講するか、独学で勉強するかの2つの方法があります。どちらにもメリット・デメリットがあるので、両方を理解したうえで自分に合った勉強方法を選択することが大切です。

受験対策講座を受講する|通学・通信

合格を確実に目指したいと思うなら、受験対策講座を受講することもひとつの方法です。受験対策講座では、介護支援専門員の知識がなくても専門的な知識や情報などを集中的に学ぶことができるので、効率的に勉強をすすめられるようになります。

対策講座を受講するメリット・デメリット

受験対策講座は複数開校されているので、そのなかから自分にあったものを選ぶことが可能です。ただし、対策講座を受講するとしても、それなりのメリットやデメリットがあることは覚悟しておく必要があります。

メリットは、合格のための対策がなされた授業を受けることができ、わからない点は講師にすぐに聞けるという点です。本に書かれていることがわからない場合、独学ではその部分から先に進めず、疑問点を調べる時間がかかってしまいます。

さらに、対策講座の講師は試験に関する最新情報を得ているため、自分が知らなかった情報や出題傾向の変化なども試験前に知っておくことができます。

それに対してデメリットは、対策講座を受講したからといって必ず合格するわけではありませんので、費用がかかることが挙げられます。

対策講座を受講するために、仕事が終わった後や休みの日に通わないといけないという点もデメリットです。なかには1日から受けられる対策講座や通信講座もありますので、これらの点を比較したうえで、自分が受けやすい対策講座を探してみましょう。

テキストや過去問などで独学する

介護支援専門員試験の対策は、講座を受講せずに独学ですすめることも可能です。方法としては、市販のテキストを使う、過去問を何度も解く、などが挙げられます。自分独自の傾向と対策を見つけることで、独学で合格することも不可能ではありません。

独学で試験対策をするメリット・デメリット

介護支援専門員試験対策を独学ですすめる場合も、メリットやデメリットがあります。

独学で対策をするメリットは、自分のペースで勉強することができるという点です。

講座を受講する場合、その日程通りに学ぶ必要がありますが、仕事が忙しく遅刻してしまった、あるいはその日の体調によってはせっかく受講したにも関わらず集中できなかった、ということも起こり得ます。独学の場合であればそういった心配はありません。

デメリットとして、法改正などで試験内容に変更・改訂があった時に、常に最新の情報を自分で把握しなければいけないという点があります。対策講座を受講している場合は、そのような情報を自分で詳しく調べることなく、講師から入手することができるのです。

独学におすすめの学習の進め方|学習計画や反復学習が大切

独学で合格を目指すには、学習計画を立てることと、反復学習をおこなうことがおすすめです。学習の進め方を詳しく紹介します。

試験日までの学習計画を立てる

試験は毎年10月中旬に実施されています。受験を決めたら試験日から逆算し、自分に合った学習計画を立てることが大切です。

学習計画は、具体的に何カ月でどこまでやるかを決め、1カ月・1週間単位での計画を練ることが理想です。出題範囲が広く難易度の高い試験であるため、短期的な目標を立て、まずは1日30分の勉強時間を確保することから始めましょう。

必要な勉強時間は100~200時間

初めての場合や経験などによって個人差はありますが、合格には100~200時間の勉強時間が必要だと言われています。1日1時間の勉強なら4~6カ月はかかり、働きながらだと1時間の確保も難しいかもしれません。

通勤やお昼休憩などのスキマ時間を活用して時間を確保したり、もっと早い段階から勉強を始めたりと、自分に合ったペースを見つけることをおすすめします。

1冊のテキストや参考書を繰り返し読み込む

テキストや参考書は、まずは1冊を繰り返し読み込みましょう。あれこれといろんな教材に手をつけるよりも、1冊を繰り返すことで知識が定着していきます。

誰でもはじめは分からないことばかりです。一度読んで分からないところには付箋をつけ、次に読むときは付箋のあるところからじっくりと読み込みます。理解できるようになるまで繰り返し、分からないことをなくしていきましょう。

過去問や模擬試験を繰り返し解く

過去問や模擬試験も、繰り返し解くことが大切です。試験問題の傾向や全体像を把握できるだけでなく、自分の得意な分野と苦手な分野を知ることができます。分からなかったことは、解説や参考書などを見ながら復習することが大切です。

