自分を覚えてもらうために週1回のサロン通い。「思いつき」を行動にできるかが就活成功のカギ 「Skill 渋谷」榎戸颯汰さん
東京・渋谷に2022年にオープンし、岩本桂弥さんが代表を務めるメンズサロン「Skill 渋谷」。今回お話を伺うのは「Skill 渋谷」に、2023年に入社した榎戸颯汰さんです。
前編では榎戸さんが美容師を目指したきっかけや、専門学校時代の経験について伺いました。
後編では、榎戸さんが採用試験に向けて実践した準備や、選考で意識したことを伺います。
岩本さんの専属アシスタントの採用試験は応募者が多いと知り、なんとかつめあとを残したいと考えた榎戸さん。そこで思いついたのが、週1回というハイペースで岩本さんの元へと通うこと。記憶に残る行動が就活を成功に導いたようです。
お話を伺ったのは…
榎戸颯汰さん
「Skill 渋谷」アシスタント

2001年、東京都生まれ。東京モード学園を経て美容師免許を取得。在学中に、当時フリーランス美容師として活動していた岩本桂弥さんの施術を受けたことをきっかけに応募を決意し、倍率の高い採用を突破して「Skill 渋谷」に入社。バンド、アイドル、K-POPなど音楽好きな美容師としてSNSで発信し、注目を集める。
大勢に埋もれないための自分を覚えてもらう行動がカギ

――応募に際して、どんな準備をしましたか。
採用試験まで時間がないと感じたので、自分を覚えてもらうために1週間に1回のペースで、岩本の元へ髪を切りに行っていました。
――週に1回!それはハイペースですね。そこでは何かアピールを?
「岩本さんの元で働きたいと思っている」という気持ちは伝えていましたが、週に1回通うとなると、毎回それだけを話すわけにもいかず(笑)。アニメやドラマなど、たわいもない話をすることも多かったです。
――実際の選考内容は?
履歴書による書類選考を通過すると、面接という流れでした。
――履歴書を書く際に何か心掛けていたことはありますか?
とくに自分で意識していたわけではないのですが、あとから岩本に「履歴書の書き方が抜きんでていた」と言ってもらえました。
というのも、通っていた専門学校では履歴書をチェックしてもらう機会があり、そこでとてもきれいに書かないとOKが出なかったんです。字を丁寧にまっすぐ書くことや、文章の最初は1マス分空けることなどいくつかのポイントがあり、それを意識して全体的に整った履歴書になるように心がけていました。
自分にとっては当たり前のことだったのですが、履歴書1枚にどれだけ時間をかけたかが伝わってきたと、岩本からほめてもらえたんです。
内容としては、中学生時代にくせ毛を解消してもらって感動した体験や、一度はスポーツトレーナーの道を選んだものの、改めて美容師の道を選び直したことなど、自分のバックボーンを正直に書きました。美容師に対する熱量が伝わればいいな、という思いもありましたね。
――面接時に、心掛けていたことは?
応募者がとても多いと聞いていたので、とにかく印象に残ることをしたいと思いました。そこで面接の際にスタイルブックを作り、その表紙にQRコードを載せたんです。
そのQRコードは動画のリンクになっていて、中学生時代のコンプレックスだった髪型から現在のスタイルへの変化をまとめた「ビフォーアフター動画」を見られるようにしました。スタイルブックは多くの人が準備しますが、動画まで作る人はあまりいないのではないかと思ったんです。
採用にどれくらい貢献したかは分かりませんが、創意工夫をした心意気は感じてもらえたのではないかと思っています。
――面接での手応えはありましたか。
何回も岩本の元へ足を運び自分のことを知ってもらっている状態だったので、面接の際には「正直、君にはあまり聞くことがないんだよね(笑)」と言われました。ただ面接としての手応えを感じられたかというと、そうでもなく。
とにかく「岩本さんの考えや行動を間近で感じ、自分を成長させたい」としっかり伝え、やれることはやりきったという思いはありましたね。
――その後、採用の連絡があったわけですね。
はい。そのときに「『Skill 渋谷』というサロンを出店することになったから、個人の専属アシスタントではなく、『Skill 渋谷』に入社してほしい」と言われたんです。正直、ほかにどんな人が入ってくるのか、どんなサロンになるのか、想像もつかず、少し不安もありました。
――それでも入社を決めたわけですね。
はい。その不安を抱え続けるより、まずは行動してから考えようと思いました。実際に入ってみないとわからないことがたくさんあると思ったので。「もう行くしかない」という覚悟を決めて、飛び込んでみることにしました。
お客様との距離が近いサロンで感じた、人とつながれるありがたさ

