【子育て応援メソッド】10才上のお姉ちゃんのヘルプでゆったり育児を満喫中 ヘア&メイクアップアーティスト 佐伯エミーさん #1
美容業界で働くワーママ・ワーパパに、仕事と育児の両立法をお伺いする「子育て応援メソッド」。今回は、ヘア&メイクアップアーティストの佐伯エミーさんにインタビューさせていただきました。
エミーさんは、15才の女の子と5才の男の子のママでもあります。独立して間もなく27才で長女を出産されたときは、子育ての記憶がないくらいの忙しさだったそうです。無我夢中のエミーさんの助けとなったのは、ベビーシッターさんやお義母さんでした。10年後、長男を授かり、オムツ替えからお風呂まで細々とお手伝いをしてくれたのは、なんとお姉ちゃん! 長女のときにできなかったことを実現しながら、おばあちゃんのような大らかな気持ちで二人のお子さんと向き合っています。
お話をお伺いしたのは…
ヘア&メイクアップアーティスト
佐伯エミーさん
通信教育で美容学校卒業後、地元長野の美容室に勤務。当時としては最速の2年でスタイリストに昇格。「どうしても雑誌に名前がのるヘアメイクにないたい」と厳格な父親を説得し上京。有名ヘアメイクのアシスタントを2年間務めた後、フリーランスのヘア&メイクアップアーティストとして独立。現在、「美的」など女性誌のほか有名モデルやタレントも担当。ナチュラルなツヤ肌づくりに定評がある。一男一女の母。
Instagram:@emmy.saeki
長女がおんぶ紐で弟を寝かしつけてくれます
――現在、お子さんはおいくつですか?
長女が15才、長男が5才になりました。
――10才違いの姉弟なんですね。それは計画的に?
あるときふと、家族構成について考えるようになったんです。娘がひとり。結婚するかどうか分からないですけど、嫁にいったらよその人になってしまう。そしたら、旦那さんと二人の生活になるのは早すぎない? いろいろ考えたときに、もうひとりほしいなと思いました。あとは、自分の年齢です。子育てをする体力と経済力を考えると、(長男出産時)35才のいまだって思いました。
――10才差の育児ってどんな感じなんですか?
もう長女が大活躍です。オムツ替えはしてくれるし、うんちもOK。お風呂も入れてくれます。弟がジュースをこぼしたら拭いてくれますし、「お姉ちゃんのほうが上手だから抱っこして寝かしつけて」と言うと、小さい体におんぶ紐を巻きつけて寝かしつけてくれました。寝かしつけは、家族でいちばん上手かったです。
――お姉ちゃん、ベビーシッターさんみたいですね。
本当に良い子に育ったなー。長女は、「妹か弟がほしい」とずっと言っていました。だから、長男の妊娠を伝えたときには、泣いて喜んでいました。旦那さんは、わりと定時で仕事が終わるので、保育園のお迎えに行ってくれるし、わたしに余裕があるんでしょうね。とくに長男とは、おばあちゃんみたいな気持ちで接しています(笑)
――お姉ちゃんのときは違ったのですか?
長女のときは大変でしたね。長女の誕生日は5月末なんですが、GW明けまで仕事をしていて、お宮参り(産後一ヶ月後に行う)の翌日にはもう仕事復帰していました。だから、子育てのことをまったく覚えていないんです。ほぼベビーシッターさんが彼女を育ててくれました。知らない間に箸が持てるようになり、知らない間にお絵描きをしていました。
――産前産後2ヶ月しか休んでいないのですね。保育園には?
当時、フリーランスはかなり保育園に入りにくかったんです。審査のときに、ヘアメイクの仕事内容やベビーシッターさんの領収書のコピーなど書類をいくつも揃えましたが、落ちてしまいました。まだ保育園は早いという旦那さんの意見もあり、2才まではベビーシッターさんにお願いしていましたね。
――シッターさんはいつも同じ方でしたか?
マネージャーさんの知り合いのベビーシッターさんにほぼお願いしていました。その方がNGのときは、ほかの事務所から派遣してもらっていました。
2才の途中で保育園に入園できたのですが、当時の旦那さんの仕事が4勤2休と不規則だったので、土日にふたりとも仕事が入るとフルでシッターさんにみてもらうしかなかったです。
仕事が間際に入ると、事前にシッターさんの面接ができなくて、はじめましての日に丸一日お願いすることも。帰宅すると、娘が泣き疲れて寝ていたこともありました。さすがにそのときは萎えましたね。多い月だとベビーシッター代が30万円を超えていて、わたしはなんのために働いているのかと考え込んだ時もありました。
小1の壁は義母が引っ越して支えてくれました
――本当に忙しくされていたんですね。小学生になってからは楽になりましたか?
