CAクオリティー! チームワークを高めるためにいつもしていることとは?
技術面は自信があるけれど、接客は苦手という方も多いのでは?お客様に喜んでいただくためには、接客もマストです!今回は、気持ちよくお客様を迎えるためのチームワークについてキャビンアテンダント(以下:CA)流美容コンサルタントの清水裕美子さんにレクチャーしていただきます。
気持ちよくお客様を迎えるためのチームワーク(1)
お客様に喜んでいただくには、スタッフ間のスムーズな連携も必要です。抜群のチームワークで活躍するCAさんたちが、チームワークを高めるためにいつもしていることとは? 役割分担の考え方や情報共有の大切さについても教えていただきます。
親しき仲にも礼儀あり。挨拶とお礼はマスト
「挨拶とお礼は接客の基本中の基本ですよね。CAは一年間だいたい同じチームで飛ぶのですが、それでもフライトのたびに、『おはようございます。今日もよろしくお願いいたします』で始まり、『今日はありがとうございました。また明日もよろしくお願いいたします』と挨拶して終わります。まさに親しき仲にも礼儀ありです」
分担は決めすぎず、周りを見て柔軟に対応
「機内では全ての仕事に担当が決まっているわけではなく、その時の状況を見て、各自が自主的に動くことが多々あります。そんな場面では、お客様に必要なものがすみやかに行き渡るよう、お客様にも同僚にも観察眼を働かせなければなりません。自分の仕事だけに集中するのではなく、いつも周りを見て柔軟に対応できる技術が求められます。決めすぎてしまうと、かえって『誰かがやっているはず』と慢心が生まれてしまう可能性もあるので、あえて担当を決めてしまわずに、それぞれの裁量で業務を分担するというやり方は、サロンでも生かしていただけるのではないでしょうか」
チームワークの鍵は素早く的確な情報共有
「職場では、チーム内での素早い情報共有も大切です。あまりお客様に聞かれたくないことは、会釈やアイコンタクトで伝えたり、メモを渡すなどして工夫するといいと思います。CAの間では『ジャストインフォ』と呼んでるんですが、ちょっとした情報でも共有しておくといいでしょう。例えば、最初に接客した人が、お客様からお誕生日であることをうかがったことを共有しておけば、ほかのスタッフもタイミングが合えば、お祝いの言葉をかけて差し上げることができます。そんなふうにお客様が『知っててくれたんだ』とうれしい気持ちを持ってくださるとか、何かの役に立つかもしれません」
情報共有でダブルアプローチを回避
「情報共有という点では、このほか、同じお客様に違う人が同じ質問を重ねてしまう『ダブルアプローチ』はタブーですね。『さっきも言ったのに』と不快な気持ちになります。例えばマッサージですと、凝りやすい場所やもみ方の好みなど、毎回同じ質問をするのはどうかと思います。そういった情報はスタッフ間で共有して、それをベースにお客様と会話ができるといいと思います。特に個人的なコンプレックスに関することやデリケートな質問は、何度も聞かれたくないですよね」
『コンシェルジュ』がお客様を迎え入れる
時代のニーズにマッチした接客として、サロンやショップ内に「コンシェルジュ」を置く店舗が増えています。これは接客と施術(販売)などの業務を分担するとともに、接客のプロフェッショナル育成にもつながることになります。コンシェルジュに求められることは、お客様の求めることに対して「必要な時に的確な答とアドバイス」が出来るスタッフです。
●本来のコンシェルジュ
ホテル以外でコンシェルジュを配置する場所として、・西武デパート
通常のコンシェルジュ以外にファッションアテンドサービス。スタイリストがお客様の個性に合わせたファッションをアドバイスしながら、一緒に店内を廻ってお品選びをサポートをする。
・伊勢丹(ボーテ・コンシェルジュ)
化粧品売場で複数のブランドを組み合わせて使いたいお客様に対応をする。
・JR東日本(ステーションコンシェルジュ)
東京駅に女性2人が常駐し、お客様をサポートする。
さらに、高級スーパーやビッグカメラ、横浜中華街などにもコンシェルジュの業務が派生しています。このようにお客様をサポートするスペシャリストとして重宝されています。
Profile
清水 裕美子さん
CA流美容コンサルタント/CA Media Agency代表
CA(キャビンアテンダント)として約5年乗務。自身が敏感肌、アレルギーなどの美容トラブルを抱えていたことがきっかけで、在職中に熱心にCAの美容法を観察・分析。退職後はそれを体系化し、CA流美容コンサルタントとしてセミナー、メディアなどで活動。また、シーエーメディアエージェンシー代表取締役として、日本初のキャビンアテンダントがおすすめする総合情報サイト「CAメディア」(http://ca-media.jp/)を運営。1000人以上のCAネットワークから、美容、旅、グルメ、ライフスタイルなどの情報を発信している。
著書:「キャビンアテンダント5000人の24時間美しさが続くきれいの手抜き」(青春出版社)