美容師のアシスタントとは? どんな仕事をするの?|フリーランス美容師に雇用される場合の注意点

「美容師になってお客様を笑顔にしたい」と考えて、美容専門学校へ通っている人も多いでしょう。お客様へすべての施術をおこなえる美容師はスタイリストと呼ばれます。しかし、このスタイリストになる前に、まずはアシスタントからはじめることがほとんどです。

ここではアシスタントの仕事や、スタイリストになる具体的な方法、さらに急増中のフリーランス美容師に雇用されるときの注意点などもご紹介します。

美容師のアシスタントとは?

美容学校を卒業して国家試験に合格したら、いよいよ美容師として働けます。しかし、ほとんどのサロンではいきなりお客様への施術はできず、まずはアシスタントからスタートします。

アシスタントとは見習い美容師であり、それぞれの施術についてじゅうぶんなスキルを習得するまでは、お客様への施術ができません。サロンの雑務をこなし、先輩スタイリストの補助をしながら、美容師のノウハウを学びます。

アシスタント期間にスキルアップし、カットまでの技術を習得すると、全施術をお客様へおこなえるスタイリストとなれます。

では、アシスタントは具体的にどのような仕事をするのでしょうか。以下で詳しくご紹介します。

アシスタントの仕事内容を紹介

美容師の仕事といえば、カットやカラー、パーマなど、お客様への施術を思い浮かべますが、実はそれだけではありません。掃除や洗濯、受付や接客など多岐にわたります。

アシスタントの仕事は、おもに「スタイリストのサポート」「接客、受付対応」「掃除や洗濯など店内の雑務」の3つです。ここでは、それぞれの仕事内容について詳しく説明します。

スタイリストのサポート|シャンプー・カラーなど

見習いであるアシスタントは、スタイリストの補助としてお客様への施術を手伝います。具体的にはシャンプーやブローなどカット以外の施術のサポート、パーマ液やカラー剤の準備、用具の片づけなどです。

最初は指示を受けながらおこないますが、慣れてきたらスタイリストの動きを見極めて、状況に応じて能動的に判断し行動することが求められます。

接客対応|受付対応など

受付業務や電話対応、飲み物の提供、お見送りなどの接客も、アシスタントの大切な仕事です。美容師にとって、お客様とのコミュニケーションは重要なスキルといえます。

アシスタント時代には、施術だけでなくお客様を飽きさせない話術や気遣い、魅力的な笑顔などにも磨きをかけましょう。スタイリストとしてひとり立ちしたときに、多くのお客様に愛される美容師になれるはずです。

店内雑務|掃除・洗濯など

店内の掃除やタオルの洗濯・店販商品の在庫管理・買い出し・SNSでの発信やビラ配りなどの雑務も、アシスタントの仕事です。一見地味な仕事ですが、美容院の運営には欠かせません。

とくにフロアやトイレの汚れ、不潔なタオルなどは、お客様からのクレームに直結します。また在庫管理やSNSでの発信のノウハウを習得することは、将来店舗を任されたときに役立つでしょう。

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アシスタントのお給料はどれくらいなの?

勤務地や店舗にもよりますが、アシスタントの給料はおおむね20万円前後が相場です。

美容師・理容師の平均給与が25万4,800円(厚生労働省令和3年度「賃金構造基本統計調査」より)ですから、「スタイリストと比較して低く設定されている」といえます。

アシスタントは、スタイリストになるために腕を磨く修行期間だと割り切って捉えましょう。

こちらの記事で美容師アシスタントの給与について詳しく解説しています。

美容師アシスタントの給料はどれくらい? アシスタントから始めるキャリアプランを紹介

こちらの記事で美容師の平均年収について詳しく解説しています。

美容師のお給料はどれくらい? 平均年収は?|収入アップを目指すにはどうすればいい の?

アシスタントが大変と言われる理由とは

アシスタントがたいへんだといわれる理由はおもに2つです。

1つ目には、給料が安いという理由が挙げられます。上述したように給料が低く設定されているうえ、練習用の材料費や講習代などを自費で支払わなければならない場合があるからです。

2つ目は、拘束時間が長いという理由です。開店準備や閉店後の片づけを任されるうえ、業務時間外にカット練習や講習への参加があるため、拘束時間が長くなる傾向にあります。

スタイリストとしてひとり立ちすれば、これらの点は解消されるでしょう。

アシスタントからスタイリストになるには?

アシスタントとして、ただなんとなくで働いていてもスタイリストにはなれないでしょう。スタイリストになるには、毎日の業務のなかで美容師としての技術やスキルを磨き、それぞれの店が設定する昇格テストをクリアする必要があるからです。

ここではアシスタントがスタイリストになるまでの過程を、詳しく説明します。

スタイリストデビューまでにはどれくらいかかるの?

アシスタントの期間は個人の技量や店舗によって異なりますが、アシスタントがスタイリストとしてデビューするまでの期間は、一般的に3年程度です。

サロンごとに設定している細かなカリキュラムをクリアすると、スタイリストに昇格できます。早くひとり立ちしたい場合は、短期間で即戦力になれる、研修制度が整ったサロンを選ぶとよいでしょう。

スタイリストになるにはどうすればいいの?

