美容師アシスタントの給料はどれくらい?仕事内容や給料アップを目指す方法
美容師を目指す場合、美容学校で学んで美容師の国家資格を取得したのち、ヘアサロンなどに就職すると言う流れが一般的です。しかし、ヘアサロンで働きはじめても、すぐにお客様のカットやパーマができる「スタイリスト」になれるわけではありません。
ほとんどのサロンでは、まずは「美容師アシスタント」からスタートし、数年ほどスキルや経験を積んで社内のテストに合格すると、スタイリストとして働けるようになります。
では、美容師アシスタントとして働きはじめたときの給料はどれくらいなのでしょうか。ここでは、給料相場や、アシスタントのランクアップの仕方・給料アップを目指す方法などを紹介します。
美容師アシスタントの給料はどれくらい?
はじめて美容師として働く場合、基本的にアシスタントからスタートし、スタイリストのサポートをしながら、美容学校で学んだ知識やスキルを実践向けに磨いていきます。もちろん、アシスタントの期間にも給料が支払われるのですが、相場はどれくらいなのでしょうか。
ここでは、求人サイト「リジョブ」に掲載される2024年1月時点の求人情報から、正社員して働いた場合の給与と、パートやアルバイトとして働いた場合の時給、そして、令和5年の「賃金構造基本統計調査」から実際の平均給与をご紹介します。
正社員の給料はどれくらい?
リジョブの求人情報を参考にすると、美容師の免許を持っている人が正社員の美容師アシスタントとして働きはじめたときの月給下限額は20万2,215円です。
サロンによっては、施術技術のランクアップに合わせた昇給や物販手当、あるいはヘッドスパやトリートメントなどの施術で指名されたときの歩合などが、給与に加算されることもあります。
そのため、場合によっては、アシスタントであっても25万円以上の給与を得られることもあるようです。
パート・アルバイトの時給相場
リジョブに掲載のある求人のなかから、アルバイトやパートで美容師アシスタントの仕事をする際は、1,067~1,338円が時給の相場です。この時給相場で、1日8時間・月に22日働いた場合、税金を考慮せずに計算した月給は、18万7,792~23万5,488円となります。
サロンのなかには、1時間当たりの客単価で歩合が発生する求人もあるようです。そのため、サロンによっては、先に挙げた時給相場を上回る可能性もあるでしょう。
美容師(スタイリスト)の給料はどれくらい?
令和5年賃金構造基本統計調査によると、「理容・美容師」がきまって支給される現金給与額の平均は27万7,600円です。年間賞与その他特別給与額の平均が6万2,300円であることから、平均年収に換算すると339万3,500円です。
ただし、記載のとおり美容師だけでなく、理容師も含まれたデータとなっています。
また、リジョブのスタイリスト(正社員)の給与月額の下限は23万1,753円・上限は41万359円と大きく差があります。
引用元
e-Stat|賃金構造基本統計調査3 一般_職種(小分類)(役職者を除く)DB | 統計表・グラフ表示
美容師アシスタントの仕事内容とは?
美容師アシスタントに、いきなりお客様のスタイリングを任せるサロンはほとんどないでしょう。多くの場合で補助業務を担当し、スタイリストが効率的に施術できるようにサポートします。
補助業務の内容は、接客や環境整備、あるいは高度な技術を要しない施術などです。美容師アシスタントの具体的な仕事内容についてご紹介します。
なお、こちらの記事でも、美容師アシスタントの仕事内容について詳しく解説しています。
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店内業務|掃除・受付対応など
営業中の店内業務では、予約管理・受付・会計・電話対応・お客様のお出迎えやお見送りなどが挙げられます。また、お客様へのドリンク提供や雑誌交換などのサービスも業務の一環です。
ほかにも施術で使う器具のセットアップなど、スタイリストの仕事をスムーズに進めるための準備も含まれます。
開店前や閉店後の店内業務では、店内の清掃やタオルの洗濯などがアシスタント美容師の仕事です。
スタイリストのサポート|シャンプー・カラーのヘルプなど
美容師免許を所持しているアシスタントは、スタイリストのサポートとしてシャンプーやヘッドスパ、カラーなどの施術を行えます。
ただし、基本的にはサロンが実施する技術チェックやテストなどに合格してからです。たとえば、お客様のシャンプーを任されるようになるには、まずシャンプーのテストに合格する必要があります。カットはもちろん、ヘッドスパ、カラー、ブローなどの施術も同様です。
なぜ? 美容師アシスタントの給料が低めな理由とは
同じ美容師の資格を持っているのに、スタイリストと比べてアシスタントの給料は低い傾向が見られました。もちろん、一般的には経験を積んでスキルが上がれば給料も上がっていきます。
しかし、なぜ美容師アシスタントの給料は、美容師スタイリストよりも低めなのでしょうか。納得して美容師アシスタントの仕事を続けるために、給料が低めな理由を知っておきましょう。
できる業務が限られているため
美容師アシスタントがおこなう業務は多岐にわたりますが、サロンで提供するメインの施術は任せてもらえません。このことから、どうしてもスタイリストよりも低めの給与が設定される傾向にあります。
基本給に指名や客単価で歩合が付くサロンもありますが、指名や客単価につながるアシスタントの仕事は多くないでしょう。そのため、「やることが多い割に給料が低い」と感じるかもしれません。
直接的には売上に貢献できないため
美容師アシスタントの仕事は、店舗業務やスタイリストの補助が中心です。これらの業務は、直接売上を作れる業務ではありません。そのため、スタイリストになるまでは給与が低めに設定されがちです。
アシスタントが経験を積んで施術ができるスタイリストになるまで、サロン側は技術指導を行います。給与以外に育成コストがかかっていることも、美容師アシスタントの給与が低めになる理由のひとつです。
美容師アシスタントからどうランクアップするの?
