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ヘルスケア 2021-01-11

【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事 Vol.18】壱番館フォルトゥーナ 志水剛志さんが柔道整復師を目指したきっかけ

ヘルスケア業界のさまざまな職業にフォーカスして、その道で働くプロにお仕事の魅力や経験談を語っていただく『もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事』の企画。

今回は、柔道整復師の資格を持ち、日本距骨調整協会の代表理事を務める「壱番館フォルトゥーナ」の志水剛志さんにインタビュー。志水さんがこの道を目指したきっかけから、これまでの道のりを教えていただきました。

教えてくれたのは…

「壱番館フォルトゥーナ」院長 志水剛志さん

柔道整復師。笠原接骨院にて副院長として従事するとともに、整体の知識・技術も習得。2007年に独立し、整体院を開業。2008年に整骨院を開院、2010年に株式会社壱番館を設立し、ホテルスパとの業務提携をスタート。2016年、日本距骨調整協会を設立。「距骨」の重要性を伝えるため、執筆、商品開発など幅広く活動中。著書に『MAG MOOK 距骨を整えれば不調が治る!』(マガジンハウス)など。

「世の中に必要とされたい」から、柔道整復師になりました

―まず、志水さんが柔道整復師を目指したきっかけを教えてください。

中学生のころ「なんで生きているんだろう」「生きるってなんだろう」って、毎日のように考えている時期があったんです。そのときに、「世の中に必要とされて初めて、存在している価値があるんじゃないか」と思ったんですよね。

それで、自分の周りで、それができている人って誰だろうと考えたら、通っている接骨院の先生が思い浮かんだんです。それが、横浜にある笠原接骨院だったんですけど。痛い、つらい、と接骨院に来た人たちに対して、自分が施術することで喜んでもらえて、それが仕事になる。かっこいいなって、憧れました。柔道整復師になろうって決めて、それからは一直線でしたね。

院長先生に相談したら、「まずは柔道整復師の学校に受かりなさい」と言われたので、高校卒業後に専門学校を受けて入学しました。入学後、1年生のときから笠原整骨院にインターンみたいな感じで入り、卒業後も柔道整復師として勤務しました。

―そちらでは副院長を務めてらっしゃったんですよね。若くして、副院長になった経緯は?

卒業して1年後に先輩たちの開業ラッシュがあって、22歳で院長代理になりました。周りは全員年上なんですけど、キャリアが僕より浅かったんですよね。僕はそのとき、専門学校時代も含めて5年目だったので。

―周りが年上ばかりというのも、大変そうですね。

やっぱり僕の方が年下なので、いくら口で言おうとしても難しいところはありますよね。だから、圧倒的に他の人より結果を出さないといけないし、仕事しなきゃいけないと思いました。そこで、整体を学びに行ったり、毎週のように講習会に参加して、学んだ技術を整骨院での施術にいかすようになりました。

そうすると周りから技術について聞かれるようになって。技術を教えるなかで、コミュニケーションを取り、信頼を作っていきました。年齢が近い人たちばかりだったので、いろいろ話し合いながら、いろんなことにチャレンジさせてもらいましたね。

天狗だった開業時。『半年間集客ゼロ』からの転機

―独立の経緯を教えてください。

昔は、「10年働いたら開業しなさい」って感じでしたから、僕も9年勤めさせてもらい独立しました。27歳のころですね。

若いうちに院長代理を任されて、患者さんからは毎日「先生」、従業員からは「志水さん」と呼ばれていましたから、かなり天狗になっていたところがあって(笑)。「俺は東京で成功してみせる!」みたいな感じで独立したんです。でも、東京にコネがあるわけでも、この場所でやりたいというのもありませんでした。

ただ、自費診療でやりたいっていうのは決めていたんですよね。慢性疾患へのアプローチなど、保険診療だけではできないこともありますから。あと、整体の学校に通っていたときに出会った先生たちから、保険診療から自費診療に切り替えるのは大変だから、最初から自費診療にしたほうがいいと聞いて、それを鵜呑みにして(笑)。

そうなると、それなりの値段でもお客さんが来てくれる街じゃないといけないので、悩みに悩んで、表参道で整体院を開業しました。

―いきなり表参道は、勇気がありますね!

レンタルオフィスだったんですけど、屋上からの眺めが最高だったんです。THE 東京って感じで…ここしかないなって思って。でも、一部屋20万円くらいだったので、開業資金自体はすごく安く済んだんですよ。

ここから始めて、お客さんがついたら、もう少し広い店舗を借りて…って考えていたんですけど、なんと半年間は集客ゼロで(笑)。

「このままじゃまずい」と思って、異業種交流会に出てみたり、紹介を受けてみたりして、いろんな人に会いました。そのときに、ホテルニューオータニのスパの部長さんとも出会ったんです。

―それがきっかけで、現在ホテル内でお仕事をされているんですね。

そうですね。たくさん交渉して、まずは会員制スパ内で整体の仕事をさせてもらえるようになりました。そこから少しずつ、施術に来る日数が増えていって、常勤になって…っていう感じで。今では、会員制スパ内だけでなく、ホテルゲストやビジターも施術が受けられる実店舗もホテルニューオータニ内に持てるようになりました。

―では、普段どのような働き方をされているか、教えてください。

施術は、1日4~6名くらいですね。僕は、足から体を見ていくことを主軸にしているんですが、調べて遠方から来てくださる方も多いです。

コロナ禍の今は、ロックダウンで動かなかった人たちが、急に動き出したことで、足にトラブルを感じているという方が増えていますね。

独立後、半年間お客様がいなかったという志水さん。そこから、ホテルニューオータニ内に店舗を持つまでになった理由は、「人との出会い」にあったそう。次回は、志水さんが働くうえで感じた仕事の魅力、これからヘルスケア業界を目指す人たちへのアドバイスをお伺いします。

▽#2はこちら▽
【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事 Vol.18】壱番館フォルトゥーナ 志水剛志さんが伝える柔道整復師/整体師の魅力とは>>

取材・文/山本二季
撮影/片岡 祥

Information

壱番館フォルトゥーナ

住所:東京都千代田区紀尾井町4-1
ホテルニューオータニ ガーデンタワー3F
ゴールデンスパ・ニューオータニ内
TEL:03-3221-4222

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