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特集・コラム 2020-06-12

介護事務と医療事務の違いとは? 仕事内容や就職先・資格など特徴を比較しつつ解説!

多くの病院や医療施設、薬局などで必要とされている「医療事務」。その仕事は、医療機関での受付や会計、そして診療報酬請求を担当します。医療機関から一定の需要があるため、医療事務の職に就きたい方も多く見られます。

一方で、少子高齢化にともなう介護サービスへの需要の増加によって「介護事務」の需要も高まっています。その仕事内容は介護報酬請求業務が中心となります。やはりこちらも病院や介護施設からの需要が増えていることから、目指す方も少なくありません。

医療事務と介護事務は、ともに需要が多い職種でありながら明確な違いについてはじゅうぶんに把握されていないことも多いようです。今回は介護事務と医療事務の2つの職種の違い、仕事内容や就職先、必要な資格を解説します。

どこが違うの? 介護事務と医療事務の職業の違いを解説!

介護事務と医療事務の2つに関しては「事務を担う職種」という漠然としたイメージは持っているものの、詳細な仕事内容や勤務先についてはよくわからないという方も多いかもしれません。ここでは、これらの点も含めて2つの職種の特徴の違いについてみていきましょう。

1. 仕事内容

事務の仕事を担うという点で共通する介護事務と医療事務の2つの職種ですが、詳細な仕事内容についてははっきりとした違いがあります。まずはこれら2つの職種の仕事内容の違いについてみていきましょう。

介護事務のお仕事|介護報酬請求業務や受付対応など

介護事務のおもな仕事内容は以下の3つに分類できます。

・介護報酬請求業務
介護施設では、毎月の介護報酬を市町村へ請求する業務があります。介護報酬とは、介護サービスを提供するうえで生じた費用のうち市町村が負担する分のことを指します。そのため、この請求業務は介護施設を運営するうえで不可欠なのです。

・管理業務
介護施設では、財務や介護職員の労働状況などに関する幅広い管理をおこなう必要があり、こちらもまた介護事務の仕事のひとつです。それにともなって各種書類の作成などをおこなうことがあります。

・利用者への対応
施設の利用者への対応も介護事務の仕事です。この業務には施設の入り口などにある受付での対応だけでなく、電話による問い合わせへの対応も含まれます。

医療事務のお仕事|診療報酬請求業務や会計など

医療事務のおもな仕事内容は以下の3つに分類することができます。

・診療報酬請求業務
医療機関では保険者に対して診療報酬を請求する業務が常に発生します。この請求業務では「レセプト(診療報酬明細書)」を作成するため、「レセプト業務」と呼ばれることもあります。医療事務のおもな仕事のひとつです。

・会計
医療事務の仕事には、医療費の計算をはじめとした会計業務も含まれます。この仕事は、病院などで診察を受けた後におこなう診察料の支払いをイメージするとわかりやすいでしょう。具体的には、患者様の診療内容をコンピューターに入力し、計算された費用の会計をおこないます。

・受付
医療事務の仕事には、診察の受付など患者様への対応も含まれます。そのため、医療事務員は医療機関の顔のような存在といえます。

2. 勤務する場所

介護事務や医療事務への就職・転職を検討する際には勤務先を把握しておきたいという方も多いことでしょう。これら2つの職種には勤務先に関しても明確な違いがあるため、求人へ応募する際にはその詳細も覚えておく必要があります。

続いては、これら2つの職種の勤務先をそれぞれみていきましょう。

介護事務の勤務先|老人ホーム・デイサービスなど

介護事務の勤務先として多いのは介護施設です。介護関係の施設は種類が多いのですが、一例として老人ホームやデイサービス、介護老人保健施設などが挙げられます。

他にも介護事務の勤務先として、福祉用具レンタル企業などもあります。直接の介護サービスをおこなっているわけではない企業からの募集も見られるので、就職・転職時には幅広く求人を探してみるのがおすすめです。

医療事務の勤務先|クリニックや調剤薬局など

医療事務の勤務先としては病院や診療所、歯科医院などが代表的なものとして挙げられます。これらに加え、調剤薬局や保険会社などでも医療事務員を必要としていることが多く、活躍できる場は多いといえます。

さらに、介護ステーションや老人ホームなどの一部介護施設でも医療事務員を募集していることがあるため、就職・転職時には幅広く求人を探してみましょう。

3. 必要な知識やスキル

介護事務と医療事務の仕事では、共通の必須としてスキルパソコンスキルや接客スキルが挙げられます。一方で介護事務と医療事務の仕事は専門的な職業でもあることから、従事するためにはそれぞれの分野に特化した知識やスキルも必要です。

