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コラム・特集 2019-02-16

やりたい事が見つかって大学を中退。楽しいと思える仕事が美容師でした。

この世に手業を生業にしているサービス業はどれぐらいあるのでしょうか?手一つで人を喜ばせたり、疲れを取ったり、美しくしたり、癒やしたり・・・。これってすごいことですよね。

このコラムは、手業を生業にしている美容からヘルスケアの業界の方々にフォーカスをしたプロフェッショナルインタビューです。その人の手が語る物語をお楽しみいただければ幸いです。

モアリジョブ編集部

私の手にしか、できないシゴト。 二宮将隼さん

――美容の世界を目指したきっかけは?

二宮 高校生の時は、水泳部に所属していました。それまでは、部活の関係で短髪にしていましたが、部活動引退後に短かった髪の毛を伸ばし始めました。伸ばし始めた髪の毛をカットしてもらうのはもちろん、以前から通っている理容室でした。短髪の時は良かったんですけど、上手くいかないんですよね・・・。理容室はさっぱり切る感じで、髪の毛を伸ばしている自分とは真逆で、「髪の毛伸ばしているんですよね。」と伝えると、「えっ」て言われてしまい思い通りには行きませんでした。困った私は、クラスメイトの女の子に相談し、教えてもらった美容室に初めて行きました。美容室では、自分の希望も伝わり、再現してくれました。その時は、「すごい」って感動しましたね。さらに、今まで言われたことがなかった、自分の骨格だったり、生えグセだったり、感心することを教えてもらいました。それから、美容室に行くことが好きになり、美容師に憧れを持つようになりました。

また、高校卒業後に入学した大学で演劇部に入って、演劇部の人の髪の毛をブローしたり、メイクした時にヘアメイクの楽しさを知ってしまいました。髪の毛を触ることがこんなにも楽しいんだって。それで、よくわからないけど、こんなに楽しいって思えることはなかなかないと思い、大学2年生の時に大学を退学しました。

――せっかく大学に入ったのに、ご両親は反対されなかったんですか?

二宮 両親からは、「やりたい事が見つかったんなら、すぐにやりなさい。」と言ってもらいました。その代わり、自分で決めた道だったので、美容専門学校に入ったら「次はないよ。」と言われました。両親のその言葉に甘えて、このマリールイズに入学してお陰様で、今でも美容の仕事に携われています。

――実際に、美容師になられていかがでしたか?

二宮 すごく忙しかったですね。私が美容師になったのは今から20年ぐらい前なので、今みたいに『働き方改革』と言っている企業もなく、下手したらブラックと言われるような環境で仕事をしていました。週休1日で、お店から30分と割と近い場所に住んでいたんですけど、毎日家に帰るのが日付が変わってからでした。その当時は、閉店後に残って練習をするのが当たり前で、閉店後の21時から練習をしていました。その当時は、楽しいとか辛いとかを感じる間もなくて、目の前に迫ってくることをただ精一杯やるだけでした。仕事を覚えなきゃいけない、社内の検定も受からないといけないと頑張っていました。

大変でしたけど、充実していましたし、美容師になったことも後悔なんてしなかったですね。楽しかったです。

――美容師時代の失敗談はありますか?

二宮 技術的な失敗はないんですけど、コミュニケーションで失敗をしたことがありました。とても気難しいお客様で、オーダーがハッキリしているお客様とのカウンセリングで、言い合ってしまいました。最終的にはお客様のご要望が第一なので、私が折れてオーダー通りにカットしました。お客様からは、「あなたは腕が良いんだから、もうちょっと口の利き方気を付けなさいよ」ってお帰りの際に、捨て台詞を吐かれました。私も意地がありますから、「二度と来るな」ぐらいに思ったんですけど、また1ヶ月ぐらいするとまたそのお客様が来店されるんですね。それも私を指名で。ご来店されるうちに、お客様との会話を積み重ね、お客様も自分と同じタイプだということに気が付いたんですね。月に1回、たった1時間のお付き合いなんですけど、回を重ねるごとにより相手を知り、通じ合え、このお客様は「自分のオーダーを飲んでくれる人を探していたんだろうな」って理解できました。最初の頃は、多分その引き出しが自分にはなかったので、それを気付かせてくれたんだと思います。

マリールイズ_二宮将隼

――反対に成功談は?

二宮 教育の道に進む前、現場の美容師を辞める最後の2~3年は、新規のお客様をお断りするぐらい、指名客のお客様が多くいました。東京のサロンだったんですけど、かなり遠方から来てくださる方もいて、嬉しかったですね。一番遠いお客様で、北海道からわざわざご来店してくださる方もいらっしゃいました。その他には、千葉、山梨、静岡のお客様も・・・。有難かったですし、申し訳なかったですね。また、近所の美容師さんが、自分のサロンではなく私を指名で通ってくれたのは、同業者として自信につながりました。

――思い出に残っているお客様はいらっしゃいますか?

