ヘルスケア&介護・看護・リハビリ業界の応援メディア
特集・コラム 2021-12-18

看護助手の職務経歴書はどう書けばいいの?|送付時のポイントを紹介

看護助手は病院や療養施設などの医療・介護施設で、医療行為を除く患者の日常生活の介助をおこなう仕事です。特定の資格は必要ありませんが、患者が安全に療養できるように環境を整えて、医療物品の管理やベッド管理などをおこないます。

今回は看護助手としての適性やスキルをしっかり伝えるために、看護助手に必要な職務経歴書の書き方のポイントを解説しますので、参考にしてくださいね。

看護助手の職務経歴書はどう書くの? ポイントを紹介!

職務経歴書は、採用担当者が業務経験とスキルを確認するための書類です。そのため、勤務していた施設の概要と経験した業務を可能な限り、くわしく記載する必要があります。ここでは、看護助手の職務経歴書を書くときのいくつかのポイントを例文とともに確認しておきましょう。

1. 職務概要・要約

はじめに記載するのは、職務概要です。ここでは、職歴をわかりやすく100文字前後でまとめます。内容は、病院の場合、診療科目や病床数、職員の人数など施設の規模が含まれるのが特徴です。

一般企業の場合は、事業内容や資本金などを記載し、勤務部署や勤務年数などを要約して記載します。

職務概要・要約の例

こちらは看護助手として病院に勤務していた場合の職務経歴書の例文です。

2004年4月~現在 同院 心臓血管外科に配属 (在職期間6年)
事業内容:総合病院(循環器内科、心臓血管外科、小児科、脳神経外科) 病床数:500床
従業員:1,200人
2000年4月~2004年3月 医療法人 〇〇会 〇〇病院 循環器内科 (在職期間4年)
看護助手として10年間、おもに循環器領域で患者の日常生活援助と環境整備をおこない、看護助手チームリーダーの役割も担って参りました。

2. 職務経歴

前項の職務経歴書の概要で記述した内容の詳細を解説していきます。どのような点をポイントに記載するといいのでしょうか。

箇条書きでまとめる

職務経歴書の記載方法のポイントは文章で長く記載するのではなく、端的に箇条書きでまとめて記載することです。これにより書類全体に統一感がでるため、採用担当者も読みやすい文章になるでしょう。

経験年数や具体的な業務を記述する

記載する内容は、在職年数、在職期間中に配属となった診療科や部署、勤務形態、その配属先での業務内容の詳細です。

一般的な看護補助業務に加えて、病院や部署・診療科での特殊な業務をおこなっていた経験があれば、よりよいアピールポイントになるでしょう。

職務経歴の例

こちらは、病院に在職している場合の職務経歴書の書き方の例になります。

2004年4月~現在 心臓血管外科 50床 (3交代勤務)
・医療用具定数管理、搬送業務
・陰圧感染区域の清掃、バイオハザードボックスの管理・破棄業務
・事務補助業務
2000年4月~2004年3月 循環器内科 150床 (3交代勤務)
・病室、病棟内の環境調整、清掃
・患者のベッド、ストレッチャー、車いす移送介助
・食事、排泄、更衣、入浴、シャワー浴介助業務
・検体・カルテ運搬業務
など

3. 保有資格

次に保有している資格を、取得年月日とともに記載します。看護助手としての特別な資格は必要とされませんが、看護助手実務能力検定や介護福祉士などの資格を保有していると、よいアピールポイントとなり、就職後にも役立つでしょう。

4. 自己PR

自身の長所をうまくアピールすることができれば、就職活動において大きなアドバンテージになります。今までの職務経験で培ってきたスキル、患者の介助に関わる姿勢、自己の性格や傾向などを取り入れて、自分の持っている長所や熱意をしっかり伝えましょう。

ネガティブな表現は避け、看護助手の業務にどう活かすことができるかという前向きな表現で、良い印象を与えることが重要です。

仕事への適性をアピール

自分のどの部分が看護助手に向いているかを伝えなければなりません。看護助手は患者やほかの医療従事者と円滑にコミュニケーションを図り、協力して業務をおこないます。

そして患者の安全のために、異常に気づいたときには、看護師や医師に報告・連絡・相談が必須です。不規則な勤務や患者の体を支える機会も多く、業務を遂行できる体力も要求されます。

思いや目標を書いて人柄を伝える

なぜ医療現場で働きたいのか、看護助手としてどのように患者の援助をおこないたいのか、看護助手として目指している目標などを記載し、人柄や仕事に対する熱意を伝えます。

漠然とした表現ではなく、具体的に記載して、個別性のあるアピールポイントになるように心がけてみましょう。

自己PRの例

・例文1
循環器内科では、運動負荷の制限をもつ方の介助をおこなってきました。患者さんの思いや訴えをしっかり傾聴し、その人に合わせた方法を担当看護師に相談して介助をおこなうように心がけました。