続いては、これら2つの職業に従事する際に不可欠となる知識・スキルをご紹介しますので、就職や転職を目指している方はぜひ参考にしてみてください。

介護事務|介護保険制度の知識

介護事務の仕事内容のなかでも介護報酬の請求に関わる業務は、とくに専門的な知識を必要とする業務でもあります。とりわけ介護保険制度に関する知識は介護報酬の請求をする際にも不可欠ですので、就職や転職の前にしっかりと身につけておきましょう。

医療事務|医療保険制度の知識

医療事務のおもな仕事内容である診療報酬の請求では、医療保険制度の仕組みを理解しておくことが必須です。医療事務員として働き始める前に、医療保険制度に関する知識を身につけておく必要があります。

どちらの職業も取得しなければならない資格はナシ!

介護や医療に関する仕事のなかには、特定の資格を取得している人でなければ従事できないこととなっているものも少なくありません。そのため、介護事務と医療事務の仕事に関しても就業する際に取得していることが必須となる資格があるのでは、と思う方も多いことでしょう。

しかしながら、これらの2つの職種において取得が必須となっている資格は存在せず、理論上は誰もが従事できる仕事となっています。

これら2つの職種に関係する民間資格は存在するので、それらを取得しておけば就職や転職の際だけでなく実際に働き始めてからも大いに役立つでしょう。ここではおすすめの資格をご紹介します。

通信講座やスクール通学で資格取得の勉強をしよう!

介護事務と医療事務に関係する民間資格を取得するためには、通信講座やスクールへ登録し、サポートを受けながら知識・スキルを身につけていくのがおすすめです。続いては、介護事務・医療事務に関連するおすすめの資格を一例としてご紹介します。

介護事務|介護事務管理士

介護事務管理士は技能認定振興協会による民間資格です。この資格を取得するためには介護事務に求められる基礎的な知識・スキルが求められることから、就職や転職をするための最初のステップとするのもおすすめ。

また、この資格を取得するための試験は年間で6回開催されており、試験会場も全国にあるため、比較的受験がしやすいというメリットがあります。試験はマークシート方式の学科試験と介護給付費明細書の点検・作成をおこなう実技試験の2つに分けて実施されます。

この資格を取得するうえでは、ユーキャンの「介護事務講座」や日本医療事務協会の「介護事務講座」などを利用するのがおすすめです。どちらも通信講座で受講できるため、働いている方でも介護事務の勉強を進めやすいでしょう。

出典元:
JSMA 技能認定振興協会 介護事務管理士技能認定試験
ユーキャン 介護事務講座(通信)
日本医療事務協会 介護事務講座(通学・通信)

医療事務|医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)

医療事務向けの民間資格としては、一般財団法人 日本医療教育財団の「医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)」がおすすめです。

国内最大級の受験者数を誇るこの資格は、「公益社団法人全日本病院協会」と事業提携を結んだうえで運営がされていることから、その試験内容も医療現場の実情に即したものとなっています。

また、試験は医科と歯科の2つに分けて実施されており、前者の試験は年12回、後者の試験は年6回にわたっておこなわれています。試験方式は在宅受験のみとなっており、学科および実技Ⅰ・Ⅱの3つのカテゴリーに分けて出題がされます。

この資格の取得を目指す際にはニチイの「医療事務講座」や日本医療事務協会の「医療事務総合講座」などを利用するのがおすすめです。

ニチイの医療事務講座は通信講座が選べるのが魅力です。日本医療事務協会の医療事務総合講座は、通学ではあるものの14日間で修了する上に、欠席しても動画でその日の内容を学習できます。

出典元:
一般財団法人 日本医療教育財団 医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)
ニチイ 医療事務講座(通学・通信)
日本医療事務協会 医療事務総合講座

介護事務と医療事務は仕事内容や勤務先などが違う!

介護事務と医療事務の2つには、大きな違いがあります。介護事務が介護報酬の請求業務をおもな仕事のひとつとするのに対し、医療事務は診療報酬の請求をおもな仕事のひとつとしている点です。これら2つの職種は勤務先も異なります。

介護事務と医療事務のどちらを選択するかでお悩みの方は、これらの違いをよく比較検討したうえで、自分にはどちらが合っているのかをよく考えて選びましょう。

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