履歴書は読む人の気持ちを考えて作成して【「STRAMA」ディレクター　髙橋英樹さん】#2

美容師を目指す学生、新天地を目指すスタイリストさんにとって、避けては通れない就職活動。採用を勝ち取るためには、どんな準備が必要？ 心がまえは？ そんな疑問を、実際のサロン採用担当者にインタビュー！

前回に引き続き、お話を伺うのは、唯一無二のヘアデザインが人気のサロン「STRAMA」ディレクターを務める髙橋英樹さん。　STRAMAは、直接会うことを大事にしていることから、基本的には書類選考はないのだそう。とはいえ、面接に向けて抜かりなく準備をしておきたいものです。

第2回目は、好感を持たれる履歴書の書き方や、サロン見学の詳細について、お聞きします。

お話を伺ったのは…

「STRAMA」ディレクター　髙橋英樹さん

「DaB」を退職後は独立し、「CALVARi」を開業。2017年、現在の「STRAMA」代表の豊田永秀氏と新生「STRAMA」を立ち上げ、副社長を務める。スタイリストとしては、2ヶ月経っても崩れないと、高い技術力が評判。

人にみてもらうために想いが込められている履歴書が◎

――エントリー時、履歴書以外に提出するものはありますか？

履歴書と一緒に、ご自身の全身写真と成績証明書の提出をお願いしています。

履歴書と全身写真はその人の概要を知るため、成績証明書は過去にどのような取り組みをしてきたのかを知るために必要としています。

いずれの書類も、面接のときのための資料だと捉えていて、その人を深掘りしていくための資料として参考にしながら進めています。

――まずは履歴書について伺います。

どんなところに注目していますか？

書いてある内容よりも、人に見せるものとして想いが込められているかどうかを見ていて、届けるまでの工程に時間がかけられているとかんじるものは好印象を抱きますね。

うちで特に手書きを推奨しているわけではないのですが、圧倒的に手書きが多いです。読み手のことを考えて、一生懸命書き直したり、丁寧にバランスを考えて書いたんだろうなと思わされる履歴書を提出いただいた方は、面接でも印象が良いですね。ただし、勘違いしないでもらいたいのが、PCで作成した履歴書でも読みやすい文章構成であったり、しっかりと届けたい気持ちが伝わる文章であれば同じことです。

そもそもスタイリストは誰かのためにする仕事です。人の機微を丁寧に感じ取り、それを自分なりに解釈して落とし込むことで初めて結果がもたらされると思っています。そのため、「人のために書いている」「伝えようとしている姿勢が伝わる」履歴書が望ましいと言えます。受け取る側である僕たちも、一定の常識や普通の概念にこだわりすぎないように気をつけています。

チャームポイントが明確に書かれていると評価しやすい

――履歴書で一番注目している項目は？

強いていうならば自己アピールの項目でしょうか。たとえば、私はこんな性格で、何に興味があって、こういうスタイリストになりたいですと、限られた文字数の中で自身のチャームポイントが表現できていると、一目置かれることは間違いないです。

――逆にマイナスな印象を抱きかねない履歴書の特徴を教えてください。

スタイリストとしての目標が定まっていなかったり、就職の時期だからとりあえず応募している人は一目でわかってしまいます。STRAMAでは今までにこういった人の応募はあまり見かけていませんが、サロンにフィットしにくいのかなと。

これから自分が働く可能性があるサロンなのに、何も知らない状態で応募するのは避けるべきです。やはり、志望の意欲が高い人はしっかりサロンの下調べをしていますね。

サロン見学は就活で悩める学生のための試み

――そのためにもサロン見学は大切ですよね。

STRAMAのサロン見学までの流れを教えてください。

見学というより、施術を受けに来ていただく形になります。就活の時期になると、こちらから学生に向けて半額で施術が受けられるクーポンを提供していて、SNSでの告知はもちろん、HPまたは専用の予約サイトでも確認いただけます。

ご予約いただいたあとは、施術中に担当のスタイリストやアシスタントと話してもらいます。基本的には、会話の中で就活について受け答えさせてもらうイメージです。

――サロンに就職を希望している学生の見学がほとんどなのでしょうか？

STRAMAを志望する方はもちろんまだ志望先が決まっていない学生の方など、幅広く来店いただいている印象です。

就活が始まって、不安だったりわからないことがたくさん出てくると思うんです。サロン見学と言っても、美容学生を応援するために取り組んでいるものなので、うちを志望していなくても就活にまつわる話をオープンにできる場として捉えていただき、気軽に足を運んでもらえたら嬉しいですね。

面接で好スタートを切るための提出書類時のポイント

1.人に見てもらうための配慮が行き届いた履歴書作りができる

2.自身のチャームポイントを理解して表現できる

3.志望するサロンを見学するなど、下調べなどが徹底されている

取材・文／東 菜々(レ・キャトル）