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特集・コラム 2023-05-25

ケアマネジャーが独立すると年収は上がる?収入の計算方法や給与アップの方法も紹介

ケアマネジャーは、独立して自分で仕事をすることができるのでしょうか。また、その場合年収はどうなるのかも気になるポイントです。

今回は、ケアマネジャーの独立や年収についてお伝えします。収入の計算方法や独立以外の年収アップ方法についても解説するので、自分に合った働き方を選択してみてください。

ケアマネジャーの独立の流れ


ケアマネジャーとして働く中で、より自分の理想を追求するため、独立し、居宅介護支援事業所を立ち上げる方法があります。しかし、独立開業の際にはやるべきことがたくさんあると知っておくことも必要です。

具体的には、「社団法人」や「株式会社」などの法人格を取得し、設備や建物などの面において、細かく定められた基準を満たす事業所にしなければなりません。

開業の詳細については、下記のページでチェックしてみてください。
ケアマネジャーとして独立開業する方法とは?|独立するメリット・デメリット

ケアマネジャーの給料・年収


厚生労働省による令和4年の「賃金構造基本統計調査」では、10人以上規模の企業における一般的なケアマネジャーの月給は284,500円、年間賞与は643,900円。年収にすると、284,500×12+643,900=4,057,900円です。

ケアマネジャーと他の職種の年収の違い

上記のケアマネジャーの年収と、他の職業での年収にはどれくらいの違いがあるのでしょうか。下記の表にまとめました。

月給 年間賞与 年収(月給×12+年間賞与)
ケアマネジャー以外の社会福祉専門職業従事者 287,300 708,900 4,156,500
看護師 351,600 862,100 5,081,300
保育士 266,800 712,100 3,913,700
総合事務員 325,000 999,500 4,899,500
販売店員 259,200 466,700 3,577,100

 

結果を見る限り、ケアマネジャーの年収は他職種と比べて一概に安い・高いとはいえません。就職する企業によっても異なるので、求人に応募する際はよく確認しておくことが大切です。

ケアマネジャーが独立すると年収は上がる?

独立すると、雇われていたときに差し引かれていた報酬も自分のものになるため、収入が増える可能性は十分にあります。

ただし、事業所の家賃やガソリン代などの経費を自分で払うことになるため、上手に経営しないと年収が低くなることもありえるので、きちんと頭に入れておきましょう。

ケアマネジャーの収入の計算方法


さまざまな要素の合計が、介護報酬としてケアマネジャーの収入になります。では、どんな要素があるのかを見てみましょう。

居宅介護支援費|要介護度によって異なる

居宅介護支援費は、要介護度1~2で1,000単位、要介護度3~5で1,300単位と、利用者の要介護度によって変わります。

そこで、仮に自分が担当する利用者35人のうち、要介護度1~2が27人、要介護度3~5が8人として計算すると、
・1,000単位×27人×介護報酬10=270,000円
・1,300単位×8人××介護報酬10=104,000円
なので、合計で374,000円が居宅介護支援費として入ってきます。

各種加算

ケアマネジャーの仕事は、居宅介護支援費以外のさまざまな加算も収入源です。特定事業所加算や初回加算、退院退所加算などがあります。

たとえば、特定事業所加算とは、常勤かつ専任のケアマネジャーを2~3人以上配置している・ケアマネジャーに計画的に研修を行っているなど、所定の条件を満たした場合に得ることができるもの。

条件によってⅠ・Ⅱに分かれており、比較的条件がやさしいⅡの場合は月に300単位なので、対象が20件あれば300×20×10=60,000円を受け取れます。

また、初回加算とは、特に手間が必要な初回対応の利用者の人数によって、月に300単位が加算されるもの。2人いれば300×2×10=6,000円が算定されます。

要支援・要介護認定調査の委託料

通常、地域包括支援センターのケアマネジャーが行う要支援認定調査や要介護認定調査を、独立したケアマネジャーに委託するケースもあります。1件あたり3,300~4,500円ほどなので、仮に4,000円が月に10件あった場合は40,000円が支給されるという計算です。

独立以外にケアマネジャーが年収アップを目指せる方法


ここまで見てきたように、ケアマネジャーが独立した場合、年収は上がる可能性もありますが、反対に減ってしまう恐れもあります。そこで、独立以外の方法でケアマネジャーが年収増を狙える道にはどんなものがあるのかをご紹介しましょう。

介護福祉士と兼任する

介護福祉士の資格を取り、ケアマネジャー兼介護福祉士として働く方法です。基本給以外に資格手当をもらえるほか、早朝や夜に勤務することでも手当を受け取れます。先に介護福祉士の資格を取っておくと、ケアマネジャー資格の取得に役立つのでおすすめです。

勤続年数を延ばす

ケアマネジャーとしての経験を積み、同じ職場で勤続年数を増やして、キャリアを給料に反映してもらう方法もあります。一般的に、5年目以降は賞与がグンと上がって年収が高くなりやすいです。

役職に就いて手当を得る

管理者や主任などの役職に就くと、手当がもらえるほか基本給の増加にも期待できます。施設や事業所の運営にも関われるチャンスなので、ステップアップの一環として目指してみてはいかがでしょうか。

主任介護支援専門員の資格を取得する方法も

主任介護支援専門員(主任ケアマネジャー)とは、ケアマネジャーの上位資格で、地域包括支援センターに設置が義務付けられている職員のこと。新人の育成や一般ケアマネジャーの指導、地域における課題をもとにした包括ケアの検討などの職務を担います。

上記のような収入アップや、活躍シーンの拡大を狙える仕事です。

ケアマネジャーの将来性


ケアマネジャーの仕事に将来性はあるのでしょうか。

実は、介護業界全体で人手不足が叫ばれているほか、団塊の世代が後期高齢者になる「2025年問題」も迫っており、今後はますます要介護者が増加することが予想されています。そのため、当然ケアマネジャーのニーズも高まっていくことでしょう。

処遇改善による年収増加への期待

2019年に始まった介護職員等特定処遇改善加算や、2022年に行われた介護報酬の改定など、介護職員への待遇をより良くするための試みも実施されています。今後のケアマネジャーの年収アップにも期待大です。

独立など自分に合った方法でケアマネジャーとして年収増加を目指そう


ケアマネジャーとして独立することによって、必ずしも年収が上がるとは限りません。人によっては独立が向かない可能性もあるので、自分に合った道を慎重に検討することが大切です。

しかし、ケアマネジャーという職業においては将来性もあるため、ぜひ活躍しながら年収も高めていきましょう。

引用元
e-Stat:賃金基本統計調査
厚生労働省:居宅介護支援・介護予防支援の 基準・報酬について

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