顧客ゼロからブログ集客1年で100万円を達成!美容師「eau」田中亜彌さん
美容師の田中亜彌さんは浦安のサロンで31歳まで勤め、その後原宿でフリーランスとして独立。集客に力を入れ、顧客ゼロの状態から1年で100万円の売上を達成した美容師です。
前編ではどのようにして100万円を達成したのかを伺います。ポイントとなっていたのは、大人女性にしぼったターゲット設定と、その層がよく見るSNSとしてブログを選択したこと。ただ情報を羅列するのではなく、悩みを検索した人が読んで、お店に来てくれるように工夫をして発信しているそうです。
今回、お話を伺ったのは…
田中亜彌さん
美容師・「eau(オー)」オーナー
浦安のサロンを経て、31歳で原宿のフリーランス美容師に転身。その後、2021年6月オープンの「devoted」を経て、2022年7月にはTHE SALONS渋谷246内に「eau(オー)」をオープンさせる。また開業のために行ったクラウドファンディングでは、目標金額50万円に対して約144万円でサクセスするなど、業界で熱い視線を集める美容師のひとり。
instagram:@ami_tanaka1231
「脱おばさん」を掲げたブログ集客により、1年で100万円の売上を達成!
――フリーランスとして独立したあとに1年で100万円を達成されたそうですが、どのようにして実現されたのでしょうか?
ブログ集客に力を入れていました。ブログにしぼったのには理由があって、まず、自分がどんなお客さまを担当したいかを考え、30代以上の大人女性をターゲットにすることにしたんです。大人女性を担当させていただくことが元々得意でしたし、私と同世代で話しやすいこと、また30代の女性美容師でガツガツと活動している人がそんなに多くない印象だったので、競合も少ないかなと読みました。そしてその大人女性の方たちが見るSNSは何かと考えて、行き着いたのがブログです。年齢を重ねるごとに髪の悩みが増えてくるので、悩みを検索したときにブログのほうが見てもらいやすいと考えました。
「脱おばさん」というわかりやすいコンセプトを掲げたことも、反響につながったと思います。ちなみにこのコンセプトは、オンラインサロンで知り合ったTwitterでファッション系の発信をしている方が、ファッション版の「脱おばさん」の発信をされていて、「髪型版をやってみたら」と勧められたことがきっかけで使いはじめました。
ただの情報を発信するのではなく、来客に結びつくように発信することが大切
――ブログを書くときに、心がけてきたことはありますか?
ブログにただ情報だけを書いても、ほかの美容師さんに流れてしまう可能性があるので、読者の方に「この人に切ってもらいたい」と思ってもらえるような発信を心がけてきました。まず技術については、かなり細かく書いていましたね。髪色をただ明るくしたり、前髪を作れば若くなるわけではなく、若く見えるバランスがあること、気を付けないといけないポイントがあるということを事細かに書くようにしていました。そうすれば私にしかできない独自の技術だと、思ってもらえるのではないかと考えたんです。
あとはブログに素直な思いも書いて、自分について知ってもらうことも心がけてきました。表面的な情報だけでなく、田中亜彌という人間を知ってもらい、そのうえで通ってもらえれば、リピーターにもつながりやすのではないかと思います。
老けて見えないポイントについて書いている美容師がそもそもそんなに多くないこともあり、差別化はそこまで難しくありませんでした。ブログはおかげさまで月間PVが2万くらいになるまで成長。競合が少ないジャンルで書くというのも、ブログ集客を軌道に乗せるポイントになるかもしれません。
――逆にこんなことを書かない方がいいという点はありますか?
さっき言ったことと矛盾するように感じるかもしれませんが、まだ実績があまりないうちは、自分のことを素直に自己開示しすぎると、「この人に任せていいのかな」とお客さまを不安にさせてしまうことがあるのかなと思います。実は私も最初かなり、「今日もお客さまがいない」などと正直に書いていたのですが、周りの美容師から最初からそれをやると実績を積むのが難しいかもしれないとアドバイスを受けたことがありました。最初のころはとくに、ネガティブな情報の発信方法に注意したほうがいいかもしれません。
Twitterでも「脱おばさん」ビフォーアフター写真を投稿
――そこからブログ集客は順調にいったのでしょうか?
いえ、結果につながるまではかなり時間がかかりましたね。ブログはやはり成果につながるまでに時間がかかると思います。でもその分、発信がたまればコンテンツとしてはかなり強くなるんです。
その間の集客を助けてくれたのがTwitterでした。Twitterでも「脱おばさん」というコンセプトを掲げていたのですが、Twitterのほうが成果につながるのは早かったなと思います。自分の写真を撮り、髪の毛を「脱おばさん」でスタイリングし、そのビフォーアフターを投稿していました。一目瞭然でその差がわかるので、反応が良かったです。ちなみに美容師だけで生計を立てられるようになったのは、フリーランスになってから半年後くらいでしたね。アルバイトをしてなんとかしのぎましたが、このときはとても苦労をしました(笑)。
田中さんが顧客ゼロから1年で100万円の売上を達成した3つの理由
1.ターゲットを大人女性に設定し、その層に親和性の高いブログ集客に力を入れた
2.「脱おばさん」というキャッチーなフレーズで、心をつかんだ
3.情報を書くだけでなく、この人に切ってもらいたいと思ってもらえるような発信を心がけた
後編では田中さんが完全週休二日制、平均して120万円の売上をキープするようになるまでにやってきたことを伺います。ポイントとなったのはブログにカットのみの発信をするのをやめ、カットカラーをセットにして打ち出すようになったこと。それにより、9,000円から15,000円と大幅な単価アップに成功したそうです。また「eau」をオープンするにあたり行った、クラウドファンディングについても伺います。後編もお楽しみに!