部署を移動するときに、担当していた患者さんから「あなたが担当のときには安心して入浴できた」と言葉をかけてもらい、看護助手としてのやりがいを強く感じました。人の思いを傾聴したり、くみ取ったりすることが得意なので、今後も患者さんの思いに寄り添った介助をおこなうことが看護助手としての目標です。

・例文2
心臓血管外科に入院されている患者さんは術前術後の方で、感染予防と疼痛に配慮した介助と環境整備をおもにおこなってきました。疼痛を持つ患者さんには、介助する時間や方法を相談して疼痛を助長させないように介助をしていました。私は学生ころから責任感が強く、担当患者さんの小さな変化も見落とさないように注意しています。そして少しでも疑問に思った場合にはただちに担当看護師や医師に相談することを心がけています。今後も看護助手として、責任感を持って患者さんの安全に配慮した介助をおこなっていきます。

職務経歴書を書き上げたら! 送付時のポイントを紹介

職務経歴書と履歴書を書き終えたら、次に準備した必要書類を応募先の施設や企業へ送付しましょう。書類の送付方法にも、注意すべきマナーがあります。

応募先の採用担当者によい印象を持ってもらうために、送付する際の注意点と方法を守って準備しましょう。

1. 封筒のサイズと色|2つ折りで入る白い封筒がおすすめ

まずは、必要書類を入れる封筒を決めます。応募先で規定のサイズがある場合には、それに従いましょう。

規定のものがない場合には、履歴書や職歴経歴書を折らず入るものか、もしくは2つ折りで入るA4サイズの大きさの封筒を選択します。色は、白色のものを選択するとよいでしょう。

2. 封筒の表書き|履歴書在中と書こう

封筒には表書きと裏書きをする必要があります。書きにくくなったり、文字が歪んだりするため書類を入れてから記載するのではなく、書類を入れる前に記載しておきましょう。記載する際には鉛筆や消えるペンではなく、黒色の油性ペンを使用します。

封筒の表には、右端に応募先の施設住所を、封筒の中心部分に施設名・採用担当者名を記載しましょう。施設名と採用担当者名は住所より大きく書きます。(株) などの省略表記ではなく、「株式会社」 というような正式名称で記載しましょう。

送付先が部署名の場合には「〇〇御中」 、採用担当者個人名の場合には「〇〇様」 と表記し、部署名や採用担当者の個人名が分からない場合には「採用ご担当者様」 と記載します。そして、重要書類が同封されていることを示すために、封筒の左端に赤色のペンで「履歴書在中」 もしくは「応募書類在中」 と記載することを忘れないようにしましょう。

裏書き|忘れずに自分の住所などを書く

次に封筒の裏書きです。封筒裏の左半分に右から自身の住所、電話番号、名前を記載します。表書き同様に、住所や番地、名前などを省略せず正式名称を記載しましょう。

表書きのように大きく記載する必要はありませんが、相手に読みやすい字の大きさで記載するのがマナーです。

3. 添え状|同封書類を忘れず記述

職務経歴書や履歴書を送付するときには、添え状を同封します。添え状とは誰が、どの書類を、どういった目的で送付したのかを伝えるための書類のことです。添え状には、書類を送付した日付、応募先の宛先・施設名、連絡先などの一般情報とともに、書類送付目的や、応募経緯を記載します。

採用担当者に興味を持ってもらえるような自身のアピールポイントや志望動機なども記載すると好印象です。アピールポイントでは職歴経歴書に記載した内容と類似する文章になることもありますが、同じ文章を記載することは避け、簡潔にまとめた内容を記載しましょう。そして、本文の前後には時候の挨拶と結びの挨拶を入れて文章を締めます。

4. 封筒に入れる順番|職務経歴書は何番目?

準備ができたら、書類を封筒に入れていきます。ここでも封筒に入れる書類の順番に、注意が必要です。送付した書類が折れ曲がったり、汚れたりしないようにクリアファイルを準備します。

クリアファイルの中に上から添え状、履歴書、職務経歴書の順番で入れ、封筒の表書きを上にして一番に添え状が見えるように入れていきましょう。

仕事への熱意が伝わる職務経歴書を作成しよう!

職務経歴書はあなたの経験やスキルを伝えるだけでなく、看護助手の仕事への適性や熱意を伝え、あなたの第一印象を決める重要な書類になります。端的にわかりやすく要点を押さえながら、具体的で個別性のある職務経歴書を作成するように心がけましょう。

重要なのは、採用担当者が読みやすく、かつ興味を持ってもらうことです。書類の書き方のみではなく、送付方法のマナーにも配慮し、応募先施設や採用担当者によい印象を与えられるようにしましょう。

引用元サイト
日本看護協会 看護チームにおける看護師・准看護師及び看護補助者の業務のあり方に関するガイドライン及び活用ガイド

この記事をシェアする

編集部のおすすめ

関連記事