アシスタントを卒業してスタイリストとしてデビューするには、「スキルを磨いてサロンの技術基準をクリアする」「サロンの昇格試験に合格する」の2つを満たす必要があります。それぞれの内容について詳しく説明します。

スキルを磨いて技術基準をクリアする

スタイリストになるために求められる技術基準は多岐にわたり、サロンによって異なります。技術基準の例を具体的に見ていきましょう。

入社3カ月ごろまでに設けられる技術基準は、「笑顔の接客や受付け」「ミスのない会計」「ていねいな掃除」「スムーズな道具の準備」「シャンプー、マッサージ技術の習得」「カラー剤の塗布」などです。

入社1年ごろになると、「ブロー、スタイリング技術の習得」「縮毛矯正の習得」「お客様との円滑なコミュニケーション」が必要とされ、入社1年半では、「パーマ技術の習得」「ヘアセット技術の習得」が求められます。

入社2年の技術基準は、「カット技術の習得」「着付け技術の習得」「メイク技術の習得」「お客様へのカウンセリングスキル」などが設けられ、徐々に一人前のスタイリストとしての業務をおこないます。

入社3年では、「高度なカット技術の習得」「お客様へ提案スキル」が必要とされるでしょう。

昇格試験に合格する

スキルを磨いて技術基準をクリアしたら、いよいよ昇格試験です。試験の内容はサロンによってさまざまですが、一般的にはモデルを用意してお迎えから施術、会計、お見送りまでの流れを実際におこないます。

審査するのはオーナーやマネージャー、店長、トップスタイリストなどで、「技術レベル」「センス」「施術の速さ」「接客」などを評価します。

合格すればスタイリストとなりますが、「ジュニアスタイリスト」という期間を設け、かんたんな施術からデビューさせるサロンも少なくありません。

フリーランス美容師と雇用契約する時に気をつけたいこととは?

働き方が多様化し、フリーランスのスタイリストが増えてきました。それにともない、アシスタントの働き方に「フリーランスと直接雇用契約を結ぶ」という選択肢も登場。ここでは、アシスタントがフリーランスの美容師に雇われるときの注意点をご紹介します。

雇用される時に気をつけたい2つのこと

雇用主がフリーランスの場合は、トラブルを避けるためにもしっかりと契約を結ぶ必要があります。ここではフリーランスに雇用されるときに気をつけるべき「労働契約書の作成のしかた」と「雇用主に提出するべき書類」について説明します。

労働契約書を作成しよう

トラブルを避けるために、きちんと労働契約書を作成して、雇用主となるスタイリストと交わしましょう。

「労働基準法」では、契約書に記載する内容を以下のように定めています。

・契約期間/契約更新基準
・勤務地
・業務内容
・契約期間
・就業時間(始業終業、休憩、残業の有無、交代制のルールなど)
・休日、休暇について
・給料(計算、支払い方法、支払日、昇給など)
・退職の規定

もれなく書類を提出しよう

サロンに就職するときと同様に、フリーランスに雇われる場合も社会保険に加入することになります。

以下は社会保険や納税などの手続きに必要な書類です。漏れのないようにチェックして、雇用主となるスタイリストに提出しましょう。

・扶養控除等(異動)申告書
・前職の源泉徴収
・健康保険被扶養者(異動)届け
・給与の振込先の金融機関情報
・雇用保険被保険証
・年金手帳

雇われる前に知っておきたい基礎知識

上述したように、就職する際には社会保険に加入しなければならず、納税の義務も生じます。ここでは「社会人として知っておきたい基礎知識」として、社会保険の種類や源泉徴収、確定申告などについてかんたんにご紹介しましょう。

社会保険|労働保険は加入が必須

社会保険には、以下の4つがあります。

【健康保険】
美容師が加入できる健康保険はおもに以下の3種類です。「全国健康保険協会」「国民健康保険」「全国理美容健康保険組合」

【年金】
「国民年金」「厚生年金」の2種類があります。

【雇用保険】
「失業手当」「再就職手当」などが給付される保険制度です。以下2つの条件を満たす美容師を雇用している場合、サロンの規模に関わらず、加入が義務付けられます。フリーランスの雇用主も同様です。

・31日以上継続して雇用
・1週間の労働時間が20時間以上

【労災保険】
労働者の通勤中や就労中の事故などを補償する保険です。すべての雇用おもに加入の義務が生じます。

こちらの記事で美容師が加入できる社会保険について詳しく解説しています。
美容師が知っておきたい社会保険の基礎知識|在職中・退職時に利用できるものとは?

源泉徴収|確定申告が必要になる場合とは

「源泉徴収」とは、雇用主が従業員の給与から所得税分を差し引いて納税することです。源泉徴収の対象とされた従業員は、確定申告をする必要はありません。

フリーランスに雇用されたアシスタントも源泉徴収されるため、基本的に確定申告は必要ないです。しかし以下の場合は、確定申告をしなければなりません。

・給与所得が2,000万円を超える
・副業での所得が20万円を超える
・2カ所以上から給与を受け取っている
・はじめて住宅ローン控除を受ける
・医療控除を受けたい

スキルを磨いてスタイリストデビューを目指そう!

美容師のアシスタントは、スタイリストになるための修行期間です。先輩スタイリストのサポートやサロンの雑務をこなしながら、技術を習得し成長する大切な期間といえます。

拘束時間が長かったり、給料が安めだったりする時期もありますが、頑張った先には華やかなスタイリストとしての活躍が待っています。ぜひアシスタントとしての期間を充実させて、美容師としてのスキルを磨き、スタイリストデビューを目指しましょう。

引用元
厚生労働省:令和3年賃金構造基本統計調査

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