――入社してからはどんなことを感じましたか?
まず感じたのは、代表の岩本への周囲からの信頼の厚さと、自然と人が集まってくる存在感です。一般的にサロンの代表というと、スタッフにとって「怖い存在」になりがちですが、岩本に対してはそうした印象を抱くことはありませんでした。
僕のような新人スタッフに対しても、岩本の方から積極的に話しかけてくれましたし、岩本の周りには自然と人が集まってくるんです。そんな光景をよく目にしていたので、「これほどまでに人に好かれる人はいない」と、その人柄の素晴らしさを改めて実感しました。
――ずっと憧れてきた美容師の仕事に就いたわけですが、そこに対してはどのようなことを感じましたか?
「美容師って本当にすごいな」と感じる毎日でした。入社前に岩本から聞いていた「目の前の人を幸せにしなければならない」という言葉の意味を、現場に立つようになってから、より深く理解できるようになったんです。
自分の好きなことに職人のように打ち込みながら、コミュニケーションを通じてお客様と信頼関係を築いていく。その積み重ねが、結果として「目の前の人を幸せにする」ことにつながっているのだと、日々の仕事を通して感じています。
――なるほど。美容師としてのやりがいも感じられていますか?
はい。とくに人とのつながりの深さに、やりがいを感じますね。「Skill 渋谷」にいらっしゃるお客様は、技術を求めて来店されるだけではなく、スタッフに会いに来る感覚で、足を運んでくださる方が多いと感じるんです。
実際、僕はまだアシスタントですが、プライベートで趣味のライブに行った際に、お客様から声をかけていただいたり、一緒に写真を撮りましょうと言ってくださることがありました。そうした経験を通じて、美容師という枠を超えた人とのつながりや、お客様の温かさを感じられる環境を、ありがたく感じています。
就活で得た、行動することの強さ

――就活の体験は榎戸さんにとってどんな学びになりましたか。
自分自身を知るきっかけになりましたし、何よりも「行動に移すことの大切さ」に気づかされました。
岩本の元へ1週間に1回通うようになったのも、最初は本当にただの思いつきだったんです。でも実際に行動してみることで、岩本の印象に残ることができ、その結果、就職につながったのだと思っています。やってみなければ、何も始まらなかったと。
これは就活に限らず、お客様に対する行動や技術のことなど、すべてに共通することだと思います。やろうと思ったことは、後回しにせず、まずは行動してみる。その積み重ねが大切だと感じました。
――最後にこれから美容師を目指す人へ、アドバイスをお願いします。
気になるサロンがあったら、実際に足を運び、自分の肌で雰囲気を感じてみることをおすすめします。SNSで見る情報と、現場で感じる空気感は違うことも多いので、自分に合うサロンは「足で選ぶ」意識を持つといいのではないかと。
美容師の仕事は本当に楽しいので、ぜひ自分に合うサロンを見つけてください。
僕自身もまだ道の途中ですが、お客様や周りのスタッフに支えられながら、スタイリストデビューまであと一歩というところまできました。これから無事にスタイリストデビューを果たし、中学生のときに味わった感動を、ひとりでも多くのお客様に届けられる美容師になれたらと考えています。
榎戸さんの就活が成功した3つのポイント
1.空気感を知るため、いくつものサロンへ実際に足を運んだ
2.思いつきを行動に移すことを意識した
3.採用試験では埋もれないため、記憶に残る行動を心掛けた
思いついたことを後回しにせず、常に行動に移してきた榎戸さん。その1つひとつの選択が、尊敬する美容師との出会いにつながり、人生を少しずつ動かしてきたのだと感じました。
「思いつくこと」と「行動すること」の間にある大きな溝を、どう越えていくか。その姿勢が美容師としての成長や可能性を、大きく左右していくのかもしれません。
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Skill 渋谷
住所:東京都渋谷区神南1-15-8 ひきだしのような家に2F
TEL:03-6844-3851
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