【美容師の眉カット #2】眉カット王子・木梨純平さんに聞く、2021年トレンドのデザインアイブロウの作り方
前回に続き、眉カットのスペシャリストとして活躍するメイクアップアーティスト 木梨純平さんが登場。
前編では、美容師が眉カット技術を取り入れることのメリットについてインタビュー。顧客満足度&単価のアップが狙えること、来店サイクルが短くなりビジネスチャンスにつながること、また木梨さんが考える「デザイン眉カット」の基本について教えていただきました。
後編では、木梨さんが考える2021年のイチオシ眉デザインと、眉カット&デザインアイブロウの基本技術について教えていただきます。
眉カット王子 木梨純平さん
木梨純平さんのインスタグラム
木梨純平さんが考える、2021年のトレンドアイブロウ
太く濃い眉の流行から、2021年はややスマートな印象にシフト。太さはあるものの、色味は明るめで、眉尻にむかって細くなっていくデザインへ。ナチュラルさを演出する、立体感、毛の立ち具合もポイント。マスクが必須になったことで、主張しすぎず美しい眉を求める人が急増中。
TREND POINT
1. 眉頭は太めで眉尻にむかって細くする
2. 眉頭は薄く、眉尻にむかって濃く
3. 立体感が出るように眉頭は毛を立てる
デザイン眉カットの施術ポイント
1. カットする時は上や横から立体的に眉を見る
骨格や毛流れを見てカットするので、眉は全方位からチェック。お客様が「自分では切れない」と思えるポイントに。
2. かたちを決める時は骨格に沿って
骨格を意識して作ることで、その人を美しく見せられるように。骨格に沿っていると、お客様にも「描きやすさ」を感じてもらえる。
3.パウダーで影、ペンシルで毛を描く
眉を構成しているのは、1本1本の毛と、それが作る影。それを意識して描くことで、自然で立体的な眉に仕上がる。
HOW TO
使用アイテム右:刃がストレートになっているタイプ。毛の長さを揃えるのに使用。
左:刃先がカーブしているタイプ。曲線のカットやムダ毛の処理に使用。
BEFOREカットのしすぎで、ところどころ穴が開いてムラになっている状態。自分でコームを当ててカットした結果、穴が開きムラに。
1 眉の厚みを調整ストレート刃のはさみを使い、全体を粗切りするイメージで、眉の厚みを調整する。骨格に合わせて山型にし、眉尻に向かって厚みを薄くしていくことで立体感を演出。
2 アウトラインを作るカーブ刃のはさみを使用。眉毛を十字に4分割した眉尻側下と眉頭側上に、はさみを垂直に当ててアウトラインをトリミング。かたちは骨格や毛の生え方を考えて決定。
3 不要な毛を処理するムダ毛は、はさみを肌に平行に当て、肌を引っ張りながら刃先で丁寧にカット。
4 チョップカットで濃さを調整眉全体の濃さにムラがなくなるように、毛が重なっているところを梳いていく。はさみを縦に入れ、チョップカットで1本ずつ処理。
AFTER骨格に合わせて形を作ることで、どこを描けばわかりやすくなり、眉メイクがしやすくなる。何度か定期的なデザインカットを施すことで、生えムラも気にならなくなるように。
メイクアップ
眉メイクの基本は、パウダーで影を作り、ペンシルで毛を作ること。パウダーアイブロウは2~3色混ぜて使用。いろんな色が入ることで立体感が生まれる。
一番濃くする眉尻にブラシを置き、少しずつ眉頭に向かってパウダーをのせていく。
毛が生えていないところは、ペンシルで毛を描き足していく。至近距離で見ず、少し離れて穴が開いて見えるところに描き足すイメージ。ブラウンのペンシルで3~5mmくらいの点々を描き、同じところにグレーで同様に描く。グレーを入れることで陰影が生まれ自然な仕上がりに。
眉の中間から眉頭へ向かって眉マスカラを塗り、眉頭の毛を立たせる。最後にスクリューブラシで軽く触れる程度に眉頭から眉尻までなでる。
仕上がり毛が足りている場合は、パウダーのみでもOK。眉そのものが毛と影でできていることを意識することで、自然な陰影と立体感が作れる。
眉カット後、メイク前でもパッと顔が整って見えるように。サロンワークでは、眉の描き方や次回来店周期などをアドバイス。初回は3週間後に来てもらい、毛の生える周期や毛の向きなどをチェックしていく。
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今回のモデルさんは、眉の毛が短めで生えムラもありましたが、木梨さんによると「3回通えば穴開きも目立たなくなり、キレイになります」とのこと。来店サイクルは、およそ3週間。リピートの早さも、眉カットの魅力のひとつです。木梨さんは、オンラインサロンも立ち上げ予定。興味のある方はチェックを。美容室でのヘアと眉のトータルプロデュース、ぜひ取り入れてみてください。
▽前編はこちら▽
【美容師の眉カット #1】眉カット王子・木梨純平さんに聞く、美容師が眉カットをするメリットとは>>
取材・文:山本二季
撮影:高嶋佳代
モデル:晴山絵理香
撮影協力:MASSATO PARIS 六本木ヒルズ店