心地よい接客をするためには、風通しのよい職場環境を作り、チームワーク向上が大切!
技術面は自信があるけれど、接客は苦手という方も多いのでは?お客様に喜んでいただくためには、接客もマストです!今回は、気持ちよくお客様を迎えるためのチームワークについてキャビンアテンダント(以下:CA)流美容コンサルタントの清水裕美子さんにレクチャーしていただきます。
気持ちよくお客様を迎えるチームワーク(2)
チームワークの基本は人と人との関係。今回は、よりよい人間関係の築き方と、チームワークの高め方について教えていただきます。また、実務的な機能面だけではなく、お客様への印象も左右するチームワークの効果についてもうかがいます。
風通しのよい人間関係を
「そのチームがどういう人間関係を築いているかは、チームワークにも現れますし、お客様に伝わります。例えば、新人ひとりに仕事が溜まってしまった場合、他の先輩に頼めるでしょうか? あるいは、先輩の間違いを後輩が指摘できるでしょうか? それはそのチームの人間関係の風通しの良さに関わってくる思います。普段から何でも言いやすい関係を作っておけるといいですね」
まずは相手を知ることから
「仕事以外の場でチームワークを高めることで、仕事がやりやすくなることもあります。CA時代は、渡航先では同じフライトのパイロットとCAのチームで食事に行くのが恒例でした。パイロットとCAは部署が違うので普段はほとんど関わりがありません。こういう機会に、まず相手がどんな人かを知ることで話しかけやすくなりますし、リラックスした席ならフライト中は聞けないことも遠慮なく聞くことができます。そこでしか学べないことがたくさんありました」
安心感を与える統一美とは
「よく『CAはきれい』と言われますが、CAの美しさもチームワークのひとつだと思います。それは突出した顔立ちの美しさやスタイルの良さではなく、個性はないけれど、髪型、メイク、身だしなみ、立ち居振る舞い、どれをとっても全員が一定の基準の中に収まっている。そんな統一美がお客様に安心感を与えるのだと思います。例えば百貨店の美容部員さんとか、接客とは関係ないですがアイドルグループもそうですね。きっちり揃っている統一美というのは、プロにしかできないというか、ときに人の心を打つものだと思います」
チーム全体の評価を上げるには
「お互いの行動を観察し合い、評価し合うことは、チーム全体のレベルアップのためにも大切です。例えば、5人中4人が平均以上でも、ひとりのレベルが低いとチーム全体がその人の印象になってしまいます。自分のことはなかなか気づきにくいので、お互いに指摘し合える機会を持つこと、そして心を開いて話し合える人間関係を築くことが大切だと思います」
求められる接客とは……
接客に関する対応について、首都圏の消費者から回収したアンケート結果で下記のような回答が出ています。
●販売員に対する印象などについてお答えください。
・販売員に声を掛けてほしいですか。 NO 92% / YES 8%
・販売員はどんな存在でいて欲しいですか。アドバイザー 61% / 友達 5% / 特別無い 3%
・販売員は必要ですか。 YES 90% / NO 10%
・嫌な販売員に会ったことがありますか。 YES 78% / NO 22%また、個別の回答から下記のような内容が出ています。
●接客で、良かったことは何ですか。
「丁寧に説明してくれた」「別な店も教えてくれた」
「実体験を話してくれた」「軽めの敬語で感じが良かった」
「あいさつが心地良かった」「用途、機能、予算、長所と短所、親切に誠実に教えてくれた」
さらに接客に不快と思ったことについては、
「ぴったりつかれる。すぐ口を出してくる。うるさい。しつこい」
「ずっと大声を出されて、落ち着かない」「いきなりタメ口。なれなれしすぎる」
「手にとっても、目があっても、来てくれない」「話す時に顔をみない」「商品のことをわかっていない」などが上げられていました。
些細なことではありますが、接客によって与える印象はとても大きいことです。これによって得られるものと、失うものは大きいと思います。ぜひ今後の接客に生かしてみてください。
Profile
清水 裕美子さん
CA流美容コンサルタント/CA Media Agency代表
CA(キャビンアテンダント)として約5年乗務。自身が敏感肌、アレルギーなどの美容トラブルを抱えていたことがきっかけで、在職中に熱心にCAの美容法を観察・分析。退職後はそれを体系化し、CA流美容コンサルタントとしてセミナー、メディアなどで活動。また、シーエーメディアエージェンシー代表取締役として、日本初のキャビンアテンダントがおすすめする総合情報サイト「CAメディア」(http://ca-media.jp/)を運営。1000人以上のCAネットワークから、美容、旅、グルメ、ライフスタイルなどの情報を発信している。
著書:「キャビンアテンダント5000人の24時間美しさが続くきれいの手抜き」(青春出版社)