お客様の悩みを解消することがやりがいに。笑顔にするために知識や技術を学び続けたい「髪屋こころ」酒井さん

和テイストの落ち着いた空間でマンツーマンで施術を行うサロン「髪屋こころ」。埼玉県内に2店舗展開しており、浦和美園店でスタイリストとして働いているのが酒井正広さんです。

前編では酒井さんが「髪屋こころ」に入社するまでどのような経験を積んできたのかを伺いました。

後編では、酒井さんが「髪屋こころ」入社した経緯や入社後について伺います。30歳で3社目に入り、幹部として仕事をしていた酒井さんは仕事量の多さに将来が心配になったそうです。40代に突入しても身体的にも精神的にも落ち着いた環境に身を置きたいと考えていたところ、学生時代の同期からの誘いがあり「髪屋こころ」に転職しています。

今回、お話を伺ったのは…

「髪屋こころ」スタイリスト

酒井正広さん

国際理容美容専門学校を卒業後、都内の個人店に入社。半年間働いたのちに転職した2社目の個人店でスタイリストデビュー。結婚をきっかけに埼玉県内の大手美容室へ入社。幹部などの経験を経て、学生時代の同期が開業した「髪屋こころ」へ入社。毛髪理論を活かした縮毛矯正や髪質改善を得意としている。

ハードワークによる不安。ライフステージを考えて「髪屋こころ」へ

――「髪屋こころ」に入社した経緯を教えてください。

前社で幹部として仕事をするなかで、この仕事量を40代、50代になってもこのまま続けられるかと不安になったんです。身体的にも精神的にも落ち着いた環境に移りたいと考えていたところ、学生時代の同期である友人が独立するということで誘ってくれたのが「髪屋こころ」でした。

勤務時間が8時半〜19時になり、仕事と生活のバランスが保ちやすい働き方になると感じましたし、友人がオーナーなのでコミュニケーションもとりやすく働きやすいだろうと思い、転職を決めました。

――なるほど。

「髪屋こころ」は自由なことが多いんです。たとえば、17時で予約のお客様が終わった場合、掃除などやることを終わらせれば帰ることができます。売上を作れることが前提ではありますが、この自由度の高さのおかげでライフステージや家族の成長にあわせて働けるのは大きな魅力だと思っています。

習得スキルと喜ぶお客様の数は比例する

――毛髪理論を活かした施術を得意としているそうですが、こちらは？

2社目時代は、企業文化もありセミナーに多く参加していたのですが、そのなかで毛髪科学という髪の生え方や構造など髪や頭皮についての専門的な知識を学んだことがあったんです。その知識をもとにした縮毛矯正と髪質改善を打ち出しています。

――いつごろからでしょうか。

「髪屋こころ」に入ってからです。毛髪科学といった理論や知識は美容師みんなが身につけているものだと思っていたのですが、「髪屋こころ」に入社してみて当たり前じゃないと気づいて。これはほかの美容師との差別化につながると思い、さらに知識を深めたうえで打ち出すようになりました。

――現在もセミナーなど知識を深める場には積極的に参加を？

はい。月に1回はカットセミナーに参加しています。美容師はトレンドをはじめ、新たな知識や技術をインプットし続けることが大切だと考えています。新たな知識を得るたびに、また喜ばせることができるお客様が増えると感じますね。

弊社のお客様は髪の悩みを持っている方が多いのですが、解消したときのお客様の喜ぶ姿をみるとこちらもうれしくて、大きなやりがいにつながります。そのためどんなことでも解消できるように努力しているんです。

お客様がいなければ私たちが身につけた知識もスキルも発揮できません。美容師はお客様がいるから成り立っている仕事なので、表情などをみながら心地よい施術を心掛けています。

稼げる美容師を増やすため。目標は戦略アドバイザー

――今後の目標を教えてください。

前提として、美容師はずっと続けていきたいです。そのうえで、美容師として働く方々が収入面で悩まないような業界にしたいと思っています。実際に収入や売上が理由で、仕事自体は好きなのに諦めてしまう方もこれまでみてきました。ただ、業界や企業の仕組みを変えるのは簡単ではないと思うので、まずは稼げる美容師になるためのアドバイザーにチャレンジしてみたいです。

――アドバイザーですか！

現時点で、売上に困っている友人や後輩の美容師には相談に乗ったりしているので、今後は範囲を広げて他店の方にもアドバイスできるようになれたらうれしいです。内容としては、相談者の個性、所属店舗の特性などを理解したうえでどのように稼いでいくのがいいのか話していますね。

――最後に、酒井さんにとって「働く」ということは？

私にとっては、好きなことに精一杯取り組むもの。働く時間は、人生においてかなりの割合を占めると思います。だからこそ、好きなことを仕事にしたほうが高い幸福度で生きていけますし、一生懸命働けます。私は好きなこと、興味のあることを仕事に選んだからこそ、辛かったり悩んだりしたときに「退職」という選択肢は一度も出てきませんでした。仕事選びにおいて好きかどうかは大切だと思います。

キャリアップや継続的なインプットなど経験を積むことに貪欲な酒井さん。その姿勢があるからこそ、多くのお客様を喜ばせることができ、美容師として愛されているのだろうと感じました。アドバイザーにも興味があるということで、今後の美容業界をよりよいものにしていくおひとりになっていくのではないでしょうか。