美容師に必要な接客スキルとは? 美容師102名にアンケート実施!
美容師にとって接客スキルは、必ず身につけるべきスキルのひとつです。しかし、会話や接客が苦手と感じる美容師の方も多いのではないでしょうか。
接客スキルの高さはお客様の満足度や再来店につながり、結果として売上の向上につながるはず。そこで当記事では20歳~49歳の美容師の男女102名にアンケートをとり、傾向などをあわせて美容師の接客の特徴や悩み、求められる接客スキルについてまとめました。
▼アンケート概要
■調査期間:2021年5月26(水)~28(金)
■調査方法:インターネット調査
■調査人数:102人
■調査対象:全国20~49歳の美容師
美容師は接客業?
美容師は接客業に分類されるため、コミュニケーション能力が高いというイメージを持つ方も多いでしょう。しかし、美容師のなかには会話に苦手意識を持ち、接客に悩みを抱えている方も少なくありません。ここでは、美容師の接客の特徴について紹介します。
【Q1】美容師の仕事における接客の大切さは何割ぐらいだと思いますか?
●8割以上 52%
●5割~7割程度 37.3%
●3割~5割程度 4.9%
●1割~3割程度 4.9%
●1割以下 1%
接客時間が長い美容師業
美容師の接客時間は長く、お客様が来店してから退店するまで対応します。施術の内容によりますが、カラーやパーマをおこなうと約1〜2時間程度接客をすることになり、話題が尽きてしまう場合もあるでしょう。
またお客様のなかには、あまり会話をしたくないという方もいます。長い接客時間のなかでお客様がどうすれば快適に過ごせるかを考えましょう。
「接客のよさ」は再来店につながる
美容師に「美容師の仕事における接客の大切さは何割ぐらいだと思いますか?」と質問したところ、8割以上と答えた方が51.96%、5割〜7割程度と答えた方が37.25%にのぼり、全体の9割を占めることが分かりました。重要視している分、悩みも深いのかもしれません。
接客のよさは、そのままお客様の再来店につながる可能性もあり、カットなどの技術はもちろんこと、接客のよしあしも再来店を決める重要な要素といえます。
たとえば初めて来店したお店のカットに満足しても、マナーの悪い美容師ばかりだともう二度と来店したいとは思いませんよね。接客のよさはお客様にいい印象を与え、直接的に再来店のきっかけとなることを肝に銘じましょう。
美容師の接客の悩みと対応
美容師はお洒落な人が多く、憧れる方の多い仕事です。しかし、そのイメージとは裏腹な悩みを抱えている美容師が多いのも事実です。ここでは、美容師の接客の悩みとその対応について紹介します。
【Q2】接客のことで悩みはありますか?
(自由回答)
<自由回答・一部抜粋>
●お客様に不快感などを与えていないか
●いろんな場面で思いが伝わらない
●会話を長く続かせるのに疲れる
●ていねいな言葉遣いができているか不安になる
●お客様のお気持ちを汲み取るのが難しい
●喋らないお客様への接客の正解が分からない
●今の時期、お客様と話していいかを迷う
●コロナでのトークは難しい
接客で悩んでいる美容師は多い
接客について、悩みを抱える美容師は多く、お客様の性格はそれぞれ違うため、求められる接客も変わります。たくさん会話するほうがうれしいと感じる方やあまり話しかけてほしくない方もいますよね。初来店したお客様の求める接客をいち早く把握し、その人に合った接客を見極める必要があります。
また会話だけでなく、振る舞いなど接客をするうえで気をつける点も多くあり、接客に関する悩みは絶えません。
事実、アンケート結果にも「お客様のお気持ちを汲み取るのが難しい」「いろんな場面で思いが伝わらない」といった回答もあり、お客様の性格に合わせて接客をする難しさが伝わります。
一方で「お客さんと楽しくやっているので、悩みはない」「特にありません」といった回答も多くあり、接客自体を楽しんでいる美容師が多いことも分かりました。
施術中の話題
施術中の話題も、美容師を悩ませる点です。カラーやパーマなど施術内容によっては数時間にわたってお客様を接客します。接客時間が長くなれば話題が尽きてしまい、沈黙してしまう場合もあるでしょう。
必ずお客様と常に会話することが求められるわけではありませんが、話題はたくさんあって困ることはありません。アンケートの回答には「喋らないお客様への接客の正解が分からない」「自分より年配の方が多いので話のネタがない」といった回答もあり、接客中の話題に困らないように、前日から話すことを考えるなどの対策が必要です。
