お客様が目の玉飛び出ちゃうような動画を作る。le chocolat latte片野祐貴さん♯2
le chocolat latte上大岡駅前店 店長の片野祐貴さんは、インスタで脱白髪染めハイライトを個人発信し、売上が倍増!前編では、73.2万回再生の記録もあるバズリ動画の法則についてお伺いしました。
この後編では、片野さんが考えるバズり動画の作り方について教えていただきます。白髪率が高いお客様が来店すると、バズリの予感がするという片野さん。動画作成においては、お客様に分かりやすい動画にすること、自分にファンがつくように人間性も見せることなどを意識しているそうです。
お話を伺ったのは…
le chocolat latte上大岡駅前店
店長 片野祐貴さん
ドラマ「ビューティフルライフ」を観て美容師に憧れ、群馬県美容専門学校に入学。卒業後、ヨコタコーポレーション入社。6年間アシスタントを務め、28才で遅めのスタイリストデビューを果たす。4年前からle chocolat latte上大岡駅前店に勤務し、後に店長に就任。店舗の売上を伸ばすためには、個人の売上を伸ばすしかないと、インスタグラムで脱白髪染め発信。2021年、投稿がバズリ、売上倍増を果たす。
片野祐貴さんのInstagram:@katayu1204
まねから入って、どんどん自分のスタイルを作っていけばいい
――バスりを狙うためにどんな工夫をしていますか?
まずは、誰に向けて発信するかを明確にすることが大事だと思います。集客したいのか、またはレシピを見せるなど美容師に向けての発信なのか、それから自己満足であげるとかいろいろあると思うんですけど、僕は集客をしたかったので、完全にお客様向けです。お客様が見たら、目の玉飛び出ちゃうくらいびっくりするような動画を作ることを意識しています。
――どんな内容だと、お客様の目の玉が飛び出ちゃうんですか?
無数に並ぶ動画の中で埋もれないためには、やっぱり目立たないといけない。そもそも美容師の投稿は数が多すぎて埋もれがちなので、常に新しいデザインや新しい発信の仕方を考えていくことが必要だと思います。
そのためには、白髪率も重要。インスタ目線でいうと、白髪率10%くらいの方だとちょっと微妙ですが、真っ白な髪の人が来たらお客様には申し訳ないですけど、シメシメと思っちゃいますね。これはバズるなと。
――なるほど。白髪率の高いお客様の投稿を完全にバズらせるために、意識していることはありますか?
撮影するときに、光の入り方を意識しますね。光の当たり方でハイライトの見え方が結構変わってくるので。自然光が入る時間帯なら、なるべく自然光で。画角(アングル:写る範囲の広さ)と角度も重要だと思います。スタイル全体を見せたいときは引きで撮るし、どこを見せたいかで撮る角度を変えています。上からなのか、横からなのか。
それから、画像に文字をのせる場合は、撮る前に文字を入れる場所も決めこんで、その余白も含めて撮るようにしています。インスタは画像が正方形なので、スクエアに設定して撮影すると楽ですよね。
あとは、いくつかパターンを撮っておいて、後から文字をのせることも。現在は、平均して1万回再生いくようになりましたが、どの画角だったら「いいね!」がもらえるのか、どんな投稿なら再生回数が伸びてバズるのか、一概には言えないのでいろんなパターンを投稿して試しています。
――バズリ動画を連発している片野さんにも、いまだに正解はないということですね。動画作成は独学ですか?
最初はまねから入りました。僕より前に脱白髪染めをやっていていいなと思った美容師さんや、単純にフォロワーの多い美容師さんの投稿を見て、まずはまねしてみるんです。画像や動画の撮り方、画角、文字の入れ方とかすべてをまねしてみる。
他の人の投稿を使うのはタブーだと思いますが、参考にして、自分なりにアレンジするのはいいと思うんですよね。まねしていく中で、自分なりに気づいたことを変えてみて、自分のスタイルを作ってきました。
――参考にしたのは、どんな方の投稿ですか?
やっぱり見やすくて、分かりやすい方ですね。1枚目の画像に惹きつけられて、スクロールすると画像と文字があって、ああなるほどみたいな。お客様にも分かりやすいだろうし、そこから予約につながればいいなと思っています。
――どんなアプリを使っているんですか?
以前は「InShot」というアプリで動画を作っていましたが、なにかで美容師さんが使っているというのを見て、いまは文字入れ加工アプリの「Phonto」を使っています。とにかくフォント数が豊富なので、文字入れ機能をよく使う人にはおすすめです。
バカですよ~っていうところもちょこちょこ見せる
――片野さんの投稿スタイルの特徴はどんなところですか?
「脱白髪染めの美容師=片野さん」と思ってもらうために、自分にファンがつくように意識はしています。技術だけじゃなくて人間性も見てほしくて、投稿で自己紹介してみたり、ナスの着ぐるみつけたり、ONE PIECEが好きなのでルフィーのマネしてみたり。ちょっと嫌らしいかもしれないけど、バカですよ~っていうところもちょこちょこ見せるようにしています。そうすると、いつの間にか「いいね!」が増えていたりするんですよね。
はじめてご来店されるお客様には、プロフィールのイメージと雰囲気が違うとよく言われます。デビューしてからずっと、片野さんにやってもらいたいと思ってもらえるようになりたいという気持ちはあったので、技術じゃないところで個性を出すことも意識しています。
――スタイリストデビューまでに時間がかかったことが、現在教育部での指導に役立っているという投稿がありました。
自分、不器用だったんですよ。高倉健より(笑)。なかなか試験に合格できずに、後輩に抜かされ、試験管が後輩になり。いままでたくさんつまづいてきたので、つまづき方の引き出しが多いんですよね。つまづいている後輩に、「何で分かんないんだよ? 何でできないんだよ?」と言う先輩って多いと思うんですけど、僕はそうは言いません。この子も自分と同じだなって後輩の目線に合わせられることが、いま後輩を教育するにあたってすごく役立っています。ただ、いまの子たちは、当時の僕よりも断然器用なんで、僕の出番がないんです。僕と同年代だったら、絶対抜かれているんでしょうね(笑)。
――最後に、今後の目標を教えてください。
単純に個人の売上だけを見たときに、たぶんインスタに投稿しなくても固定客は来てくれると思うんですよ。でもいまだに新規の方が来てくれるので、いずれ後輩にバトンタッチできるように繋ぎ止めておければと思っています。いまは独立しようとは考えていなくて、脱白髪ぼかしをメインにハイライトやバレイヤージュで知名度が上げられたらいいなと思っています。
片野さんが考えるバズり動画の作り方
1.ターゲットがお客様であることを明確にする。
2.白髪率が高いお客様をモデルにする。
3.光・画角・角度・文字入れを工夫する。
4.フォロワー数の多い人のまねをして、そこから自分の投稿スタイルを作る。
5.自分にファンがつくように人間性も見せる。
コンテスト終了後の夜間帯に、今回の取材に応じてくださった片野さん。コンテストの結果を伺うと、入賞程度と謙虚な片野さんですが、高倉健より不器用(笑)で、後輩に抜かされても、試験管が後輩になってもクサらず、鍛錬してきたからこそ、日の目が見れたのだと思います。インスタ集客で悩んでいる方は、「自分がふたり欲しい」という超売れっ子の片野さんが実践するバズリ動画の作り方をぜひ参考にしてみてください。