介護タクシー運転手になる方法とは? 仕事内容や必要な能力を分かりやすく解説
介護タクシーの運転手になるにはどんな資格が必要?|気になる将来性について解説
最近街でも見かけるようになってきた介護タクシー。介護タクシーとは体の不自由な人が利用しやすいように工夫されたタクシーのことです。高齢化が進み、介護を必要としている人も増え続けている現代では必要不可欠な存在となりつつあります。
そして同時に注目を集めているのが、介護タクシーの運転手。この記事では、介護タクシーの運転手になるための方法や魅力についてご紹介していきます。
介護タクシーの運転手になるにはどんな資格が必要なの?
介護タクシー運転手になるために必要な資格は2種類。普通自動車二種免許と介護職員初任者研修です。そのほかにも必須ではないけれど、保持していたほうがよい資格があります。ここでは、それぞれの資格について詳しく見ていきましょう。
必須の資格|普通自動車二種免許
普通自動車二種免許は、一般のタクシー運転手をするためにも必須の資格です。なお普通自動車二種免許のみでは、利用者の身体介助などは認められていません。
しかし、利用者の家族などの付き添いがあり、利用者の送迎のみを目的とした「介護保険を利用しない介護タクシー」の場合は、普通自動車二種免許のみで介護タクシー運転手として活躍できます。
普通自動車二種免許を取得するには|講習受講と試験合格
普通自動車二種免許を取得するためには、講習の受講と試験に合格することが必要です。また、運転のプロとして安全に運転するために年齢や視力・色彩識別能力・聴力などの受験条件も設定されています。
免許を取得するには、一種免許取得のときと同様に教習所に通う方法や免許合宿に参加する方法があります。すでに一種免許を保持している場合は、最短で40時限の教習の後に学科試験と実技試験の合格で取得することが可能です。
介護保険タクシーには必要|介護職員初任者研修
介護保険を利用できる介護タクシー運転手になるためには、介護職員初任者研修を修了する必要があります。介護保険を適用する場合、利用者の身体介助も職務内容に含まれるためです。
介護職員初任者研修は2013年までヘルパー2級と呼ばれていた資格です。介護職員初任者研修を修了することで、基本的な介護の知識や手技を身に着けたと見なされ、介護タクシーの利用者の身体介護もおこなえるようになります。
介護タクシーと介護保険タクシーの違いとは|仕事内容と利用料金
介護タクシーには、介護保険を適用できるものとできないものがあります。
介護保険を適用しない介護タクシーは身体介護をする必要はなく、送迎のみの仕事です。料金は一般的な中型タクシーの運賃が適用されていることが多く、運賃以外の料金は発生しません。
一方で、介護保険タクシーは介護が必要と認められた利用者が利用し、介護タクシー利用時にも身体介護が発生します。利用料金は一部介護保険が適用され、運賃のほかに介護サービス費用や車いすなどのレンタル費用も必要です。
なお介護保険タクシーの運転手は、介護職員初任者研修以上の介護資格を持っていなければなりません。これは介護保険タクシーの運転手が、乗り降りの際の介助や病院までの付き添いをおこなう必要があるためです。
介護職員初任者研修を取得するには|講習受講と試験合格
介護職員初任者研修は、130時間の講習受講と修了試験の合格で取得できます。難易度は低めに設定されており、基本的に講習内容が理解できていれば合格することが可能です。本試験で不合格でも、追試でほとんどの人が合格できています。
受験費用は約6~15万円必要ですが、時期によってはハローワークにて無料で受講できる研修を紹介してもらえる場合もあります。
ほかにもこんな資格があると便利!
普通自動車二種免許と介護職員初任者研修以外にも、持っていたら便利な資格があります。ここでおすすめするのは、ユニバーサルドライバー研修とサービス介助士の2種類。介護タクシーの運転手として必須の資格ではありませんが、持っていれば役に立つ資格です。
すでにタクシードライバーの方|ユニバーサルドライバー研修
ユニバーサルドライバー研修は、すでにタクシー運転手として活躍している人におすすめの資格です。タクシー運転手の接遇向上を目指した資格で、介護のプロからコミュニケーションスキルや車いすの扱い方などを学ぶことができます。また研修時間は7時間と、気軽に受講できる点も特徴です。
サービス介助士|高齢者や障害者への対応を学べる
サービス介助士はケアフィッターとも呼ばれ、運輸業や小売業・観光業・レジャー業などで注目されている資格です。高齢者や身体が不自由な人への「安全な介助技術」と「おもてなしの心」を学ぶことができます。介護タクシー運転手としての活動にも活かせるスキルです。また対面教習の1日を除いて、自宅で受講できるので通学の手間も必要ありません。
介護タクシー運転手の将来性について解説
送迎だけでなく、身体介護もしてくれる介護タクシーは高齢者にとって非常にありがたい存在です。日本では高齢化が進み、介護が必要な高齢者の人数も増加していきます。
都心部では自家用車を持っていない人も増えており、家族による送迎なども難しくなっている現状です。そのため、介護タクシーの需要は上昇していくことが考えられます。
高齢化が進むなかで需要は増え続ける|認知度も上昇中
日本における75歳以上の高齢者の割合は、今後も増加していきます。それにともない、介護が必要な人も増え、移動に介護タクシーを利用する人も増加していくといえるでしょう。
また都心部では車を保持しない人も増えているため、移動に介護タクシーを利用する人も増えてきています。それにともない、介護タクシーの認知度も上がりつつあるのです。
個人タクシーとして独立開業も可能
タクシー運転手は会社に所属するだけでなく、個人タクシーとして独立開業することも可能です。もちろん、介護タクシーの運転手も個人タクシーとして独立して活躍することができます。
個人タクシーとして開業する場合は、自分で仕事を獲得する必要があります。介護職員初任者研修を取得すれば獲得できる仕事の幅が増えるため、有利といえるでしょう。
介護タクシーを開業するにはどうすればいいの? 必要な資格と流れを解説!
デイサービスなどの送迎ドライバーとしても働ける
介護タクシー運転手は信頼性の高い資格を活かして、デイサービスなどでも働くことができます。高齢者の増加にともない、デイサービスの利用者も増加しているため、介護タクシー運転手の需要はますます高まっているのです。実際に、リジョブでも送迎ドライバーの求人が多くあります。
送迎ドライバーの需要は高い:https://relax-job.com/kaigo
介護タクシーの運転手になるには資格が必要!
介護タクシーの運転手になるためには、普通自動車の二種免許と介護職員初任者研修の資格が必要です。高齢化が進む日本では、介護タクシーは必要不可欠な存在といえます。それにともない、介護タクシー運転手の需要もますます高まっているのです。
タクシー運転手の仕事や介護の仕事に興味がある方は、目指してみてはいかがでしょうか。
引用元サイト
職業情報提供サイト(日本版O-NET) 介護タクシー運転手
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/481
ユニバーサルドライバー研修 ユニバーサルドライバー研修とは
https://ud-kensyu.or.jp/ud_training/index.html
サービス介助士 サービス介助士(ケアフィッター)とは
https://www.carefit.org/carefit/system/
厚生労働省 介護分野の現状等について
https://www.mhlw.go.jp/content/12602000/000489026.pdf