旦那さんのお母さんが長野から引っ越してきてくれて、長女の面倒をみてくれました。一緒の家に住むのは精神的にも窮屈になってしまうかもしれないということで、近くのアパートを借りたんです。
「小1の壁」という言葉がありますよね。保育園は最長20時15分まで預かってくれましたが、小学1年生は14時下校、学童も最長18時まで。ワーママにとっては厳しい時期になります。小1~2年生の大変な時期に、義母が学童にお迎えに行ってくれて、毎日夕食も作ってくれたことは、とてもありがたかったです。5日間の海外ロケとかもあったので、その期間はまるまる面倒みてもらっていました。
目を見て話さないと顔を持って向きを変えられるんです
――お姉ちゃんが小3のときに男の子が生まれたのですね。
はい。長男のときは、産後1年間は仕事をしていなかったので、子どもとすごく向き合えたと思います。実は、長男の妊娠で子宮頸がんが見つかって、産後に手術をしたんです。でもまた再発して、こんどは子宮摘出手術を受けました。それでまるまる一年仕事を休むことになりました。
――お子さんが病気を教えてくれたのですね。
下の子の妊娠は、年齢、仕事、病気が発覚したことも、すべてにおいてタイミングが良かった気がします。いま思えば、27才で娘を生んだときは、仕事がいちばんだったんですよね。独立して間もなく、これからというときのできちゃった婚で、産後仕事がなくなってしまうのではという不安もありました。
――2人目という経験値があることは大きいですね。
そうですね。自分のなかでも少し仕事をセーブしようと思っていた時期でもありますし。
――長男くんはいつから保育園に?
2才から認証保育園に通っています。それまでは、ときどきベビーシッターさんにお願いしていましたが、長女のときのような大変さはなかったですね。旦那さんと自分の予定を調整した上で、可能であれば仕事のスケジュールを合わせてもらったりもしています。
――長男くんの育児はいかがですか?
もう楽しいの一言です。かわいいし。男の子と女の子との違いもありますが、こんなに「かわいい、かわいい」と言ってなかったと思うので、長女には申し訳ないです…。
――お姉ちゃんのときにやれなかったことを実現しているのですか?
息子とは、メチャクチャ向き合っています。たくさん話を聞いています。普通のことかもしれないけれど、長女のときは普通のことができていませんでした。仕事のことばっかり考えていたから、話しかけられても「うんうん」って相槌を打つだけで、ちゃんと目を見て話していなかった。いまは、息子に話しかけられたら、一回手を止めて、話を聞くようにしています。
――それ、すごいと思います。なかなか手を止めて向き合うってできないんですよね。
そう。なかなかできないですよ。でも、そうしないと顔を持たれて向きを変えられますから(笑)。いま、お風呂の時間がすごく長いんです。お風呂に入っているときだけは、ふたりだけの時間。お風呂の中におもちゃをいっぱい持ちこんで、たくさん遊びます。いろんなものを積み重ねて、どっちが高く積めるか競争したり、金魚すくいしたり。バスボムもめっちゃ買って、きょうはなにが出たかとか盛り上がりながら1時間は入っているかも。逆に上半身が冷えてしまって、最後に温まってから出るくらい遊んでいます。
エミーさんが年の差姉弟の育児を楽しむコツ
長女はベビーシッターさんが育ててくれたと言うほどご多忙だったエミーさん。10才下の長男の育児を楽しむコツは以下の3つです。
1. 長男の育児はお姉ちゃんを強い味方に
2. 子どもの目を見て話し、とことん向き合う
3. 子どもとたくさん遊ぶ
後編では、「ママの笑顔は最強」と話すエミーさんに、その笑顔の素をお伺いします。
▽後編はこちら▽
【子育て応援メソッド】ママの笑顔は最強! だから笑顔になれる素をたくさん作る ヘア&メイクアップアーティスト 佐伯エミーさん #2>>
撮影/古谷利幸(F-REXon)
取材・文/永瀬紀子