叶える人と叶えない人の差は思いの深さ 美容師・森越道大さん

「パーマ美容師」として高い技術を確立し、美容師として成功をおさめてきた森越道大さん。

前編では森越さんが結成した「senjyuプロフェッショナルチーム」の仕組みを伺いました。トッププレイヤー集団かと思いきや、「トッププレイヤーはだれもいませんし、作る気もありません」と森越さん。個人の売上に頼らず、チーム一丸となって売上を安定させることにはメリットしかないといいます。個人間の争いがなくなり、さらに売上以外のタスクでも評価されて給料に反映される仕組みで、得意なことをいかして活躍することが可能になるというのです。森越さんは「senjyuプロフェッショナルチーム」をモデルに、個人の売上に左右される不安定な美容室経営を変えようと挑戦を続けています。

後編では「GARDEN」に中途入社した森越さんが、パーマ美容師を名乗り成功した経緯について伺います。ブルーオーシャンを見極め、飛び込んだことで集客ができるようになり、数多くのお客さまに施術をするうちにどんどん実力がついてきたということでした。またご自身の成功哲学について伺うと、運の要素とどれだけお客さまを思って行動できたかが大きいと森越さんは分析します。成功したいという思いが深い人ほど、たくさん行動し、運もまわってきやすくなると考えているそうです。

今回お話を伺ったのは…

森越道大さん


senjyuプロフェッショナルチーム統括代表/「GARDEN」所属リードデザイナー/株式会社SENJYU CEO/株式会社iii COO
北海道、横浜の2店舗で経験を積んだのち、「GARDEN」に入社。24歳でスタイリストデビューをし、初月売上で350万円を達成。当時の日本新記録を樹立し、話題を集める。その後はパーマ美容師として高い技術を武器に、セミナー講師なども数多く務める。「GARDEN」に所属しながら、多くの事業も手掛けており、2020年には「senjyuプロフェッショナルチーム」の結成、新しい形のシェアサロン「NEHAN」の立ち上げに参加するなど、常に美容業界の話題を集める人物。

サロンWEBサイト:https://morikoshi.net/

反骨精神をむき出しに、デビュー月売上で日本記録を達成

森越さんの真骨頂ともいえる縮毛矯正の技術

――「GARDEN」は中途採用だったとお聞きしました。美容師人生のスタートはどのようなものだったのですか?

17歳のときに美容専門学校の通信を受けながら、北海道の美容院で働き始めたのがきっかけです。高校はいわゆる進学校といわれるようなところに入ったのですが、入ることが目的だったので、入学と同時に目標を見失ってしまって。段々と学校に行かなくなってしまいました。そんなときに、昔から髪の毛をいじることが好きだったこともあり、美容師になってみようかなと思ったんです。2年ほど働きながら美容師免許を取得して、横浜で約50年続くパーマ屋で4年働きました。そこではパーマ技術を徹底的に叩き込まれましたね。当時は「カリスマ美容師」に絶対なってやるという思いがあったので、「GARDEN」の中途採用試験を受けて入社が決まりました。

――「GARDEN」に入社してみて、いかがでしたか。

反骨精神むき出しで働いていましたね(笑)。性格もよくなかったし、それまでにもう6年くらい美容師として働いてきたので、結構生意気言いながら働いていました。でも生意気を言うからには結果も出したいという思いも強く、デビュー月の売上記録を作ったんです。その当時のGARDENの記録が240万円で、日本の記録が300万だったところを、僕は350万を達成することができました。そこから急に注目を浴びてしまって。期待されるプレッシャーを感じることで、技術を身につけていくことができた気がします。

売上が下がっていくなかでの焦り。ブルーオーシャンだった「パーマ」に飛び込む

「GARDEN」の高いデザイン性とパーマ専門店で磨いた技術で、パーマ美容師として注目を集めるようになった森越さん

――パーマ美容師を名乗り始めたきっかけは?

スタイリストになってから半年くらいで武蔵小杉に異動して、そこで新規のお客さまを集客するにはどうしたらいいかを考えた結果でした。このとき初月の350万円から売上が半年で80万まで落ち、もがいていた時期だったんです。当時の武蔵小杉は街の開発がどんどん進んでいて、新規の方がたくさん来るお店だったんですが、自分をどう指名してもらうかを考えたときに、思いついたのがパーマ、縮毛矯正でした。

――なぜそう思われたのでしょうか?

その当時「GARDEN」にはデザイン性が高い人はたくさんいたんですけど、パーマ技術が高い人はそこまでいなかったのと、美容業界を見渡してもカラーリストはいるのにパーマニストはおらず、パーマはブルーオーシャンだと思ったんです。その打ち出しがささり、パーマや縮毛矯正でどんどん指名が入るようになっていき、売上もまた持ち直していきました。この時期にたくさんパーマを施術したことで、技術もどんどんあがっていきましたね。やっぱり数をこなさないと、うまくならないのではないかと思います。

どんな打ち出しでいくかは、自分がやってみたいことで決めるのではなく、これならお客さまに求めてもらえるという考え方で決めるべきではないかと僕は思っています。それが成功の鍵ではないかと

叶える人と叶えない人の差は、思いの深さ

講演活動にも力を入れている森越さん。森越さんの話を聞きに数多くの美容師が集まる

――「GARDEN」や、そのほかの事業でも数々の成功をおさめてきた森越さんですが、これから活躍したい人にアドバイスはありますか?

僕はスタッフに「夢を叶える人と叶えない人の差は思いの深さの違いだよ」とよく話します。でも思いが深い=がんばる=成功するという単純な構図ではないとも思うんです。自分を振り返ってみても、なぜ成功できたかというと、運要素もかなり強いと分析しています。僕のアドバイス通りにやっても全員が同じように結果が出るわけではないし、がんばっても確実に成功できるわけじゃない。

ただ、もう一方でがんばった人にしか運は周ってこないと思っています。美容師でいえば、お客さまを思ってたくさんの量をこなしてきた人に、運はやっぱり周ってくるのではないかと。思いを強く持って、お客さまのために立ち続ける。そうすることでしか道は開けないのではないかと思います


森越さんを成功へと導いた3つのポイント

森越さんを成功へ導いたポイントを伺うと、以下の3つでした。

1.やりたいことをやるのではなく、求められるものをお客さまに提供してきた

2.プレッシャーのなかで、数多くのお客さまに施術することで、技術力をアップさせた

3.絶対に成功するという思いを強くもち、行動した

お話を聞いていて印象的だったのは、自分の売上をあげるという観点だけでなく、チーム、ひいては美容業界までを俯瞰して見ている森越さんの高い視座。今後もさまざまなことを仕掛けていくという森越さんの活動から目が離せません。

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