流行に流されず、基本を貫く姿勢で口コミ1位サロンに。ネイリスト・白川美穂さん

現在、東浦和で個人サロン「Nail Balon」を運営する白川美穂さん。ネイリスト歴20年を誇り、独立するまで勤めていた都心のサロンでは店長として活躍。関東口コミ1位の人気サロンへと成長させました。

競合店が乱立する都心において、どうやって多くのお客さまに選ばれる魅力あるサロンを作ることができたのでしょうか。前編では、白川さんがネイリストとして大切にしていることを中心に伺います。

お話を伺ったのは・・・
白川美穂さん。

22歳でアパレル業界からネイリストに転身。都内の繁盛店を経て立ち上げから携わったサロンでは、10年に渡り店長として勤務。関東口コミ1位の人気サロンへと導いた経験を持つ。42歳で独立、東浦和に開業した「Nail Balon(ネイル バロン)」は、爪に負担をかけず、個性的なアートが楽しめるとして好評。サロンワークを続ける傍ら、ネイリストを対象に技術講習やコーチングセミナーなども行っている。

Instagram:@mimiho_nail_scl(講師アカウント)

Instagram:@nail_balon(サロンアカウント)

アパレルからネイリストへ。直観を信じて転職

白川さんが手がける、アーティスティックなデザインが人気だそう

――白川さんはアパレルからネイリストに転身されたとのことですが、何かきっかけがあったのでしょうか?

当時はまだ「ネイリスト」という職業がメジャーではなかったのですが、マニキュアを塗るのが好きで、接客をしながら「この方の爪をかわいくしたら、きっともっと素敵になるのに…」と思うことがたくさんありました。

そんなときに私が働いていた商業施設にネイルブースが1週間限定でオープンして、施術を受けたら、なんて楽しいんだろう、自分もこれを仕事にしたい!と思ったんですね。その場でネイリストさんに、どうすれば自分もなれるかを聞いて、すぐにネイルのスクールを探しました

――まだスクールが少なかった時代ですよね。

そうですね。スクールも、ネイリストも少なかったので就職しやすかったと思います。
私はスクールを卒業する前に就職が決まって、最初のサロンでは約4年間働きました。

――転職されたのはキャリアアップのためでしょうか?

いえ、そういうわけでも、前のサロンが嫌になったわけでもなくて…。ネイル雑誌を見ていると、いつも目につくデザインを作っているのが同じサロンだということに気づいたんですね。

それで「ここで働きたい!」と飛び込みで面接をお願いしました

――行動力がありますね! 憧れのサロンで働いてみて、いかがでしたか?

オーナーがアーティストだったこともあり、これまでは既にあるデザインを真似するだけだったのが、オリジナリティを出していくようになりました。

また、マニキュアやスカルプよりもトリートメントに力を入れていたんですね。高価格帯のサロンで、お客さまも経済的にゆとりのある方が多かったこともあってか、アートをしたいというよりも、自爪をケアしてきれいにしておきたいという方が多くいらっしゃいました。このサロンでの経験が、いまの私の基盤になっています。

ネイルの基本であるケアに手を抜かず、お客さま目線で向き合う

ネイルはケアが最も重要!と白川さん

――直観を信じて正解だったのですね。その後、サロンの立ち上げから携わったと伺いました。

初めに勤めていたサロンで指名してくださっていたお客さまのお友達がサロンを開くことになり、ネイリストを探していると声をかけてくださって、店長を務めることになりました。直接指名をいただいたわけでもないわたしのことを思い出していただいて、本当に嬉しかったですね。

――こちらのサロンを、予約サイト関東口コミ1位に導いたとのことですが、どうやって実現されたのでしょうか?

どんなに時代が変わっても、「ネイルの基本はケアにあり」というポリシーを貫いたことでしょうか。当時、多くのサロンでは「ジェルネイルにはドライケア」という考え方が当たり前になっていましたが、私は以前から変わらずウォーターケアにこだわって、どのプランにも必ず付けていました。

ウォーターケアはドライと比べて時間はかかりますが、余分な甘皮や角質をしっかり取り除くことができますし、仕上がりも断然美しくなります。細かいところかもしれませんが、お客さまは見てくださっているんですね。こうした差がリピート率や口コミにつながったのではないかと思います

――なるほど。ケアの手間や時間を惜しまないことが結果として売り上げに大きく影響するんですね。

それから、メリットもデメリットもきちんと伝えることを心がけてきました。多くのお客さまは、ジェルにはどんな種類があるかをご存知ありません。なので、例えば「今日はパラジェルを使いました。これまでよりも爪に負担をかけない状態で塗ったので、もしも長く保ったらお客さまの爪にはパラジェルが合うと思います。そうしたら今後、当店以外のサロンに行かれる際も、パラジェルを扱っているお店を探してくださいね」というように、サロンの利益ではなく、お客さまにとってベストな施術を最優先に考えています

ネイリストから見たら、大勢いるお客さまの中のひとりかもしれませんが、お客さまにとっては自分の大切な爪を預けるひとりのネイリスト。常にお客さまと同じ視点で接することを意識しています。

後身が育成できたのを実感し、独立開業に踏み切った

お義父さんが床屋を営んでいた場所にサロンをオープン

――2020年に独立されたのは、何かきっかけがあったのでしょうか?

数字が苦手ということもあって、独立は考えていなかったんです(笑)。それが、ある日突然、自分でサロンを経営している姿が想像できたというか。2人目を出産するために産休に入ったタイミングで、「私がいなくてもちゃんとお店が回るな、もう大丈夫だな」と思えたことが大きかったかもしれません

――計画的ではなかったということは、物件探しなど大変だったのでは?

実はこのサロンは、以前亡くなった義父が床屋さんをやっていた場所で、15年ほど空きスペースになっていたんです。それを義母が使ってもいいよと言ってくれて。

水回りなどの環境も整っているし、もともとネイルの道具は揃っていたので、それほど開店資金はかけずに済みました。

――独立後の集客はどうされているのでしょう?

初めの頃は有料広告を出していましたが、今はその必要もなくなりました。ちょっと意外かもしれませんが、飲食店だったり、リフレクソロジーサロンだったり、地元のお店に個人的に通っているうちに仲良くなって、ご紹介をいただくことが多いんですよ。

前のお店からのお客さまもいらっしゃいますし、ほとんどのお客さまがリピーターの方です。オリジナリティのあるアートを提案していることや、お客さまの年齢層が比較的高いことも、リピート率の高さに繋がっているかもしれません。やっぱり、年齢が上がるほど、安心して任せられる人にお願いしたいという思いがあると思うんですね

先ほども言ったように、私が大切にしている「ていねいに時間をかけてケアをする」というスタイルが、お客さまとうまくマッチしたのかなと思っています

多くのお客さまに喜ばれ、リピート率を上げる3つのポイント

1.ネイルの基本であるケアに力を入れる

2.常にお客さまと同じ視点で施術を行う

3.目先の利益を追わず、自分がラクな方法は選ばない

後半では、自宅サロンや、最近力を入れているというセルフコーチングセミナーについて伺います。お楽しみに。

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Salon Data

Nail Balon
住所:埼玉県さいたま市緑区東浦和3-18-20
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