周りのサポートを受けながら、大好きな仕事に産休中も真摯に取り組む MINX 原宿店 スタイリスト 山口アリサさん#1
仕事も育児も楽しみながら、ハツラツとこなしているワーキングママをご紹介するこの企画。今回は、都内で5店舗経営している日本トップクラスのサロン・MINX 原宿店のスタイリストとして活躍する山口アリサさんにインタビュー。
前編では、スタイリストを目指したきっかけや結婚を決めたポイント、産休中に大変だったことについてお伺いしました。
お話を伺ったのは
MINX 原宿店 スタイリスト
山口アリサさん
美容専門学校を卒業後、平成25年MINX に入社。原宿店に配属され、今年で勤続10年目。その間に現在のパートナーと出会い、結婚。妊娠9ヶ月目で産休に入るが、ヘアメイクの仕事は継続。今月4月にスタイリストとして現場復帰。
お兄さんを追いかけていたら…いつの間にかスタイリストになっていた！
――スタイリストを目指したきっかけを教えてください。
祖父が床屋を経営していたり、兄が美容師をしていたりと、理容・美容系に携わっている家系だったことがきっかけだと思います。小さい頃から、兄のすることはなんでも真似していて、気づいたらあとを追うようにしてスタイリストになっていましたね（笑）。
現在はサロンでスタイリストとして働きつつ、店外活動といったメディア媒体に向けたヘアメイクの仕事も行なっています。
――知らずにお兄さまに導かれていたんですね。スタイリストになるにあたり、お兄さまには何か相談しましたか？
相談はしていなかったです。仕事面での悩みは、周囲の先輩に聞いて克服していましたし、そんなに悩みもありませんでした。
そもそも兄は地元の奈良県で美容師をしていて、私は上京してスタイリストになることを目指していたから環境の違いなどもあると思います。
――確かに、環境が違うと悩みも変わってきますよね。実際にスタイリストになってみて、お悩みはあまりなかったとのことですがお仕事は順調でしたか？
そうですね。たまに「どうしようかな」と考えることはありましたが、仕事が好きだと思えたので頑張れましたね。
サロンで接客をしつつ、空いた時間で勉強してトリートメントソムリエの資格を取得したり、社内で開催されるヘアコンテストに出場して優勝したり…と、仕事は充実していました。
大好きな仕事を続けたい一心で、臨月まで現場に立ち続けた
海での休日のアリサさんとお子さんの一コマ
――では、そんなお仕事が忙しい中で、結婚しようと思ったきっかけは？
スタイリストとして考えたりすることが多くなかなかタイミングをつかむことが難しいのですが、ふたりのタイミングが合ったことですね。出産だと、仕事上での立場やタイミングがありますが、結婚することに関してはそこまで支障を感じなかったことがきっかけです。
――出産と結婚ではタイミングのつかみ方が違って難しいですよね。ところで、山口さんは妊娠何ヶ月目で産休に入ったんですか？
7ヶ月目で会社に報告して、9ヶ月目で産休に入りましたね。
――かなりギリギリまで…！周りのスタッフには気づかれなかったんでしょうか？
つわりはひどかったです！あまりにひどい時は、「夏バテ」とごまかしていましたね（笑）。
お客様の施術は私が調子悪いと悟られると不安を与えてしまうので、何とか元気に振舞うよう意識していたこともあり、特に言及されることなく臨月まで走りきりました。
周囲からは、常に体型がわかりにくいパーカーを着ていたおかげか、周りのスタッフにも報告するまで気づかれませんでした。
――なぜ、7ヶ月目まで周囲に話さなかったんでしょうか？
仕事が大好きなので、ギリギリまで働いていたかったんです。
あとは、「お客様が離れてしまうんじゃないか」という不安も少しありましたね。私たちスタイリストはお客様あっての職業なので、なるべく休みたくありませんでした。
結局1年2ヶ月ほど休みましたが、当初の予定では「半年で復帰してやる！」と思っていましたからね（笑）。
――周囲に話すと決めたあと、一番最初に誰に伝えましたか？
まずは直属の上司に伝えました。
「おめでとう」と祝福の言葉をいただき、産休の流れについて優しく相談に乗ってくださいました。
――周囲の反応はいかがでしたか？
周りのスタッフは優しく受け入れてくれましたし、業務中も気遣ってくれて「椅子に座っていたら？」など細やかなフォローしてくれて、大変助かりました。
――とてもありがたいですね。産休に入るまでのサロンワーク中、周りからのフォローはあったものの、大変だと感じたことはありましたか？
自分のペースで仕事をさせてもらっていたので、本当に辛いときは休ませてもらっていました。
あとは、お腹が大きくなってシザーベルトがつけられなかったので、ワゴンに載せるなどして工夫して仕事をしていました。
周囲からの手厚いサポートにより継続できた、ヘアメイクの仕事
サロン外で行われるヘアショーなどヘアメイクのお仕事にも積極的に取り組んでいるそう。
――妊娠中、旦那さんはサポートしてくれましたか？
たくさんしてくれました。特に、車で仕事の送り迎えをしてくれたのがとても助かりました！あとは、日常的なことで靴下をはいたりする時に手伝ってもらったり、料理ができないのにたまに頑張って作ってくれた時もありました。
また、産休に入ってもヘアメイクの仕事だけは継続していたのですが、その間も変わらずサポートしてくれたおかげで、続けることができたと思っています。
――とても献身的な旦那さまですね。産休中も、ヘアメイクのお仕事は継続してされていたんですね？
はい、もともとメディア露出の多いスタイリストとして働きたかったので。会社も個人のやる気や要望があれば、都度相談に乗ってくれてチャンスもくれるんです。それから、メディア向けのショーのヘアメイクやブランドのヘアメイクの仕事を会社を通じていただくようになりました。ヘアメイクの仕事はシビアで、一度断ると次につなぎにくくなる、という恐れもあるんです。そのため、産休中も継続したい気持ちが強く、会社に自分の要望を伝えてヘアメイクの仕事をいただいていました。
個人のやる気や希望などにしっかり耳を傾けて対応してくれて、産休中でもとても働きやすいと改めて感じましたね。
山口さんが復帰を目指して産休中にしていた3つのポイント
1.復帰までのプロセスをイメージする
2.周りに頼って、自分に無理のないペースで働く
3.緊張感を保つためにできることを継続する
お仕事が好きで、臨月まで働いていたという山口さん。後編では、スムーズな引き継ぎについて、その際にキーとなるMINXのカリキュラムも合わせてお伺いします。
取材・文／東菜々（レ・キャトル）