理解が進み、解くことに慣れてきたら、本番を想定した時間配分で取り組みましょう。試験当日落ち着いて受験できるよう、解答時間の感覚を習得しておくためです。

苦手な分野を重点的に反復学習する

自分の苦手な分野が分かったら、重点的に勉強しましょう。参考書やテキストと照らし合わせながら、間違えた問題を何度も繰り返し解きます。解けるようになるまで何度も反復することがポイントです。

分からないところは、もう一度テキストや参考書を読み、さらにもう一度問題を解く。これを繰り返しているうちに、知識が定着していき苦手な分野を克服することができます。

おすすめの受験対策テキスト・過去問題集

ここからは、おすすめの受験対策テキストと過去問題集を紹介します。それぞれ本の特徴とあわせて紹介しますので、選ぶときの参考にしてください。

『ゼロからスタート! 馬淵敦士のケアマネ1冊目の教科書 2024年度版』

講師歴16年で、講座受講生の合格率も非常に高いという馬淵先生によるテキスト。頻出される内容に特化し、効率的に基礎知識を習得できます。重要項目は、整理された図表で分かりやすいのが特徴。

本の左側にはポイントの解説・右側には図表やイラストを掲載し、見開きになっているので使いやすい1冊です。

引用元
KADOKAWA『ゼロからスタート! 馬淵敦士のケアマネ 1冊目の教科書 2024年度版』

『2023年版 みんなが欲しかった! ケアマネの教科書』

ケアマネジャー養成テキスト『九訂 基本テキスト』の内容・法改定・介護報酬改定に対応したテキスト。学習している内容に該当する過去問題が、テキストの随所に掲載されているため、実際の試験でどのように問われるかが分かります。

図表も豊富で、重要項目はとくに目につきやすく付属の赤シートで隠せるので、暗記や反復学習にはピッタリの1冊です。

引用元
TAC出版『2023年版 みんなが欲しかった! ケアマネの教科書』

『2023年版 ユーキャンのケアマネジャー 過去問完全解説』

多彩な資格講座を開講しているユーキャンによる、過去問題の解説テキストです。掲載されているのは2018~2022年までの5年間の過去問題。解答すべての選択肢を詳細に解説しており、出題の意図やポイントを知ることができます。

重要項目は赤字になっているので、付属の赤シートで隠して暗記や反復学習をすることにも適した1冊です。

引用元
自由国民社『2023年版 ユーキャンのケアマネジャー 過去問完全解説』

『ケアマネジャー試験合格問題集2023』

試験の出題傾向を分析して作られた問題が300問掲載されている模擬問題集。試験と同様に五肢複択式を採用しているので、繰り返し解くための1冊にはピッタリです。各問題は詳しい解説つきで、便利な赤シートも付属。

知識の習得・得意な分野や苦手な分野の把握にも役立ち、試験直前の実力テストとしても活用できます。

引用元
中央法規『ケアマネジャー試験合格問題集2023』

『2023年版 ユーキャンのケアマネジャー 2023徹底予想模試』

試験3回分の「予想模擬試験」と、各分野の頻出テーマを扱った「テーマ別要点チェック問題」180問、計360問を掲載したボリュームのある問題集です。実際の試験で類似問題が多数出題されているため、おさえておきたい教材のひとつ。

模擬試験は取り外し可能で、要チェック問題は問題・解答・解説を見開きで掲載。重要事項は図表でも確認できます。

引用元
自由国民社『2023年版 ユーキャンのケアマネジャー 2023徹底予想模試』

『2023年版 みんなが欲しかった! ケアマネの直前予想問題集』

頻出項目や重要項目を復習できる解説・頻出テーマの講座・分析した出題傾向から作られた模擬問題2回分+第25回試験問題がセットになった問題集。

よく出る内容や重要なポイントを復習→さらに頻出テーマの定着を図る→問題を解くといった流れで活用でき、直前対策にピッタリです。

模擬問題・本試験問題の解説がついていることはもちろん、頻出・重要項目を定着させる暗記カードも付属しています。

引用元
TAC出版『2023年版 みんなが欲しかった! ケアマネの直前予想問題集』

介護支援専門員は独学でも目指すことが可能!自分に合った勉強方法で取り組もう

介護支援専門員の試験は難易度が高く、個人差はありますが最低でも100時間以上の勉強時間が必要と言われています。しかし、対策テキストや問題集が多く出版されており、図表や解説など知識の定着をサポートする工夫がされていることがほとんど。

学習計画を立て、テキストや問題集に繰り返し取り組むことで、独学でも合格を目指すことができます。苦手分野の克服に重きをおきながら、自分に合った勉強方法で取り組みましょう。

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