ホテルのフロントスタッフの仕事がきついと言われる6つの理由とは?
ホテルのフロントスタッフという職業は、ホテルで最初にお客様をお出迎えする立場で、華やかなイメージがあるかもしれません。しかし、実際に働いてみると「きつい」と感じる人も多いことは事実です。
そこで、どのような点がきついと感じられるのか、理由を解説します。あわせて、仕事にきつさ・つらさを抱えたときの対処方法も理解しましょう。
ホテルのフロントスタッフの仕事がきついと言われる理由とは?

ホテルのフロントスタッフの仕事はきついと言われることもあります。では、どんな点がきついのか、理由や原因を見てみましょう。
1. クレーム対応
フロントスタッフはホテルの従業員のなかでも特にお客様との接点が多い職種のため、苦情が寄せられやすいです。設備の不具合や施設・サービスなどへの不満、場合によっては理不尽なクレームもあるでしょう。
どんなときでも冷静かつ柔軟に対応しなければならず、非常に神経を使います。そのため、精神的に負担を感じる人もいるようです。
2. 体への負担
フロントスタッフは1日中立ちっぱなしで仕事をすることが多く、お客様への案内や他部署への移動などで歩き回る機会も多いです。また、長時間勤務になることもあり、足腰だけでなく全身に疲れを感じやすいかもしれません。
このように、フロントスタッフの仕事は肉体的にも負担がかかりやすく、きついと感じる人もいます。
3. 不規則なシフト
早番・遅番・夜勤などのシフト制で勤務するホテルが多いため、日によって勤務時間が変わることがあります。そのため、生活リズムが乱れてしまい、体調管理がうまくいかなくなるなど、つらいと感じる人も多いです。
さらに、他のスタッフの急な欠勤・退勤や人手不足などの理由でシフトが変更になることもあります。大型連休や観光シーズンのような繁忙期は忙しいうえに休みも取りづらく、プライベートが犠牲になりやすいでしょう。
4. 人間関係
同じフロントスタッフという立場同士はもちろん、ホテルではほかにも清掃・館内レストラン・経営などさまざまな部門があるため、多くのスタッフと関わる機会があります。
フロント内だけでも、同僚や上司との人間関係が円滑ではない場合、働きにくさを感じるでしょう。シフト制によってすれ違いが生まれ、うまくチームワークが取れないケースもあります。
また、各部署との連携がうまくいかず、意見が対立したり摩擦が生じたりすることもあるかもしれません。
5. 業務の幅が広い
チェックイン・チェックアウトの対応や予約管理、お客様の案内、緊急時対応など、フロントスタッフの業務は多岐にわたります。一人前になるまでには、多くの知識やスキルを身につけなければなりません。
覚えることが多く時間がかかるため、人によっては焦りやプレッシャーを感じることもあるでしょう。
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6. スタッフの育成
フロントスタッフとしての経験を積んでいくと、新人教育や他のスタッフの統率を任されることがあります。
新しいスタッフが増えて人手がプラスになっても、前項のように覚えることが多い仕事なので、たくさんのことを教えなければなりません。また、統率する場合はリーダーシップも必要です。
通常の業務に教育・指導の役目が加わるため業務量が増え、さらに責任も重くなることから、きつさを感じる人もいます。
ホテルフロントの魅力とやりがいとは?

ここまで見てきたようにきついと感じることもあるフロントスタッフの仕事ですが、当然魅力ややりがいもあります。どんな点なのかチェックしましょう。
1. お客様に感謝される
フロントスタッフの仕事のなかでもメインになるのが接客です。
お客様と目の前でコミュニケーションを取り、直接「ありがとう」と言ってもらえたり、笑顔を向けてもらえたりすることは、フロントスタッフにとって大きなやりがいでしょう。自分の対応に満足してもらえたと実感できる貴重な瞬間です。
2. スキルを磨ける
ホテルのスタッフの一員として日々フロントに立ち続けるなかで、さまざまなお客様と触れ合い、多くの事例に遭遇します。マニュアルには載っていない事態が起きたり、どう対応すべきか悩んだりすることもあるでしょう。
しかし、職務の遂行のため、そのときに考えうる最善の対応を行うはずです。こうして場数を踏むことで、おのずと接客スキルは向上していき、充実感や達成感も得られます。
また、幅広い業務をこなせるようになると、自分の成長がわかり、やりがいも深まるでしょう。さらに、海外のお客様への対応を行うことによって語学スキルが磨かれるというケースもあります。
これほど多彩なスキルを身につけられるのは、フロントスタッフという職業の大きな魅力です。
3. キャリアアップを目指せる
一般のフロントスタッフとして成長していくと、チーフやマネージャーなどの役職に就ける可能性もあります。また、経験やスキルが評価されれば、フロントスタッフの枠を超えた立場に昇進できることもあるかもしれません。
ホテルの規定や経営状況などにもよりますが、年齢や経歴に関係なくキャリアアップを狙える可能性のある仕事です。
ホテルフロントとして働くのがきつくなったらどうすればいい?

