ロサンゼルスのアクリルメーカー「EzFlow」で売上トップに 株式会社ヤミーネイル 代表取締役社長 長島有美さん#1

株式会社ヤミーネイル代表取締役社長の長島有美さん。1990年代、都内のオシャレな街にネイルサロンが一軒あるかないか、そんな時代に経験したネイルアートのときめき感動を機にネイリストの道へ。有美さん、実は神奈川県に初めてカルジェルを持ち込んだ人であり、初めてネイル業界に定額制ジェルネイルを導入した人。ネイリストの草分け的存在である長島有美さんに伺います。 

Yumi’s PROFILE

お名前

長島有美

出身地

神奈川県茅ヶ崎市

出身校

日本大学 農獣医学部

プライベートの過ごし方

ダンス(ジャズ、ヒップホップ、最近はハウス)

仕事へのこだわり

失敗を恐れず、挑戦する!
The only man who never makes mistakes is the man who never does anything.

「何も間違えない人間は、何もしていない人間だ」 ― セオドア・ルーズベルト(第26代アメリカ大統領)

ドキドキしながら顔を上げたら「明日から来ていいわよ」と

ネイルの仕事に就くため、タウンページを広げてホテルやエステサロンに片っ端から電話しました。

――ネイリストになったきっかけを教えてください。

元々ダンサーになりたかったんです。幼稚園の年少からモダンバレエを習い始め、中学ではダンス部、社会人になっても映像制作会社に勤めながらダンサー養成学校に通っていました。

あるオーディションを受けるために有休をとって西麻布のダンススタジオへ出かけたのですが、最終審査のひとつ手前で落選。わたしは受かるつもりで行っているので、午後の空き時間を持て余してしまって。街をぶらぶら歩いていて見つけたのがネイルサロンでした。

――西麻布のネイルサロン!?

当時ネイルサロンといったら、青山とかオシャレな街に1軒あるかないか。どんなことをするのかも価格も分からなかったけれど、知らないことはトライするタイプ。恐る恐るサロンに入ってみると、マダムがリクライニングの椅子に手足を伸ばしてくつろいでいました。思いっきり場違いだと感じましたが、ネイルケアとカラーとアート1本をオーダー。爪楊枝で描かれていく点々で作った小花に、こんなことができるんだと感動してしまったんです。 

――ネイルとの出会いですね! 

その後も、仕事帰りに都内のネイルサロンを探しては入るようになりました。お気に入りのサロンを五反田に見つけて、何度か通ううちに「ネイルを習いたい」とオーナーに伝えたらマンツーマンで教えてもらえることになったんです。会社の近くだったので昼休みも練習に充てるほどのめりこんでいきました。そうしたら先生がある日「長島さん、SHIBUYA109のネイリストより上手よ」と。

――才能があったんですね。

才能があったかどうかは分かりませんが、「これだ」と思ったのは事実。ダンサーはプロを目指していたけれど、ネイルは趣味。そう思っていましたが、会社を辞めてネイルの道に進もうと決意しました。

――その後はどんな行動を?

サロンスタッフとして働こうと思ったんですが、当時ネイルサロン自体がほとんど存在しなかったんですよね。安定思考の公務員の両親にもめちゃくちゃ反対されて。じゃあどこで働けるかなと思ったときにホテルならブライダルとしての需要があるんじゃないかと考えたんです。タウンページをめくりつつ、湘南エリアのホテルに片っ端から電話しました。でも「うちは今やってないからいいです」と門前払い。「うちは今やってないからやる」だと思うんですけどね(笑)。

――有美さんイズム!

ホテルが全滅だったので、次はエステに狙いを定めました。自宅からいちばん住所が近いエステサロンに電話をしたら、たまたまチェーン展開しているエステサロンのオーナーに繋がって「今から来られる?」と。急いでシャワーを浴びて向かうと、どこかで見たような優雅なリクライニングチェアに寝そべったオーナーが「このマニキュアを塗ってみて」と。けっこうな暗がりの中でネイルケアとカラーをして、ウッドスティックを忘れてしまったので爪ではみだしをぬぐって。ドキドキしながら顔を上げると、「明日から来ていいわよ」と。突然の採用決定に驚く間もなく、待合室の丸テーブルと固い木の椅子でネイリスト人生がスタートしました。

――速攻ですね! 初めてのネイリストとしてのお仕事はいかがでしたか。

オーナーがエステのお客様に積極的に声をかけてくれたので、エステのお客様の過半数の方がネイルをしてくださいました。またネイルサロンではトップバッターと言っても過言ではないくらい早期にホームページを作ったため、それを見たトレンドの先を行く方たちが遠方からも来てくださいました。そこで3年、懸命に働きました。

Yumiを連れていくと物が売れる

意外な理由で渡米した有美さんは、ふとしたきっかけでネイルブランドEzFlowの「マスターエデュケーター」に。

――渡米されたのはどのタイミングで?

