【SNS活用術】8割が前髪カットに不満。お悩み解決型の投稿で前髪迷子が殺到【Nicomaria from zacc 店長 清左洋一さん】#1

「Nicomaria from zacc」の店長 清左洋一さんは「前髪の達人」「後れ毛の神様」の異名を持ち、「前髪にこだわりたい」という女性客が後を立ちません。実はアシスタント時代から「顔まわり」のカットに特化してきたそうで、Instagramでは「前髪」に関する具体的かつわかりやすい解説が好評です。

前編では、なぜ前髪特化美容師となったのか、清左さん流のお悩み解決型の投稿について教えていただきます。

教えてくれたのは…

「Nicomaria from zacc」
店長 清左洋一さん

「前髪」「後れ毛」といった顔まわりのカットに特化したスタイリストで、「はじめて前髪をつくる」「前髪が似合わない」などのお悩みを抱えた女性が多数来店。中には小・中学生の来店も。Instagramのフォロワー数は1.8万人(2021年9月現在)。ゼペットを活用し、ニーズに合わせた前髪スタイルの発信や、痒いところに手が届くようなお悩み解決の投稿が評判。
Instagram:@seiza0529

「前髪の達人」になったら新規客増

清左さんはとにかくお客様ファースト。
些細なお悩みまで耳を傾ける姿勢で多くのお客様の信頼を得ています

――「前髪」「後れ毛」に特化したきっかけとは?

アシスタント時代から前髪や顔まわりに重点を置いてカット練習をしていたんです。というのも、帰っていくお客様はみんな同じスタイルになっている気がして…。もちろんすごく可愛く仕上がっているのですが、お客様一人ひとりに合わせてつくっているというよりも、スタイルが先行してしまっているというか…。誰でも良いのかな?と思ったんです。

だから、僕はもっと本人に合う髪型にしたいと思い、印象が左右されやすい顔まわりに重点を置くことにしたんです。同じことをやっている人が他に誰もいなかったので、差別化をはかる狙いもありました

――Instagramでも「顔まわり」にフォーカスした投稿に変えたのでしょうか?

Instagram自体はじめるのが遅かったということもあり、最初から「前髪」「後れ毛」を打ち出していました。カット風景やビフォーアフターの動画を上げていましたが、今と違ってお客様ではなくモデルさんを起用していました。集客効果はというと、投稿を見て来店してくれるお客様はゼロでした。

――集客のために投稿スタイルを工夫したりしましたか?

いえ、投稿スタイルは変えていません。「顔まわり」に特化した姿勢は崩さず、女性のお悩みにもっと親身になろうと思ったんです。相手の悩みに対してどれだけ受け止めてあげられるか、という部分を伝えることにしました

接客していて感じていたのが、8割の方が前髪カットに不満を持っていたり、悩みを抱えているということ。多くのサロンでは後ろ髪のカットだけに時間をかけて、前髪はおまけ程度にカットして終わり、という場合が多いみたいなんです

――前髪に特化している美容師さんはまだ少数でしょうか?

いるとは思いますよ。でも、たまに見かけるのが、Instagramで「前髪特化美容師」などと謳っているのに、実際はカラーリングの投稿ばかりだったり。矛盾してるな…という人は結構多いんですよ

誰に対しての発信なのかわからなくなってしまうので、そこは一貫性を持った方が良いと思います。

――清左さんのInstagramを見ると、「Instagramから来店してくれました!」という投稿が多いですよね。集客も成功されているように感じます。

Instagramを見て来店されるご新規様はかなり増えました。今では、予約フォームの備考欄にこれまでの前髪カットへの不満や要望をびっしり書き込んでくる方がたくさんいるんです。僕としても施術前にお客様の悩みを把握できるので、カウンセリングしやすいですね。

嬉しいことに「こんなに丁寧に前髪をつくってもらったのは初めて」というお声もよくいただきます。

人形町にサロンがあるので、周辺のOLさんに来てもらえたらと思い、当初は30歳前後の女性をターゲットにしていました。けれど、実際は学生さんが圧倒的に多いですね。これは自分でも意外だったんですけど(笑)。

「他店で満足できなかった」という多くの人が
清左さんのもとに駆け込みます

前髪のバリエーションを提案して、固定概念を崩す

地方に赴き「一週間だけカット」をやってみたいとも考えています。
全国色々な場所で前髪に悩んでいる方を解決できたらなと思います

――「前髪切られすぎたときの対処法」「長年前髪がなかった人の前髪カット」など、関心度高めのネタが満載ですが、普段どのようにネタを考案されているのでしょうか?

ネタについては基本的にいつも考えるようにしていて、頭の中にもスマホの中にもストックが常にある状態です。

お客様とのカウンセリング中に「こういうところに悩む人って結構いるんだ」とか、街中を歩いているときとかに思いついたりするのですが、見方は人それぞれ違うので、一方に偏らないように、広くアンテナを張るようにしています

例えば、「前髪って一つではなくて、たくさんの種類があるんだよ」ということをよく伝えています。前髪が似合っていない人というのは厚めにつくられたり、バランスが悪かったり…というのが原因なんですね。僕はその辺を理解しながら切ることで100%可愛くしてあげられる自信がある。ミリ単位で印象が全然変わるのが前髪カットの面白さなので、可能性というか、選択肢をたくさん知ってもらうことを念頭においています。

――清左さんはお客様のニーズをしっかり把握した上で発信しているように感じます。

「厚くされた」「似合わないと言われた」「今まで前髪をつくったことがない」というお悩みが多いですが、他にも学生さんとOLさんとで顔まわりのニーズは変わりますし、スタイリング事情も気にかけるようにしています。

――清左さんが普段の投稿で一番大事にしていることは何ですか?

お客様のお悩みに対して「解決します」ときちんと伝えること。「無理と言われた〇〇は自分ならできる」と言うワードはやっぱり強いんですよ。もちろん、ビフォーアフターの動画つきで

――強い言葉を使う以上は根拠をしっかり示すということですね。

もちろんです。Instagramは文字で伝えるものではないと思っているので、文字よりもビジュアルの方が説得力があるんじゃないかなと。だから、いかに上手く演出するかというのをめちゃくちゃ勉強しましたね。

アフターだけ載せるのは自己満の世界になってしまうのでNG。ビフォーとアフターを両方、上手に投稿してさえいれば成功するのではないでしょうか

前髪特化美容師として打ち出すコツ

1.「前髪」以外の投稿は控え、得意分野がわかりやすく伝える

2. お客様のリアルなお悩みに寄り添うとともに、スタイルのバリエーションを提案する

3.「解決します」と一言を入れる際は必ずビフォーアフターを提示する

アシスタント時代からお客様のニーズを掴み、「顔まわり」に特化してきたという清左さん。Instagramはあくまでサロンワークの延長であり、お悩みにしっかり寄り添うことを念頭に置いているようです。後編では、ゼペット投稿の注意点やビフォーアフター動画のコツについて教えていただきます。

取材・文/佐藤咲稀(レ・キャトル)
撮影/石原麻里絵(fort)
イラスト/なとみ みわ

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Salon Data

Nicomaria from zacc

住所:東京都中央区日本橋人形町3-5-10 竹之内ビル1F
TEL:03-6264-9517

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