人見知りで会話が苦手
美容師のなかには、実は人見知りで会話が苦手という方もいます。カットやパーマなどの施術は得意でも、お客様との会話が苦手というケースも少なくありません。
また同年代の方とはうまく会話できても、年齢が離れていたり、異性だったりするとうまく会話ができない場合も考えられます。しかし、お客様のなかにも会話が苦手で、あまり話しかけてほしくないと思っている方もいるでしょう。
「無理やりに会話をしなくてもいい」と考えることで、自然な会話ができるようになり、苦手意識を軽減できるかもしれません。どんな会話をするかよりもお客様が気持ちよく過ごせるかに注意を払い、接客することが大切です。
ちなみに次のページでは、接客が苦手な美容師が意識したいポイントを3つにまとめていますのでぜひ参考にしてみてください。
■接客が苦手な美容師もやっていける!お客様とのやりとりで心がけること
美容師に求められる接客スキルとは?
美容師に求められる接客スキルとして、「話を聞くスキル」「接客マナーを身につける」「会話に頼らない接客も大切にする」などが挙げられます。お客様がより気持ちよく過ごせるような接客ができるよう、ここでは美容師に求められる3つの接客スキルについてみていきましょう。
【Q3】普段の接客で最も大切にしていることはなんですか?
(自由回答)
<自由回答・一部抜粋>
●お一人お一人に合わせた接客を心がけている
●誠心誠意をもって対応する
●相手の悩みや話をたくさん聞いてあげる
●親しき仲にも礼儀あり
●心地よい距離感
●その人のテリトリーに入りすぎない
●顧客満足を気にかける
●笑顔と店の清潔感
聞くスキルを磨く
「会話の引き出しが少ない」「なにを話したらいいかわからない」といった悩みを持つ方は、聞き手に回るためにも話を聞くスキルを磨きましょう。お客様のなかには、ただ話を聞いてほしい方もいます。
自身はあくまで聞き手に回ってお客様主導で話をしてもらい、会話のなかで気になった点を質問すれば自然に会話は盛り上がるものです。またお客様も気楽に会話できたと感じ、満足度も上がるでしょう。
アンケート結果からも「出しゃばらない」「気持ちよく帰って頂く」といったお客様を優先する姿勢を大切にする美容師が多いことが分かりました。
自分から話題を振ることも大切ですが、聞き手に回りお客様に気持ちよく話してもらえるような環境づくりも重要です。
接客マナーを身につける
接客のうまい美容師は、基礎的なコミュニケーションのルールやマナーを守っています。とくに初来店したお客様への接客は重要で、初来店で緊張しているお客様も多く、なにかしらの不安を抱えているケースもあるでしょう。
初来店のお客様がリラックスできるように、まずは基本的な「いらっしゃいませ」などの挨拶やお辞儀などを正しくおこなうようにしてみましょう。些細な声かけでお客様のリラックスにつながる場合もあり、美容院の印象もよくなるので結果的に再来店につながるかもしれません。
アンケート結果には「親しき仲にも礼儀あり」「誠心誠意をもって対応する」などもあり、接客マナーを身につける重要性を多くの美容師が身を持って体感しているといえます。
会話に頼らない接客も大切にする
接客に慣れていないと、なにを話すかで頭がいっぱいになり、その他の部分に気が回らなくなる場合があります。そのような場合は、会話以外の部分でお客様に合った接客を心がけてみてください。
お客様のなかには、施術中は「静かに過ごしたい」「本を読みたい」と感じつつも、美容師に気をつかい会話に対応してくれる方もいます。お客様の求める接客をいち早く把握し、気持ちよく過ごせる空間と時間をつくりだしましょう。
美容室やサロンの接客スキルを上げる方法
美容室やサロンの接客スキルを上げる方法に、「笑顔で接客することを心がける」「基本的なコミュニケーションを大切にする」「勉強会を開くなどスタッフ全体で取り組む」などが挙げられます。お客様に再来店してもらうためには、接客スキルの向上が欠かせません。
いくら人気のある美容室でも、接客が悪いと再来店は見込めないことも。お客様の再来店を増やせるよう、ここでは美容室やサロンの接客スキルを上げる方法を詳しく紹介します。
【Q4】接客スキルを上げるために、接客下手をどのようにして克服しましたか?