29歳のときです。5年ほど付き合っていた彼がいたんですが、わたしはネイリストの仕事がとんとん拍子に運ぶ一方、恋愛とのバランスに悩むようになっていました。いつの間にか彼と一緒にいる時間も、次のデザインどうしようかなと考えを巡らせるようになり、結果お別れすることに。それで、変にスイッチが入ってしまって、その後100人と合コンしました。その中に、お互いに付き合ってもいいかなと思う人が1人出てきたんですが、結局3ヶ月でお別れ。日本で出会いが見つからないなら国を変えるしかない!と渡米を決意しました。 

――予想外の理由ですね。

じゃあここからちょっといい話! 渡米初日に出会った男性が現在の夫なんです。彼はシェアハウスのオーナーの息子で台湾系アメリカ人でした。

アメリカでネイリストをやるためには州のライセンスが必要なので、語学学校に通いながら夜間の美容学校にも400時間通いました。せっかくネイルの本場アメリカにいるのだからとネイルの展示会に足を運んだとき、憧れのブランドEzFlowのデモを見ていたら「日本から来たの?」と社長にいきなり英語で話しかけられました。「ロサンゼルスに住んでいるなら、うちの会社と近いから手伝いに来ない? 来月もショーがあって日本人がツアーを組んでめちゃくちゃ来るから日本語を話せる人が欲しい」と。

――すごい引き寄せですね。アメリカに行ってどれくらいのときに?

3ヶ月目でした。即入社を決め、社員として展示会に帯同すると、英語も日本語も話せる同僚のJulieが隣にいるのに、わたしの前にだけ行列ができてしまうんです。名札が「Yumi」なので日本語確実ってことで(笑)。日本人は買い物の桁が違うから、経験者を差し置いて売上トップに。Yumiを連れていくと物が売れると次のニューヨーク、ラスベガスのショーにも帯同させてもらいました。

年中無休・カルジェル導入で自宅サロンが大人気

「Yumi」はアメリカ人には覚えやすい名前ではないので「Yummy(ヤミー)」と呼ばれていました。社名の由来はそこから。

――アメリカにはどれくらいいたのですか。

第一子が生まれるタイミングで一旦日本に戻ってきたので4年間ですね。日本でネイルの仕事をやるつもりはなかったんですが、近所で渡米前のお客様にばったり会ってしまうと「有美さんが日本にいるならネイルやってほしい」と。自宅マンションで少しずつやり始めました。当時おうちサロンと呼ばれるものも増え、ネイルサロンも珍しいものではなくなっていましたが、これまた人気に(笑)。

――流行る理由はどこに?

近所に住む年下のネイリストで、現在も当社に在籍して20年になるスタッフと2人で始めたんですが、最初はお客様がたくさん来るわけじゃないんですよ。いつお客様が来るか分からないから年中無休・深夜12時まで開けていたこと、それとカルジェルの導入とネイルスクールを始めたことも大きかったですね。2005年、神奈川県でいちばん最初にカルジェルを始めたのはわたしです。日本ではいろいろと仕入れが面倒だったので、アメリカで購入した商品を日本へ持ち込んだんですが、それが東京に行かなくてもカルジェルができると人気になりました。

――やっぱり人気があるのには理由があるのですね。現在4つのサロンがあるんですよね。

はい。こんな感じでお店が増えていきました。

1999年 茅ヶ崎市のエステサロン内にネイルサロンを開業
2001年 渡米
2005年 第一子出産を機に帰国。藤沢市の自宅マンションでネイルサロンを開始
2011年 ヘブンリーネイルズ 湘南本店をオープン(現:ヘブンリープラス+ Luz湘南辻堂店)。株式会社ヤミーネイル設立
2014年 ヘブンリーネイルズ 109 MACHIDA店をオープン(現:ネイルサロン Oh! 町田モディ店)。第二子出産
2018年 ネイルサロン Oh! 新宿マルイアネックス店をオープン
2025年 SNAPPY ネイルズ&ブロウズ BLiX茅ヶ崎店をオープン

大型商業施設に初出店したときは、まずは知ってもらうことが大事だと思って、定額制ジェルネイルを導入しました。「定額制」という言葉自体は、すでに世の中にあったんですが、それをネイルに転用したのはわたしがいちばん最初。当時ネイルサロンに通う層はかなり固定されていましたが、定額制を始めたことで年齢層はかなり幅広くなり、大人気になりました。

後編では、「飾るよりも寄り添うネイル」コンセプト、海外で経験を積んだ有美さんならではのサロンの特徴について伺います

撮影/森末美穂
取材・文/永瀬紀子


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