すべては世界に「Kyogoku」を広めるために【Salon Ryu 美容師 京極琉さん】#2
東京・赤坂の一等地にあるヘアサロン「Salon Ryu」のオーナーである京極琉(きょうごく りゅう)さん。前編では、美容師を志したきっかけや、美容の本場ロンドンでの経験、作品撮りで感性を磨き、そのままの勢いでサロンをオープンしたというお話を伺いました。
後編では、弱冠22歳(当時)にしてサロンをオープンさせた時の苦労話や試練と挑戦の日々について。また、「Kyogoku」という名前を世界中に広めるという壮大な夢「京極プロジェクト」についても語っていただきました。
オープン翌日の予約数はゼロ。Youtubeで予約困難なサロンへ進化
――「Salon Ryu」オープン時の話を聞かせてください。
本当に上質なものを提供したいと思ったので、ラグジュアリーなお客様が多い「赤坂」を選びました。facebookでお客様を募ったこともあり、オープニングパーティーにはたくさんの方が来てくださったのですが、翌日の予約数はなんとゼロ(笑)。でも、「ここから始まるんだ!」となぜかワクワクしていましたね。
――ゼロはツライですね…。そこからどうやって集客に取り組んだのでしょうか。
技術には自信がありましたが、待てど暮らせどお客様は来ず……。そこで何にでもトライしようとYoutubeを始めたら、動画を見たお客様が徐々に来てくださるようになったんです。投稿を始めてからセミナーや美容学校からの講演オファーもいただくように。ありがたいことに今では予約がすべて埋まるほど忙しくなりました。
夢は京極ブランドを世界に広めること
――京極さんのウリはデザイン力ですよね。ヘアデザインを考える上で意識している事はありますか?
全く新しいデザインを一から作るのは、今の時代ほぼ不可能だと思います。大切なのは、好きなジャンルやデザインを固めた上で、ひたすら真似ること。真似た上で「京極琉」としてのエッセンスをプラスし、ブランド価値を高めることです。
あと、写真やメイクも全て自分でやる方もいると思いますが、全部を自分でやろうとすると、完成形がある程度想像できてしまいますよね。それだとオリジナリティーが生まれない。僕はそれぞれのプロに任せ、そのときの空気感でしか生まれない作品を大事にしたいと考えています。
――前編でも少し触れましたが、今もコンテストに挑戦しているそうですね。
去年はコロナの関係で参加できなかったのですが、18歳からずっとコンテストに挑戦しています。2018年10月にロンドンで行われた「International Visionary Award」というコンテストのCut&Color部門では、日本代表として参加して世界一位に選ばれました。世界のコンテストに挑戦することでアーティストとしての価値をより高めていきたいです。
――成功している一方で、コンテストでの失敗談などはありますか?
45分間でデザインするコンテストがあり、事前にカットする長さをモデルと約束をしていたのですが、本番当日、緊張から力が入ってしまいラインを超えて大幅にカット。モデルにかなり怒られるという経験はありました。エクステをつけることで許してもらったんですけどね。
気持ちが高まっても冷静でいることの大切さを学びました。
――今後の展望を教えてください。
中国にお店を1店舗オープンしましたが、いずれは世界中に店舗を出したいと思っています。アジアのブランドで世界中に浸透しているサロンはほとんどないので、第一人者になりたいですね。その夢を実現するために今やっているのが「京極プロジェクト」なんです。
――京極プロジェクトとは?
まずは「Kyogoku」という名前を広めて日本中に浸透させることを目標に、提携サロンを含め、日本全国で100店舗の展開を目指します。美容と関係のない一般の人にも「Kyogoku」という名前を知ってもらえるくらいになりたいですね。
――壮大な目標ですね!
今言ったのはあくまでも「京極プロジェクト」の最初のステップ。最終的に描く未来は、アジアの人たちが世界中のどこにいても「Kyogoku」にヘアデザインを任せられるという世界を作っていきたいんです。
実際に、海外で暮らす日本人の方たちからは「外国でカットやカラーを任せるのは怖い」という声をよく耳にします。逆に欧米人の美容師の立場からすると「黒髪の扱い方や切り方がわからない」という声も。日本人をはじめアジア人の黒髪は扱いが難しく、欧米で活躍する上手な美容師でも手を焼くことが多いようです。
「Kyogoku」が世界中にあれば、お客様が安心できるだけでなく、海外の美容師も黒髪の扱い方を学べる機会が増えます。その第一歩としてオンラインで技術を学べる「Kyogoku Academy」を作りました。海外の人たちとも交流できるような環境作りから始めています。
――なぜここまでストイックに突き進むことができるのですか?
仲間の存在があるからですね。若い時は自分のために動くのがスタンダードでしたが、サロンで支えてくれるスタッフや家族がいると責任感を伴いますし、仲間のためにも目標に向かって頑張ることができます。簡単には諦められないし、ネガティブになんてなってられません。「京極プロジェクト」も一人でやっているわけではないですし、一緒に盛り上げてくれる仲間の力は大きいです。
世界に「Kyogoku」を広めるために京極さんが挑戦している3つのこと
1. アーティストとしての価値を高めるためにコンテストに出場し続ける
2. 目標は高く設定! 日本全国で100店舗の展開を目指す
3. オンラインで世界中の人が技術を学べる「Kyogoku Academy」を開始
サロンをオープンしてからも自身の成長のためにコンテストに出場し、世界的なアーティストになるという夢に向けて進化をし続ける京極さん。店舗全体として「Kyogoku」という名を広めるために、中国・武漢にもお店を作るほか、オンライン学校を設立したりするなど、夢に向かって着実に行動へと移す姿は参考になります。
▽前編はこちら▽
ロンドンで研ぎ澄まされた感性を日本で輝かせる【Salon Ryu 美容師 京極琉さん】#1>>
撮影/中村 早
取材・文/梅澤 暁
Salon Data
住所:東京都港区赤坂2-14-1 赤坂山王会館8F
TEL:03-6426-5811
新店が5/3にオープン!
住所:東京都港区赤坂2-14-1 赤坂山王会館6F
TEL:03-6770-1232
京極琉さんのInstagram:@ryuhairartist