肌だけでなく体の内側や心にも働きかけ、個へアプローチSLOW beauty&relaxing 信川麻衣さん♯1
自由が丘の喧騒を抜けた先にあるプライベートエステサロンSLOW beauty&relaxing。代表の信川麻衣さんによる施術は、肌質改善とリンパマッサージがメイン。フェイシャルケアだけでなく、体の内側や精神面からも働きかけることで体全体のバランスを整え、個へアプローチすることを大事にしていると言います。
この前編では、個へアプローチする施術のために、信川さんが大切にされていることをお伺いしました。信川さんは、日々忙しい女性が寛げるセカンドハウスのような空間作りを心がけ、体の内側と精神面からもケアするために、カウンセリングに時間をかけているそうです。とくに心がほぐれる施術後のカウンセリングを大事にしているのだとか。
お話を伺ったのは…
SLOW beauty&relaxing
信川麻衣さん
地元・北海道で医療事務の職に就いた後、美容の道に進むため上京。エステティックスクール卒業後、大手エステサロン、フェイシャル専門店でエステティシャンとしての経験を積む。2019年にSLOWを開業。肌質改善とリンパマッサージをメインに、個へのアプローチを行う。サロンで使用している化粧品「FAITH」愛が強すぎて、プロフェッショナルアドバイザーの資格を生み出す。サロンサービスにアーユルヴェーダや中国茶も取り入れている。美容歴17年。
日々忙しい女性のセカンドハウスであるように
――まずは、SLOW開業までの経緯を教えてください。
地元の北海道で脱毛サロンに通い始めて、肌荒れもなくツルツルの肌になれたことが嬉しくて。それをきっかけに、フェイシャル、まつ毛パーマなどあらゆるサロンメニューにチャレンジしました。そのたびに自分に自信がついていくことが本当に嬉しかったんですよね。それと同時に、エステティシャンになりたいという気持ちがだんだん強くなり、上京してエステスクールへ入学。卒業後に、同系列の大手エステサロンに就職しました。
当時はメタボリックシンドロームが問題になっていた時代で、運動する時間がないけれど、きれいに痩せたいという男性のお客様をメインに施術していました。マナーも施術もたくさん学べて、とても勉強になった期間ではありましたが、元々目指していた自分も楽しめるような施術がしたくて、そこは1年の契約期間終了と同時に退社しました。その後、女性専用のフェイシャルサロンに転職。現在の主人との結婚や転勤で美容から離れた時期もありましたが、またエステティシャンとして再開しました。
――再開後は、どんなエステサロンで働いたのですか?
ベッド2台でエステティシャン2人体制のフェイシャルサロンでした。大手にいたときとは違って、こうしたい、ああしたいという希望がお互いにどんどん出てきて、その都度ふたりで話し合って決めていたのですが、目指す方向性が違ってきて、2019年に独立することになりました。
ベッド2台のサロンでもプライベート感は確かにありましたが、エステサロンに行くというよりは、セカンドハウスで友だちとなんでも語り合えるような空間を作りたくて。日々忙しくされている女性のセカンドハウスであるように、ゆっくりリラックスしてほしいというコンセプトで「SLOW」を開業しました。
メニューの柱は、肌質改善とリンパマッサージ
――サロンのメニューはどのような内容ですか?
施術のメインは、肌質改善とリンパマッサージです。初めての方におすすめしているのは、フェイシャルとデコルテまでのトータルプラン「skin&relax(90分)」。肌質改善のフェイシャルにはFAITHを使用しています。FAITHは、世界初の生コラーゲン浸透技術を用いて、角質層から肌を整えるラメラ美容法を基盤にした無添加スキンケア。それにリンパマッサージを組み合わせた、美肌とリラクゼーションの融合コースです。
――リンパマッサージを取り入れている理由はどんなところにありますか?
いちばんのメリットは、リンパをしっかり流すことで化粧品の吸収が良くなることです。お客様は、ご自分ではなかなか抜ききれない力が抜けてリラックスできますし、お客様との距離感が近くなることもメリットのひとつですね。
リンパマッサージは、お客様の眠りを妨げないような軽いタッチで行うので、眠りからさめたときにはお肌ツルツル、身体は元気。翌日はメイクノリもいいし、「明日からまたがんばろうという気持ちになれる」と言ってくださるお客様も多いです。
外側からだけでなく、体の内側と精神面からのケアも
――肌だけでなく、体の内側からのケアも重要視されているそうですね。
これまで17年間、美容に携わってきて、外側からだけではどうしてもきれいになりきれない部分があるなと感じていました。例えば、肌質に合った化粧品を使って3ヶ月間施術をしても、どうしてもニキビが治らないお客様がいらっしゃったんですね。その方に普段の生活を聞いてみると、「すごくいいスキンケアを使っているから食事は手を抜いてしまっていた」ということでした。
そういったケースでは、カウンセリングの時間を1時間くらい長めにとって、一緒に生活習慣を振り返っていただき、改善点を考えていきます。食事や運動、入浴、冷えの原因になるような生活習慣がないかどうかなど、アドバイスシートに記入しながら、「次からこうしてみましょう」とご提案させていただきます。施術後は、心もほぐれて話しやすくなっているので、アドバイス多めのカウンセリングは施術後に行うようにしています。
――個へのアプローチはカウンセリングが重要ということですね。では、精神面からのケアとはどういうことでしょうか?
内面からのケアと重なる点もがあるのですが、肌がきれいになりたいからエステサロンに任せればいいやというスタンスでは、結果が出にくい場合があるんですね。施術中の会話から、お仕事が過酷でネガティブになっているせいで、この場所にニキビができているんだろうなと予想はできるのですが、あえてそこは指摘せずに、「私もこれを愛用していて、肌がこんなふうに変わりました」と自分の経験談も交えながら、毎日のスキンケアは、ご自分のお肌を労わる楽しいものとお客様がイメージできるようなお声がけを心がけています。同じ化粧品を使うにしても、気持ちの持ちようで効果がまったく変わってくるんですよ。
信川さんが個にアプローチするために大切にしていることは
1.セカンドハウスのように寛げる空間をつくる。
2.施術のメインは、個に合わせた肌質改善とリンパマッサージ。
3.長めのカウンセリングで、身体の内側と精神面からのケアも行う。
後編では、サロンで使用している化粧品「FAITH」愛が強すぎて、メーカーに公認プロフェッショナルアドバイザーの資格を作ってもらうように働きかけたこと、コロナ禍で施術ができなくても化粧品の売上で黒字経営ができたことなどについてお伺いします。
取材・文/永瀬紀子