会社の新規事業としてチャンネルを開設。ヘアメイク・橋本眞貴子さんが行う目標達成のためのYouTube活用術

YouTube全盛期とも言える今の時代、セルフメイクのノウハウを公開するチャンネルも多いと思います。そんななか、ひときわ異彩を放ち人気を獲得しているのが婚礼美容会社を経営する橋本眞貴子さんのビューティーチャンネル。化粧品メーカでの勤務とブライダルメイクの経験を活かした知識はもちろん、すっぴんをさらけ出した整形級のメイク動画など豊富なコンテンツが話題となっています。

前編では会社の代表を務める橋本さんが個人的にYouTubeチャンネルを始めた理由や人気のコンテンツについてお伺いしました。新規事業の一環としてチャンネルを開設したとのことで、その先にある目標を詳しく掘り下げていきます。

お話を伺ったのは…

橋本眞貴子さん

ヘアメイク
新卒で外資系化粧品メーカーに入社。大手百貨店3店舗にてビューティーアドバイザー・フレグランスアドバイザーなどを行う。転職後は同じく化粧メーカーにて美容部主任インストラクターとして活躍。西日本の提携美容室及びディーラーでのセミナーやメイク講習、売上指導を担当する。退職後、フリーランスとしてヘアメイク講師等の仕事を行った後、2006年に婚礼美容会社「株式会社リンダファクトリー」を設立。現在まで代表取締役を務める。2020年に開設したYouTubeチャンネル「HASHIMOTO BEAUTY CHANNEL」ではこれまでの経験を活かしたメイク動画が話題に。登録者数は4万人を超え、116万回の再生数を誇る動画もあるなど人気のチャンネルとなっている。

Instagram:@MAKIKO
YouTube:HASHIMOTO BEAUTY CHANNEL

コロナ禍の不況をチャンスに変え、新規事業としてYouTubeチャンネルを開設

婚礼事業にてブライダルのメイクを施す橋本さん。

――橋本さんは婚礼美容会社の代表を務められていますが、新たにYouTubeを始められた理由を教えてください。

コロナ禍の影響で業界全体の売上が低迷してしまい、私が代表を務める「リンダファクトリー」の受注も2019年頃から落ちてしまったんです。世間の景気が戻るのをじっと待っているわけにもいかず、空いた時間を活用してなにか新しいことを始めようと思いついたのがYouTubeでした。2020年の春頃にチャンネルを開設し、私個人のものとしてひとりで運営していますが、売上などは会社の新規事業として計上しています。

――会社の新規事業とのことでどのようにして収益を上げられているのですか?

まだ模索中なのですが、現在運営しているチャンネルで多くのファンを作ってYouTubeのメンバーシップにつなげることが目標です。YouTubeのメンバーシップとは視聴者が特定のチャンネルに月額料金を支払って投稿者を支援するシステムのこと。じつは登録者数が5万人を超えたらスタートしようと思って、最初の動画やバッジの製作など準備をすすめているんです。

――メンバーシップでやりたいことは?

オンラインサロンのようにメンバーの方に有益な情報を与えられるようにしたいと思っています。いただいた会費もできるだけ還元したいですね。たとえば2万円以上するような高級な化粧品や美容液のレビューを行うなど、自分ではちょっと購入するのに躊躇するようなものを題材にすれば視聴者も喜んでいただけるのではないでしょうか。

撮影が終わったらその商品を抽選で無料プレゼントをするなど、会員ならではのイベントを考えています。それから会員限定の動画配信やスペシャル特典として、私が当選者さまのメイクを担当する券の抽選会を行うなど、盛り上がるイベントをやっていきたいです。このメンバーシップを通して美容で悩む方を減らして、きれいな人を増やしていきたいと思っています。

YouTubeは理想を叶えるパートナーと出会うのに最適なツール

ヘアメイクを担当した撮影の仕事にて。

――YouTubeチャンネルの人気は既存の婚礼美容の事業に影響していますか?

婚礼美容の事業はクライアントさまがある程度決まっており、個人の依頼は受け付けていないので、ほとんど影響はないですね。まったくの別事業として考えています。その代わり、カジュアルなメイクをしてほしいというコメントはYouTubeで結構いただくんです。今までは婚礼以外のメイクの受付はしていなかったので、そちらもメンバーシップ制度がスタートしたら募集していくつもりです。

――新規事業としてYouTubeを始められたとのことですが今後の会社の方針はどのようにお考えですか?

婚礼事業は会社の基盤なのでこのまま続けていって、YouTubeの事業では、得た利益を使って最終的にオリジナルのコスメや化粧品を作りたいと考えています。というのも、今までいろんな化粧品を使ってきて、ブランディングを意識しすぎて実用性のないものや、逆にプチプラでもとてもいいものなどにたくさん出会ってきたんです。多くの商品に触れるなかで自分が本当にいいと思える商品を開発して、多くの人をきれいにするサポートをしたいという気持ちが強くなって。私は美容業界歴が25年ほどあり、メーカー勤務の経験もあるので今まで得た技術や成分の知識を活かして安くてよいものを大々的に作っていきたいと思っています。

今後はこのような目標の発信もYouTubeで積極的に行って、協力してくださる方やスポンサーさまが集まってくれればうれしいです。YouTubeはこのような目標を多くの人に向けて発信することができて、さらに同意してくださる方との出会いのチャンスをくれるツールだと考えています。

経営者として大切なのは会社のビジョンを描く経営センスとタイミング

メイク道具を大切に、常に清潔に保つなど基本的なことから社員全員に徹底しているとのこと。

――業界の不況に流されず会社としての目標をどんどん更新していく姿に勇気をもらえます。経営者として橋本さんが大切にしていることはなんですか?

センスとタイミングを常に大切にしています。経営センスは今後会社をどうしていきたいか、社員にどうあってほしいかというビジョンのことです。どんな人を採用するのか、どのようにお客さまに接するのかある程度センスが必要だと思うんですよね。そのセンスをフルに活かして私の理想とする会社を作るため、社員には常にうるさいくらいシビアに教育をしています。小さい会社だからこそ同じビジョンを持って働いて欲しいんですよ。

――もうひとつの「タイミング」とは?

なにをするにもタイミングを見極めることが大切。たとえば事務所を移転するタイミングとか営業にいくタイミングとか、少しでも間違うと逆効果になることがたくさんあるんです。今回YouTubeを始めたのも、コロナの影響でYouTubeの需要が伸び始めたときだったのでちょうどよかったと思っています。タイミングを見極める力については相手の立場や環境を常に考えて行動することである程度身につけられると思います。

YouTubeを活用して事業を拡大するための3つのポイント

橋本眞貴子さんのYouTubeを活用して事業を拡大するためのポイントをまとめると、以下の3つでした。

1. 動画の投稿でファンを増やしメンバーシップでより深く多くの人と関わる

2. 会社としての目標を発信することで協力してくれる人との出会いのチャンスを作る

3. 大事なタイミングを見逃さないため常に相手の立場や環境を考えて行動する

YouTubeを事業の一環として活用し、さらに新たな事業につなげていこうとする橋本さんの経営術は美容業界に留まらず多くの経営者にとって参考となったのではないでしょうか。

後編ではYouTubeチャンネルで話題のすっぴんビフォーアフター動画の誕生の理由や橋本さんの動画制作のこだわりなどをお伺いします。

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