理想像よりも自身の特性を活かしたブランディング方法で、集客率をキープ【カキモトアームズ 岩井優弥さん】#2

人気と実力を兼ね備えた美容師から売上を上げるための秘訣を伺う本企画。前編に続き、ゲストは人気スタイリストの岩井優弥さん。カキモトアームズのメンズ専門美容室 GINZA 2 chome / 銀座二丁目店にて、デビュー当時から数々の賞を受賞してきた実力の持ち主です。

前編では、Instagramを使用した集客方法、リピートにつなげるカット術などを伺いました。後編では、リピートにつながるためにどのような接客をしているのか聞いたところ、「カルテは使わない」「友達のような感覚を大事に」など…岩井さん独特の接客術があるようです。そこで、売上&指名率をあげるための集客方法から戦略を深堀りし、売上をキープしている秘訣に迫ります。

教えてくれたのは…

スタイリスト 岩井優弥さん

都内にある美容専門学校の美容コースに入学。その後メンズカットの講義を受けたことがきっかけで、美容師の道へ。校内コンテストで実績をつくったのち、カキモトアームズに就職を決める。デビュー後、最短5ヶ月で★★スタイリストに昇格し、デビュー時から順調に売上を伸ばしてきた。現在も全店舗指名数2位を記録する注目の美容師。

カルテは不要、「友達」のような感覚を大事に。個性を出した接客で指名率を独占

話題はなんと、NGなし!「なんでも答えます」と岩井さん

――接客では、どんなことにこだわっていますか?

お客様とは、あくまで「友達」というフラットな状態で付き合いたいと思っています。もともと、人に気を使うことが苦手ということもあって。いかに僕らしく、いかに自然でラフな関係性をお客様との間に構築できるか考えた結果、今のスタイルになりました。

ただ、友達のような会話でも、年齢関係なく必ず「敬語」ベースを忘れません。親しき仲にも礼儀ありとも言いますよね。

――考えた末の岩井さんらしい接客について教えてください。

サロンってお客様ごとにカルテが存在すると思うんですが、僕は利用していないです。自分のお客様の基本情報もメモしません。最初は単純に、メモする手間が煩わしかったからという理由だったんですけど…(笑)。結果的に僕がしたい接客の近道になっていたな、と今では思います。

そもそも、初めのうちから好きなもの・嫌いなものをメモして、「この人はこういう人だ」と決めつけることが嫌だなって。そのメモがあることで枠にとらわれて、会話も広がらない。来店毎に同じ話の繰り返しになると、お客様の方も「またその話か…」とお互いに悪循環でしかないですよね。

実際の友達って会ったその時々で話題が変わるし、メモしなくても話して盛り上がった内容は覚えてますよね。改めてメモする必要はないって思いましたね。

サロンとの連携を円滑にし、双方に利益が還元される仕組みづくりを

――立地や単価とは関係なく、岩井さんの技術や接客に惹かれていらっしゃるお客様が多い理由がわかりました。

銀座という立地と高単価なメニュー設定により、どうしても特別感と質のあるサービスが求められますが…それらに勝るくらいの技術と接客を僕個人に求めてもらえるように、と日頃から意識して接客から施術までしています。お客様から僕自身にメリットを感じ取ってもらうことで、サロンの売上にも貢献することができますし。それは他のスタッフにも言えることだと思います。

――他のスタッフの方も含め、個々がそれぞれの実力を発揮するために意識していることはありますか?

そう思いますね。自分達が現場で感じたことを素直に伝えないとよくなっていきませんから。「こうした方がいいだろうな」とか「こうするともっと良くなるな」とか…気づいたことは、たとえ先輩でも、いちスタッフとしての意見を伝えています。

反対に、サロンワーク以外の仕事でも指示があれば積極的に関わっています。例えば、ヘアショーとか雑誌の撮影などの仕事にサロンを代表して参加したりとか。「カキモトアームズ」の人間として、企画段階から演出を考えることもあります。SNSで集客のためにインフルエンサーの方達に依頼したのも、同世代の若い層が足を運びやすくするためでもありました。

これは、サロンのためにしたことであっても自分にとってもプラスなことになっていることが多いと感じます。だからどんな仕事に対しても、いつでも全力で向き合っていきたいなと。

売れるためには「本気」で挑むことが最重要。自分にとって最適な選択肢を

「美容師にとどまらず、曲づくりや自分でファッションブランドを立ち上げるとか、何かしら作ることに興味がありますね」と岩井さん

――もちつ、もたれつな関係で共に向上してきたことが伝わってきます。どの仕事に対しても必ず何かしらのメリットがあると考えて、全力で挑むことって大切ですよね。

周りを見ていて思いますが、売れている人っていつも本気です。売れてない人は、本気を出しているのを見たことがない。変わらないのは、どこかで本気でやっていない自分を正当化するために言い訳をしていたりするんです。僕自身、やる気が出るまで言い訳していた時期がありました。

――ご自身がどちらも経験してきたからこそ、言えることと感じます。今後の展望をお聞かせください。

もともと何かを生み出すことが好き。その数ある表現方法のうちのひとつとして、今は「美容師」を選んで取り組んでいます。なので、今後はいちアーティストとして「美容師」という枠にとらわれず、活動の幅を広げていきたいと考えています。

この先ずっと美容師として活動をしていくかと言われたらまだわからないけど、自分がお客様に対して、ひとつのヘアスタイルを作り上げられることに達成感は感じていますし、楽しいので今のところ続けたいと思っています。一度始めちゃったのでやめられないなとも…。

――活動の幅を広げるにあたり、参考にしている方はいらっしゃいますか?

いないですね(笑)。今まで誰かを目指してやってきたことはありません。自分に最適な選択をその時々で選んで進んできたつもりです。「どこどこの誰のようになりたい」とか「あの人を目指してます」ってなると、もうその人と同じコースを辿ることになる。それだとつまらないなって。強いていうなら、その憧れの存在すらをも超えた新しい場所を目指したいと思っています

そのくらいの気持ちがあったほうが自分のためにもサロンの今後のためにもなるかなと。どうせ挑戦するなら新しいやり方で新しい何かを目指した方がいいと、僕は思うんですよね。

1.新規のお客様にリピートし続けてもらうための3つの秘訣

1.自分の特性を活かし、自然体でお客様と接する

2.カルテに頼らず一人ひとり向き合い、濃いつながりを意識

3.サロンのネームバリューに負けないブランディングを形成


取材・文/東菜々(レ・キャトル)
撮影/喜多二三雄

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Salon Data

カキモトアームズ メンズ専門美容室 GINZA 2 chome / 銀座二丁目店
住所:Okura House 6F(kakimoto arms GINZA 2 chome店に併設しています)
TEL:03-5761-7766
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