接客が苦手な美容師もやっていける!お客様とのやりとりで心がけること
美容師は大きな枠で「接客業」にあてはまります。そのため、内向的で接客が苦手な美容師はコンプレックスを抱きがちです。無理して明るく振舞おうとして失敗してしまうケースもあるでしょう。しかし、接客が苦手な人でも慣れてきたなら自然なコミュニケーションができるようになります。とりあえずは基本的な接客術を意識して、丁寧な会話を心がけましょう。ここでは、接客が苦手な美容師が意識したいポイントを3つにまとめました。
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基礎的なコミュニケーションから覚えていく
接客が上手い美容師を観察していると、必ずしも「明るくお客様と友達のように打ち解けている」人ばかりではないと分かります。接客とは「コミュニケーション」であり、基礎的なコミュニケーションを守っている美容師がお客様からも好印象を持たれるのです。
たとえば、お客様が美容院を訪れたときに声をかけられず放置されたら「他の店にしよう」と考えても不思議ではありません。接客で最初に心がけるのは「スピード」です。お客様の心が美容院から離れてしまわないよう、接客の早さで第一印象を決めます。お客様が入店したらすぐ「いらっしゃいませ」と声をかけ、たとえ手が離せない状態でも「すぐに参りますのでおかけになってお待ちください」とお願いしましょう。
お客様を担当するとき、緊張してしまう美容師はたくさんいます。しかし、お客様もまた初めての美容師相手では緊張していると忘れないようにしましょう。「どんな人なのか」「技術は十分なのか」とお客様も不安でいっぱいなのです。美容師の方からお客様をリラックスさせるには、とにかく「笑顔」です。そして、「本日はありがとうございます」という挨拶やお辞儀も欠かさないようにしましょう。
挨拶やお辞儀は接客業なら当然と思われていますが、意外と完璧にこなせている美容師は多くありません。挨拶と同時にお辞儀をしていたり、お辞儀の角度が浅くて「会釈」程度になっていたりするケースも目立ちます。挨拶をしてからお辞儀をし、しっかりと腰から深く曲げるのは基本ですので覚えておきましょう。
接客時にはお客様の左側に立つのも大切です。理由ははっきりと解明されていませんが、人間は他人が左側にいる方が右側にいるよりもリラックスする傾向にあります。初めてのお客様は特に美容師から見て右側に誘導するのが理想です、
接客時には「声のトーン」も工夫しましょう。業種によっては「大きい声ほどいい」とされますが、美容師はお客様にリラックスを提供する職業です。大きすぎる声はお客様を驚かせて居心地を悪くしてしまいます。ただし、小さすぎる声もお客様のストレスになるでしょう。声のトーンは抑えつつ「しっかりと聞き取れる発声」を意識します。下腹部から声を出すようにイメージすると安定感のあるトーンで会話できます。
会話することだけが接客術ではない!
接客に慣れていない美容師ほど「お客様と何かを話さなければ」と考え、空回ってしまいがちです。そして、「お客様と上手く話せなかった」と落ち込んでしまうときもあるでしょう。もちろん、会話を円滑に行ってリピーターを増やしている美容師もたくさんいます。しかし、全てのお客様が美容院で会話を楽しんでいるわけではありません。場合によっては極力会話をしない方がお客様から好かれる状況もありえるのです。
たとえば、内向的なお客様だと美容師が積極的に話しかけることで逆に気をつかわせてしまう恐れがあります。「美容師さんとちゃんと話さなければ」と気に病んでしまった時点で、お客様はリラックスできていません。そして、カットが終わっても「今度は別の人にしよう」「別の店にしよう」と思われる恐れがあります、また、普段は明るいお客様でも美容院に来たときくらいゆっくりと過ごしたいと考えているかもしれません。美容師にとって大切な資質は、担当したお客様が「会話」と「沈黙」のどちらを求めているタイプなのかを瞬時に見抜くことです。お客様の些細な言動からサインは出ているので、敏感に気づきましょう。
たとえば、「最低限の返事しかしない」お客様です。会話をしたいお客様なら世間話に対して「はい」「いいえ」以上の言葉を返してきますし、向こうから質問をして来るケースも珍しくありません。返事が素っ気ないのは会話をしたくない意思表示です。また、雑誌や本を持ち込むお客様も沈黙を好む傾向にあります。ページを開いている間は世間話を振らない方が賢明でしょう。カットが始まると目を閉じるお客様は疲れている可能性があります。美容師と会話をするより安らぎを求めていると考えられるので、そっとしておくのが一番です。
内心では「会話をしたくない」と思っていても、美容師が話しかけてくる以上は仕方なく応答してしまうお客様もいます。そんなとき、美容師は「このお客様は話が好きなんだ」と勘違いして会話を続けてしまい、ストレスを与えているパターンもありえます。全てのお客様がはっきりと「話が苦手だからそっとしておいてください」と言えるわけではありません。接客とはお客様と話をすることだけを指すのではなく、お客様の口に出さない望みを叶える術なのです。
コミュニケーションが続くような接客術とは?
接客が苦手な美容師にとって、一番怖いのは「会話が好きなお客様から上手く会話を引き出せない」ことでしょう。そんなときは「お客様と話をする」という発想を止めて「お客様の話を引き出す」方向で接客をします。
接客では「話し上手」よりも「聞き上手」が役に立ちます。会話が好きな人の多くは他人の話を聞くより、自分が話すことを好みます。美容院でも「よく知らない美容師の話を聞かされる」のではなく「美容師に話を聞いてもらいたい」と望んでいます。会話が下手な美容師でも、お客様の「話したい内容」を探り当てれば自然とコミュニケーションは続いていくでしょう。
たとえば、お客様の「趣味」や「好きなもの」についての話題は鉄板です。身につけているブランドなどからも察しがつきますし、さりげない会話の中でも「こんなことを話したい」というサインは現れます。目と耳でじっくりとお客様を観察し、美容師から話題を振ってあげましょう。
また、お客様の容姿についての会話も盛り上がります。ただし、容姿に関してはともすれば、相手のコンプレックスを逆なでしかねません。あからさまなお世辞を言うのではなく、「髪がサラサラですね」「そのチークの色かわいいですね」など、チャームポイントを見つけてあげるのが重要です。ここでも美容師の「観察力」が問われます。
お客様が会話をする気になったら、美容師は自分の意見を挟むのではなく「リアクション」に徹しましょう。特に会話が苦手な美容師ほど相槌役になるとスムーズです。「そうなんですか」「すごいですね」と何にでもあてはまる相槌よりも、効果的なのは「オウム返し」です。お客様の言葉をそのまま繰り返す会話術ですが、相手が「この人はちゃんと話を聞いてくれて関心を持っている」と安心するので話が弾みます。そして、原則的にお客様の話は肯定的に捉えましょう。否定されると人は萎縮するだけでなく、話し相手に心を閉ざしてしまうこともあります。お客様に気持ちよく帰ってもらうには反対の意見を言わないのが肝心です。間違いを訂正するときでも「それもそうですし、こういうこともあるみたいですよ」と明らかな否定にならないように気をつけましょう。「気持ちよく話ができた」と感じたお客様はリピートしてくれる確率も高まります。美容業界の転職求人サイト「リジョブ」は接客術などの有益な情報も満載なのでおすすめです。”