(自由回答)
<自由回答・一部抜粋>
●先輩の喋りやカウンセリング方法をまねする
●とにかく場慣れするために楽しくお話しする
●お客様との会話を記録し次回の来店時につなげる
●お客様を家族だと思って接するようにした
●最初の声かけでそのあと話すか話さないかを見極める
●本を読む、動画を見る
●じぶんが、どうして欲しいか考える
笑顔で接客することを心がける
初めて来店するお客様は緊張している場合が多く、その緊張を和らげるためにも笑顔での接客を心がけましょう。笑顔はお客様に、無意識下において安心感を与えるからです。
さらにその安心感は心の距離が縮めて、お客様との良好な関係を築くきっかけとなるでしょう。たとえば同じレベルの施術なら、笑顔で親身になって相談に乗ってくれる美容師に担当してもらいたいと思うのがお客様の心理です。
アンケート結果にも「自分も楽しむこと」「面白いことを考えること」「自分の殻を割って普段通りに接する」などがあり、自身が自然と笑顔になれるように意識する美容師が多いことが分かります。
基本的なコミュニケーションを大切にする
基本的なコミュニケーションを大切にすることも、接客スキルの向上につながります。何度も来店してもらい、たとえお客様と仲よくなったとしても、基本的なコミュニケーションは継続しておこないましょう。
仲良くなるとタメ口を使う方もいますが、相手はお客様であるということを忘れてはいけません。美容師とお客様のちょうどいい距離感を保ちつつ、お客様それぞれに合ったコミュニケーションを継続しましょう。
「話すより聞く事」「良く話を聞く」「まずお客様の話をしっかり聞く意識をもつ」といったアンケート結果からも、基本的なコミュニケーションを大切にし、節度を持って接することの大事さが伝わります。
勉強会を開くなどスタッフ全体で取り組む
お店で勉強会を開くなどして、接客スキルの向上に取り組むことも大切です。美容師1人で接客する場合、自分の接客スキルを向上させれば問題ありません。しかし、他のスタッフと連携しながら営業をおこなう場合は、スタッフ全体の接客スキルを向上させる必要があります。
お客様の髪の毛に対する悩みはもちろん、さまざまな悩みを解決できる接客スキルを社内の勉強会や外部講習などを通じて高めるための工夫をしてはいかがでしょうか。またアンケートでは「自己啓発本を見る」「心理学を学んだ」「雑学や知識の情報量を徹底的に増やした」といった回答も多くあり、美容師には自己研鑽が重要であることも分かります。
また「先輩の喋りやカウンセリング方法を真似する」「上手な接客をしている人をよく見てとにかく真似する」など、他者を真似ることで自身の成長につなげようとする美容師が多い点も特徴的です。
まとめ
ここまで美容師の接客の特徴や接客の悩み、美容師に求められる接客スキルなどを紹介しました。お客様が気持ちいいと感じる接客を提供するのは、かんたんではありません。
まずは挨拶やお辞儀、笑顔など基本的なマナーへの意識で、お客様に与える印象は随分とよくなります。お客様に合った接客を意識し、少しでもリラックスした時間を過ごしてもらえるように、接客スキルの向上に努めましょう。
引用元:
顧客の心を掴める美容サロンを目指そう!接客術を上げるポイントなど詳しく紹介