「仕事<プラベートを大事に」働きやすい環境を提供することで、お客様の満足度もかなえる【美容師・経営者 藤山ショウタさん】#2

FCの経験を経て、北海道に4店舗もの美容室を展開した、美容師・経営者の藤山ショウタさん。北海道での美容室の概念を刷新させるべく、経営・教育に力を入れており、デビューから1、2年で指名売上200万を超える社員を次々と生み出しています。その秘訣は、独自のカリキュラムや藤山さんの想いによるものが関係しているよう。

前編では美容師に進んだきっかけや店舗展開までの道のり、各店舗の特徴を伺いました。後編は、社員の教育・育成面について。過去に、過酷な労働を経験した藤山さんだからこそ展開できた育成カリキュラムや社員を教育する際に大事にしていること、社員に求めていることにフォーカスした話をお聞きします。

お話を伺ったのは…

美容師・経営者 藤山ショウタさん

幼少期より美容師を志す。専門学校卒業後、地元・札幌にある美容室を2店舗経験したのちに独立。個人事業主を経て、30歳で株式会社69を設立し、代表に。現在は、北海道を拠点に4店舗の美容室を展開し、いずれも高評価を得ている。また、20代の社員にして、月間指名売り上げ200万円を獲得させる敏腕経営者としても活躍しており、社員からの信頼も厚い。

予約サイトで高評価&社員の個人最高売上が続々と。双方のメリットを考えた店舗展開

月一ノルマの成果を見せる、作品撮りの様子

――いずれの店舗も予約サイトなどで高い評価や口コミを獲得しているようですが、その秘訣は?

うちの会社では髪の毛だけじゃなく、服装やメイクなども含めたうえで、ひとりの女性像をつくり上げる意識を持つようにと、伝えています。なので提案力がかなりありますから、それが秘訣だと感じますね。

――どのように伝えているのですか?

僕は、一人ひとりに満足できる施術を提供するためにはトータルバランスを見ることが必要だと思っています。人をプロデュースするには、まずは自分磨きからと考えているので、社員同士でファッションチェックなどをするように習慣づけてもらい、感覚を身につけてもらっています。自分にこだわれない人は他人にもこだわることができないですからね。

あとは、実践メニューにも力を入れています。毎月、一人ひとりに複数のスタイルを提案して作品撮りをするノルマを課していて、どの美容室よりもその回数は多いと思っています。その分お客様満足度など、評価に還元される率も上がりますよね。

――その成果なのか、個人売上で200万円を達成する社員さんが多くいらっしゃるようですね。独自で行っている育成方法や教育方針について詳しくお聞かせください。

まず、うちは内定が出るのが2年生の4月と早くて、在学中からすでに研修を始めるようにしています。卒業するまでの1年間で、美容師1年目のカリキュラムをすべて終わらせるので、入社した途端からシャンプーやカラー塗布などができちゃいます。

――早めに進めるのは何か理由があるのですか?

今の子って、昔よりもSNSの発展の影響なのかセンスと知識量がすごいんです。それを活かすためには長い下積み経験とかをさせるよりも、デビューさせた方が効率がいいと思っているので、1年半くらいのアシスタント期間を終えたら、まずはカラーリストとしてデビューさせます。

最初はほぼモニターサロンとして稼働している店舗からスタート。ここでカラーを極めながらカット練習も並行して行ってできるようになったら、ジュニアスタイリストに昇格。そしてある程度売上が立てられるようになったら、次の店舗に異動…という風にどんどん店舗を異動してステップアップしていくイメージです。実際に今展開している4つの店舗は、その意図を加味して、価格帯もターゲットもバラバラになるようにしました。

――なるほど、お客様だけではなく、社員のステップアップも含めて店舗展開を考えられたのですね。

そうですね。技術料金と年齢をステップアップ方式にしていくと、施術する美容師とお客様との年齢にも差が開くことが少なく提案もしやすいため、自然に昇格できるスピードも上がると考えました。入社する社員のほとんどが20代なので、技術や経験がないうちから自分より上の世代を施術することってけっこう難易度が高いことも受けて、いい制度かなと。

仕事<プライベートで、仕事のモチベーション・効率アップを図る

独自の方針は採用時にも。採用で面接がない代わりに審査期間内で1冊の「ドリームノート」を作成させるんだそう。「それぞれ好きなものや生い立ちを自分なりの表現をしてもらいます。面接でうまく自分を表現しきれない人のことを考えて施工した策です」。と藤山さん

――デビューしてからも手厚いサポートが受けられるようですね。では、社員に求めていることはなんですか?

ロスターオープニングメンバーは今も健在!

仕事も大事ですが、それよりも個人の幸せを優先してほしいと思っています。どの仕事でもそうですが、プライベートって仕事を理由に疎かにされがちじゃないですか。でも僕は、そこの充実度が高ければ高いほど仕事にも直結してくると思うんですね。自分が常にベストなコンディションでいれば、お客様にも満足な施術が提供できる。そのために会社としてできることをしていくつもりです。

最近だと、社員の声を聞いて要望に応えたのは新たな店舗展開について。今年は新たにrostarで今一番売れっ子のふたりの女性の要望を反映させた店舗をオープンさせる予定です。家族がいてある程度バリバリ働いてきたふたりなので、そろそろ働き方に変化がほしいとのことなので、プライベートサロンのような空間を想定しています。何より、札幌では女性が独立して営業している美容室がほぼないと言える中での挑戦ということもあり、期待大です!

あとは、現在挑戦中の試みもあって。違う業種にチャレンジをしたいと言われたので、カフェ・バーを併設したいろんなイベントが開催できる店舗も実現できたらいいなと考えているところです。懸念点である売上は僕が立てるので、他は自由にやらせてみようという感じです。

何よりも大事なのは社員がいきいきと働けること。そのために、柔軟に耳を傾けて実行に移すことをモットーにしていますね。

――そんなに寄り添うことができるのは、何かきっかけがあったのでしょうか?

こう思える経緯は僕が美容師になりたての頃にできなかったことで、したかったことだからです。最初の美容室での辛い経験が貴重なことだったと思えますよ(笑)。

あともうひとつ、社員には自分よりも人のことを考えられる人になってほしいです。やはり人を相手にする職業ですから、美容師として一人前になる前に人として素敵な人になってほしいですよね。

――では、今後の目標をお聞かせください。

僕が今年で35歳になることもあり、そろそろ新卒で入社してくる子たちと年齢が離れてしまうフェーズにいます。そうなると、僕の考えとか人柄や想いが伝わりにくくなることの危うさを感じていて。それを脱しようと今考えているのが、会社の理念の再構築と幹部の育成です。実は、会社を設立する際に理念をしっかり決めていたわけではなかったので、いよいよ会社っぽくしていかないとという気持ちです(笑)。だんだん次世代に受け継ぐための準備もしていこうと計画中です。

地方で売上と好評価を得られた3つの秘訣

1.土地に住んでいるターゲット層の特徴を分析して、店舗を展開

2.トータルプロデュースを意識した施術を行う

3.社員の要望を受け入れて、連帯感と達成感を与える教育を


取材・文/東菜々(レ・キャトル)

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Salon Data

株式会社69
rostar(ロスター)
住所:北海道札幌市中央区南1条西5丁目16番地 プレジデント松井ビル100 2F
電話:011-211-6779

 

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