最後に、ホテルのフロントスタッフとして働くのがきついときにはどうすべきか、対処法を解説します。
何がきついのかをはっきりさせる
冒頭で見たように、きつい・つらいと感じる要因はさまざまです。そこでまず、なぜ働くのがつらいのかという原因を究明しましょう。内容は一つだけではないかもしれません。不満・悩み・困っていることなどを紙に書き出し、冷静に分析してみるとよいでしょう。
内容によっては、改善や対処ができることもあります。逆にどうしても解決できない場合、退職という選択肢を考えるのも一案です。
同僚や上司に相談する
きついのがホテル側の問題である場合は、信頼できる同僚や上司に話を聞いてもらいましょう。どのような原因によって自分がどのようにつらく、また心身にどんな影響が出ているかといった状況を正確に伝えたうえで、改善策がないかを話し合えるとベターです。
他人に相談すると客観的な視点から意見をもらえ、自分では思いつかなかった気づきを得られることもあるため、改めて頑張ってみようと思えるかもしれません。
労働基準法を確認する
問題が勤務時間の超過など労働条件に関するものであれば、労働基準法を確認しましょう。残業扱いのない1日9時間以上の勤務や週6日以上の出勤などは、法律違反の可能性があります。
当てはまりそうな場合は労働基準監督署に相談し、場合によってはホテル側に是正を求めることが可能です。
フロントスタッフとしてのやりがいを思い出す
フロントスタッフとして働いていて、きついと感じることもある反面、いい思い出もゼロではないはず。そこで、仕事でやりがいや達成感を感じた瞬間・場面を思い返してみましょう。
このような喜びや感動を手放してもいいかどうかを考えてみると、意識が変わるかもしれません。
自分に合ったホテルを探す
現状や改善策を周りに相談したり、自分なりに努力したりしても解決が難しい場合は、転職するという方法もあります。
今の職場を辞めてもフロントスタッフの仕事自体は続けたいという場合、次の勤務先になるホテルを探しましょう。今の職場でのきつさの原因を考慮しつつ、自分の経験を活かせるよう、自分に合ったホテルを選ぶことが重要です。
そこで、職場選びのポイントを下記で押さえましょう。
自分に合った職場を選ぶには
自分が働きやすいと思える環境を見つけるためには、転職先を探す前に自分の強みと弱みを把握・分析し、どういったホテルなら向いているのかを明確化することが大切です。そのうえで、求人情報で労働条件・教育体制・キャリアパスなどをしっかりチェックしましょう。
面接では、印象に残るような自己アピールをするとともに、自身の聞きたいことを積極的に質問することも重要です。労働時間や職場の雰囲気などを確認してみてください。
求人情報で見るべきポイントとは
自分に合ったホテルかどうかをチェックするために、求人情報で見るべきポイントには下記のような点があります。
・シフトや勤務時間が具体的に示されている
・夜勤の有無が明記してある
・教育体制に関する記述がある
・残業代の支給や福利厚生がしっかりしている など
こまかい部分まで明示されている職場は、従業員の労働環境に配慮していると考えられます。今の職場のきつい部分と照らし合わせながら、よりよい転職先を見つけましょう。
今の職場で働くのがきついときは転職も検討してみよう

ホテルのフロントスタッフの仕事がきついと言われるのは、精神面や肉体面での負担などが理由であることが多いです。
しかし、その一方でやりがいもあり、たくさんのお客様と接するなかで、目の前で喜んでもらえたり自分自身のスキルが向上したりすることは、非常にうれしいことでしょう。
仕事できつさを抱えた際に、改善に向けて努力や対処をしてもつらい環境を変えるのが難しく、それでもフロントスタッフとして働き続けたい場合、別のホテルに転職するという選択肢もあります。
求人情報を念入りにチェックして自分に合った職場を見つけ、フロントスタッフとしてのキャリアを究めていきましょう。