二宮 失敗談で話したお客様もそうですけど、親子で指名してくれていたお客様には縁を作っていただきました。その方のお嬢さんの親友の方が一時帰国をされるので、ホームパーティに呼んでいただきました。その時に、次の就職先になる代表との出会いの場となりました。そのお客様は、ご家族3人を全て担当させていただきました。今でもその縁を作ってくれたことに感謝しています。

――美容師を辞めたいと思ったことは?

二宮 1秒もないです。どんなに嫌なことがあっても、辞めたいと思ったことはないですね。

――それでも美容師を続けていくのは大変じゃないですか?

二宮 器用な人が美容師に向いているっていうなら、自分は全く真逆の人間だと思っています。人よりも不器用で、技術力もない方の私がこの仕事を続けられているのは、この仕事への思いが人よりも強かったからだと思っています。好きだからこそ「上手くなりたい」って意地を張る事ができ、成長できたんだと。その成長が、お客様のご要望を形にし、笑顔でおかえりいただくことだと思っています。

長年この業界にいて、色々な人を見てきました。簡単に辞めてしまう人のタイプは、好きの度合いが低くて、手先が器用な、何でもすぐにできてしまう人でした。こういうタイプの人は、何か不得意なジャンルにぶち当たると、乗り越えられず結果やめてしまうんですよね。だからこそ、好きでいることの大切さを身をもって感じています。

――挫折はありましたか?

二宮 挫折までは感じたことはありませんでした。ただ、スタイリストデビューが遅くて、モヤモヤしたことはありました。店長から「もうそろそろデビューだ。」と言われてから、本当にデビューするまでに、1年かかりましたね。もう少し器用な人だったら、半年や1年早くデビューできていたんじゃないかなと思います。

マリールイズ_二宮将隼

――二宮さんにとっての恩師は?

二宮 何人かいますね・・・。最初に勤めたサロンのカラーリストの先生が私のカラーの師匠で、そこの店長がカットの師匠で、このお二人には自分の美容師としての技術的な土台を作っていただきました。また、前任校で5年間ずっと担任、副担任で組んでいた先生も恩人です。長年、サロンワーカーをやっていたところから、突然美容学校の教員に転身して、右も左も分からないのに、最初から2年生の担任を任されました。その時に組んでくださったのが、大ベテランの教頭先生でした。教師としてのイロハをその先生から、学ぶことが多かったですね。

――将来の自分はどうなっていると思いますか?

二宮 特別イメージは持っていませんが、10年後もマリールイズで教員として働けていたらと思います。教員として、美容師を辞めてしまう子を少なくして行きたいと思っています。課題はたくさんありますがまず第一に、今後は美容専門学校とサロンの距離も縮めていかないといけないと思っています。第二に家庭の問題や学費の問題で美容師になることを諦めてしまっている学生たちに「諦める必要がないんだよ。」と教えてあげたいです。当校は、都内では学費が安いのですが、それでも奨学金を借りてギリギリで通っている子もいっぱいいるんですね。専門学校も難しいと言う子に、通信科や奨学金制度などの情報を伝えて行きたいです。学び方が色々あることも知ってもらいたいですし、助成金のあり方も変わるかもしれない。もっと高校と専門学校、専門学校とサロンとの結びつきが変わっていけるよう、自分も中心となって、美容業界を盛り上げて行きたいと思っています。

――最後に業界や美容師を目指している方に一言。

二宮 サロンには、もっと学校や学生に歩み寄っていただきたいですね。ちょっと距離感を感じています。教員をやっていると、学生の頑張りを目の当たりにすることが多く、そのサロンに勤めるために一生懸命、サロンを研究し、サロンに合わせるためにファッションやメイクまでも変える。面接のためにスタイルブックも時間のない中作ったり、本当に頑張っています。採用する側のサロンには、そんな学生のこと、出身校のことをもっと知って欲しいと思います。知っていただくことで、辞めにくい環境を作れるのではないかと考えているからです。

ここ数年、美容業界が変わろうとしているのを感じることがあります。多くの団体、メーカーさんが、ヘアサロンと美容学生が一緒に参加できるタイプのコンテストを立ち上げ、美容学生にリアルの学びの場を作ってくださっています。マリールイズの学生も選ばれ、そのコンテストに参加することができました。選ばれ、美容師の方と一緒に出場した子はもちろんですがその他の学生も、その子の頑張りを目の当たりにして、一緒に貴重な体験をすることができました。こういった取り組みのおかげで、サロンと学生、サロンと学校の距離がちょっとずつですが近づいてきたかなって感じ始めています。今後も業界全体で、夢を持った美容師を辞めさせないために、学校とサロンとが強力なタッグが組めるよう、教員の立場で努力して行きます。

マリールイズ二宮将隼_座右の銘

School Data

マリールイズロゴ

学校法人マリールイズ学園 マリールイズ美容専門学校

住所:東京都新宿区須賀町3番地
Tel:03-3357-8015

https://www.marie-louise.ac.jp/

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