介護予防指導員と介護予防運動指導員の違いとは?|取得できる講習を紹介
介護予防に興味がある方のなかで、介護予防指導員と介護予防運動指導員がどう違うのかよくわからないという人も多いのではないでしょうか。お互いに名前は似ていますが、全く異なる資格になります。それぞれの資格を取得することで介護予防への知識や技術を深めることができ、日々の業務やサービス提供に役立てることができるということがメリットです。
資格を取得することで、転職や就職の際にも働く場所の選択肢を増やすことができます。ここでは、介護予防指導員と介護予防運動指導員の具体的な違いをみていきましょう。さらに資格を取得できるおすすめの講座についてもご紹介したいと思います。
介護予防指導員と介護予防運動指導員はどこが違うの?
介護予防指導員と介護予防運動指導員の2つの資格は名称が似ているため、混同してしまっている人も多いのではないでしょうか。ここでは具体的にどこが違うのか、それぞれのポイントをあげて整理していきたいと思います。
1. 認定機関が違う
介護予防指導員と介護予防運動指導員は、それぞれ認定機関が異なります。ここからは、それぞれの資格を認定する機関についてみていきましょう。
日本介護予防協会|介護予防指導士
介護予防指導員ではなく介護予防指導士として日本介護予防協会が認定しています。日本介護予防協会は介護予防の活動を推し進め、必要な人材育成を目的に設立された団体です。介護予防指導士講習を中心に、未来の介護予防の担い手を輩出しています。
東京都健康長寿医療センター|介護予防運動指導員
介護予防運動指導員は、東京都健康長寿医療センターが提供するプログラム等をおこなうことが定められています。介護予防運動指導員養成講座をおこなう事業者は必ず、センターからの指定が必要です。
2. 仕事内容が違う
介護予防指導士と介護予防運動指導員とでは、資格を取得した後に実施できる業務に違いがあります。ここでは、それぞれの主な仕事内容について整理していきましょう。
介護予防指導士|筋力訓練やストレッチング・栄養ケアなど
筋力訓練やストレッチングのほか、転倒予防に関する指導、栄養ケアや口腔ケアなどを実施しているのが介護予防指導士です。運動以外の分野においての指導やアドバイスをおこないます。介護予防において総合的で幅広い知識やスキルを身に付けておくことが求められるといえるでしょう。
介護予防運動指導員|高齢者の筋力向上トレーニングなど
一方で介護予防運動指導員は資格名に「運動」という言葉が入っているように、高齢者の筋力向上トレーニングに特化した資格です。
転倒予防や失禁予防、認知症予防に役立ててもらうため指導やアドバイスをおこなっていきます。介護施設や医療施設のほかにも、スポーツジムなどで活躍できる資格です。
3. 資格の取得方法が違う
この2つの資格は、それぞれ取得方法が異なります。基本的に、両者共に講習を修了することが条件です。ここからは、資格の取得方法の違いについて詳しく見ていきたいと思います。
受講資格の違い|実務経験や対象資格
介護予防指導士も介護予防運動指導員ともに受講には基礎資格が必要です。対象となる資格は、それぞれ以下のとおりになります。
・介護予防指導士
「介護福祉士」「ヘルパー1・2級」「介護支援専門員など介護系資格所持者」「健康運動指導士」「看護師」「准看護師」「歯科衛生士」「保健師」「理学療法士」「作業療法士」「栄養士」など
ほかにもレクリエーション系または運動指導系の資格所持者は受講の対象者となり、それ以外の方は要相談となります。介護予防指導士の受験対象者に対しては、実務経験の有無は問わないというのが介護予防運動指導員の受講対象者条件と異なる点です。
・介護予防運動指導員
「健康運動指導士」「社会福祉士」「作業療法士」「精神保健福祉士」「医師」「栄養士」「保健師」「看護師」「准看護師」「介護支援専門員」「臨床検査技師」「理学療法士」「言語聴覚士」「介護福祉士」など
ほかにも訪問介護員2級以上で実務経験が2年以上の方、初任者研修修了者で実務経験が2年以上の方などは受講の対象者です。介護予防運動指導員の場合、介護関係の資格に対しては実務経験があることが条件として定められています。そのため、事前に受講対象条件にマッチしているかどうかきちんと確認しておくことが大切です。
申込方法の違い
介護予防指導士は、直接日本介護予防協会に申し込むことができます。しかし介護予防運動指導員の場合は、指定事業者を経由して申し込むことが必要です。
研修日数の違い
介護予防指導士は、3日間研修を受ける必要があります。一方で介護予防運動指導員の場合は、5日から1カ月と研修日数に幅があることが特徴です。スクールによって講座の日程スケジュールは異なるため、よく確認しておくことが大切になります。
修了試験の違い
介護予防指導士では、修了試験はありません。介護予防運動指導員は、修了試験を受ける必要があります。
免許更新の違い
介護予防指導士は資格を取得してしまえば、一生涯、免許を更新する必要はありません。一方で介護予防運動指導員の場合は、3年ごとに免許を更新する必要があります。
介護予防指導士と介護予防運動指導員の資格を取得できる講座を紹介!
ここでは、介護予防指導士と介護予防運動指導員の資格を取得できるおすすめの講座をご紹介しましょう。
介護予防指導士|日本介護予防協会 介護予防指導士講習
介護予防指導士講習では、筋力訓練指導やストレッチング、転倒予防や栄養ケア、口腔ケアについて学んでいきます。現場で即戦力として活躍できるよう実践的な内容を意識した講義が特徴です。
機械を使わない指導法を習得でき、設備の有無に関わらず指導がおこなえるような能力を養います。
介護予防運動指導員
ここでは、介護予防運動指導員の資格を取得することのできるおすすめの講座をみていきましょう。
ニチイ|介護予防運動指導員養成講座
介護予防のプロとして実績のあるニチイの介護予防運動指導員養成講座です。こちらの講座では、約1カ月の受講期間を設けています。介護予防主任運動指導員の資格を保有したベテランの講師陣たちによる講義は分かりやすいと評判です。
講座修了時には介護予防指導員登録証を授与されるほか、全国各地で講座を受講することが可能となっています。最大で1年間受講を延長できる無料延長制度が用意されており、仕事が多忙など人に対するサポート体制も万全です。
どちらも高齢者の健康維持を支援するサービスに関わる資格
介護予防指導員や介護予防運動指導員は資格としての違いはあるものの、両者共に介護予防を目的として高齢者の健康維持をサポートとする重要な資格であるといえるでしょう。自分に合った資格を選択し、余裕がある人はダブルで取得しておくというのもおすすめです。
すでに業務をおこなっている人は、資格取得によって介護予防に関する知識や技術を深めることができます。ほかのスタッフや同僚との差別化を図りたいという人は、ぜひ資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。
出典元:
日本介護予防協会 介護予防指導士とは?介護予防運動指導員との違いは?
日本介護予防協会 介護予防指導士講習
日本介護予防協会 介護予防とは
日本介護予防協会 講習一覧
地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター研究所 介護予防運動指導員養成事業
ニチイ 介護予防運動指導員養成講座