内面と向き合ってこそ出せる美しさ。輝かせたい、あなた本来の魅力!【トータルビジュアルプロデューサー MANAMIさん】#2

前編から引き続き、トータルビジュアルプロデューサーのMANAMIさんがゲストです。海外でモデルやヘアメイクアーティストとして活躍した後、日本へ帰国。持ち前の積極性と理論的思考力を発揮し、着実にキャリアアップを重ねていきました。

トレンドの移り変わりが激しい美容業界で、常に「自分らしさ」を価値観のベースに置きながら活躍の場を広げ続けるMANAMIさん。後編では、相手へ提案を行う際に意識していること、法学習得という新たなチャレンジについてお聞きします。

理想と見た目のギャップを埋めて、その人をより美しく

 

誰かの模倣ではない、オリジナルな生き方を体現してきたMANAMIさん。実際に自分の目で見て感じることが大切だと語ります。

――現在はヘアメイク以外の分野でも活躍されていると伺いました。

数年前からは「トータルビジュアルプロデューサー」の肩書きで活動しています。ヘアメイクだけでなく、ファッション、姿勢、ボディメイクなど「人の見た目に関するすべての教育とプロデュース」を手がけています

クライアントはモデルやタレントといった芸能人のほか、政治家、起業家、一般の方までさまざま。自治体や企業の社内研修で講義することもあります。

――どういったアドバイスを求めて皆さんいらっしゃるのですか?

見た目を整えることで、他者へ与える印象を変えたい・なりたい自分に近付きたいというオーダーが多いですね。

――MANAMIさんが得意とする「その人らしさを活かす視点」は、ここでも発揮されているのでしょうか?

もちろんです。クライアント自身が持つ本来の魅力を、最大限に引き出してあげたい。その目標を叶えるために最も重視しているのは、見た目と内面をリンクさせることです

たとえば、パーソナルカラーや骨格診断を元にメイクやファッションを選ぶのが流行っていますよね。けれど、いくら診断結果が同じでも、その人の立場や価値観・理想とする生き方が違えば、似合うものも少しずつ異なるはず。

プロデュースする際は、じっくりとヒアリングを行います。本人の「私はこうなりたい」「他者からこんな風に見られたい」を明確化し、相手の内面を理解した上で提案するよう努めています

世界的ミスコンテスト出場者への指導も手がけています。「彼女たちへは、まず自分自身と向き合うことを求めます。いくら美しい容姿でも、内実が伴っていなければ誰かの心を打つことはできません。」

すべての着地点は「本来の魅力を最大限発揮する」こと

――美容業界で活躍したいと願う人に、日本と海外を経験したMANAMIさんだからこそ伝えられることはありますか?

相手が求めるニーズに即対応できる、瞬発力や柔軟性を持てると良いですね

ヘアメイクの仕事だと、海外の現場はクリエイター陣が横一列のフラットな関係性で、それぞれが遠慮せずに個性をぶつけ合い、今までにない作品を生み出そうという世界でした。一方日本では、クライアントの求める範囲の中で、いかに良い作品を作るかが勝負です。

どちらが良い悪いという話ではなく、求められる資質はTPOによって異なると知っておいてほしい。自分のスキルをひけらかすのではなく、相手に合わせて自分の振る舞いを合わせるしなやかさと素直さ。この2つがあれば、活躍の場は広がると思います

――どんな要望へも対応できるよう、スキルの棚卸しは欠かせませんね。

「私は何ができるのか」を把握することも大切ですが、自分の魅力が一番ハマる場所はどこかという視点で戦略を練ることも必要です。私の場合、連載の仕事が欲しいと思った時は、主要な雑誌をすべてリサーチし、自分の作風と合いそうな所を選んで直接売り込みをかけました。

自己ブランディングをする時も、誰かをプロデュースする時も、私の考えの基本は同じです。理想の姿と自らが持つ素質にギャップがあればあるほど、無理が生じてしまう。それを埋めるための方法をまず考えましょうということですね。

業界への恩返しと後進育成に向けて、新たなステップアップ

――これからの目標を教えてください。

業界の悪しき側面ですが、ハラスメントを受けるモデルや、搾取されるフリーランスのヘアメイクなど、苦しんでいる人々にたくさん出会ってきました。そんな人たちに対して、身を守り、また人の権利を傷つけないための法教育や、気軽に相談できるネットワークづくりができるといいなと考えています

その夢を叶えるため、38歳で中央大学法学部の通信課程へ入学し、40歳で通学課程への転籍試験に合格。昨年無事に卒業を果たしました。いずれはロースクールや司法試験にも挑戦するつもりです。

――40代での学び直しなんて尊敬します!

弁護士にキャリアチェンジしたい、なんて野望はないですよ(笑)。あくまで今の仕事と紐付けて考えています。自分がこれまで走り続けてきた美容と芸能というフィールドが、若い人たちにとって夢を持てる憧れの世界であり続けてほしい。そのための一助になれればと思っています。

――挑戦を続けるMANAMIさんから若い世代へメッセージを。

元気で気持ちも充実している若い時だからこそ、やりたいことに精一杯打ち込んでください。「知らない、分からない」と言えるのは若いからこそ。年を取ると誰も叱ってくれなくなります。

失敗も含めて、まずは経験できることを全部やってみるくらいの気持ちで。勉強や技術の研鑽など、今しかない貴重な時間を自己投資のために使ってくださいね。


MANAMIさんの成功の秘訣

1.目標を達成するための戦略的思考

2.自分の内面と向き合う心の強さ

3.新たなチャレンジを止めない精神力

お話を伺ったのは…
MANAMIさん

15歳よりモデルを始め、主に海外で活動。引退後はヘアメイクアーティストへと転身。現在はヘアメイクに限らず、ファッション、姿勢、ボディメイクなど「見た目に関するすべての教育とプロデュース」を手がける。
著書:「メイクの超基本テクニック」(マイナビ出版)など他5冊

取材・文/黒木絵美
撮影/米玉利朋子(G.P.FLAG)

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