アシスタントとしてキャリアをスタートさせたあとは、ジュニアスタイリスト→スタイリストの順にランクアップしていくのが一般的です。さらに固定客がついてくると、トップスタイリストになるのも夢ではありません。
さらに上の役職には、店長やディレクター・オーナーなどがあります。
なお、同じ店舗に複数のアシスタントがいる場合は、アシスタントリーダーを任されることも。
アシスタントリーダーの仕事は、トップスタイリストのヘルプや、他の美容師アシスタントへの指示、新人美容師アシスタントの育成などです。ときにはネットでの集客や材料発注なども担います。
アシスタントリーダーはカットこそできないものの、サロンワークを統括する重要な役職です。その経験は、後に店長やオーナーになった際にも役立つでしょう。
ここから先は、スタイリストデビューまでにかかる時間と、それぞれのランクについて詳しく紹介します。
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スタイリストデビューまではどれくらいかかる?
美容師アシスタントやアシスタントリーダーとして働きながらスタイリストデビューをするまでには、2~4年程度かかります。
サロンによって、スタイリストになるまでの育成カリキュラムは異なりますが、施術ごとのテストが設けられ、合格したらより高度な施術のテストを受けるというのが基本です。
多くの場合、美容師アシスタントは、接客マナーなどの基礎的なチェックから始まり、シャンプー・カラー・パーマ・カットの順に施術を習得していきます。
ジュニアスタイリスト
ジュニアスタイリストとは、スタイリストデビュー間近のアシスタントを指します。高度な技術を必要としない施術をひとりで担う美容師です。スタイリストと分業してスタイリストのサポートを行うこともあります。
美容師アシスタントと同様に、育成プログラムのなかで、技術の習得度をチェックしてもらいながら、スタイリストを目指していきます。
なお、サロンによっては、アシスタント期間を終えたらすぐにスタイリストとしてデビューできるところもあるようです。
スタイリスト
サロンの育成プログラムを終えて、技術の習得度が決められた基準に到達すると、カットまでの施術をすべてひとりで担当できる美容師、つまりスタイリストとして働けるようになります。
スタイリストになれば、お客様の指名も増えるでしょう。指名の回数や売り上げがサロンで上位になると、トップスタイリストへの道も可能です。また、指名歩合が加算されるサロンであれば、給料アップも期待できます。
こちらの記事で指名される美容師指名になるための方法について詳しく解説しています。
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トップスタイリスト
トップスタイリストとは、スタイリストのなかでも群を抜いたスタイリストのことです。サロンを代表するような指名数や売上を誇る、「売れっ子美容師」を指します。通常のスタイリストよりも、指名料が高めに設定される傾向にあります。
指名数が多い分、シャンプーなどはアシスタントなどに任せて、カットなどの施術のみ行う人もいます。
店長・ディレクター
店長やディレクターの仕事は、お客様の満足度やリピート率を上げてサロンの売上や利益を上げることです。現場での施術に加えて、集客や顧客管理、勤務状況や採用・育成などを含めたスタッフ管理などが発生します。
美容師としてのスキルだけでなく、お客様やスタッフと良好な関係を築けるコミュニケーション力や、スタッフをまとめるリーダーシップなどが必要です。
こちらの記事で美容室の店長の給与相場を詳しく解説しています。
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オーナー
サロンのオーナーはサロンの代表であり、総責任者です。店長を兼ねるオーナーであれば施術も行うでしょう。店長を別に雇って経営に専念するオーナーもいます。
オーナーの仕事は、サロンの経営です。経営戦略の策定、サロンの売上や利益などの財務管理、取引先との連絡や契約、収支管理、設備なども含めた店舗管理などが挙げられます。
こちらの記事でサロンオーナーの仕事内容について詳しく解説しています。
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美容師アシスタントから給料アップを目指すには?
美容師アシスタントからどのように給料アップを目指すことができるのでしょうか。以下で詳しく紹介します。
昇格のためにスキルを磨く|技術や接客
先述したように、アシスタントはできる仕事が限られており、直接売り上げにつながる業務が少ないため、いきなりスタイリストと同じような給料をもらうことはできません。今や売れっ子スタイリストとして稼いでいる人も、アシスタント時代は同じです。
一番給料が低いアシスタントは、まずはスタイリストデビューを目指してスキルを磨くことが、給料アップの第一歩といえます。仕事を覚えたり先輩スタイリストのサポートをしたりと、多忙を極める時期ですが、営業後や休みの日には練習が欠かせません。
技術はもちろん、お客様と信頼関係を築く接客力も磨いておくことで、指名客やリピーター獲得に役に立ちます。
スタイリストデビューを早めるには?
「なるべく早くスタイリストデビューがしたい」という人は、研修や育成制度が整っているサロンを探して就職する方法があります。
3カ月間程度の集中研修を実施しているサロンなども見られるようになりました。このような研修を受けると実務未経験者はもちろん、ブランクが空いた人も短期間で技術を習得することが可能です。
もちろん、個人の習熟度も影響しますので、練習を欠かさないことも大切です。
独立・開業
ある程度経験を積んだあとは、独立・開業することで給料アップにつながる可能性もあります。独立後は、自分のお店を構える以外にも、フリーランス美容師としてシェアサロンなどで働くことが可能です。
サロン勤めのような基本給の保証はありませんが、経費を除いたお金が収入になるため、固定客が多ければ多いほど収入が上がります。
10代で人気サロンに入社し、最年少スタイリスト・最年少ディレクターデビューというキャリアを経て、24歳で独立した鈴木杏奈さんは、現在シェアサロンでフリーランス美容師として活躍しています。
鈴木さんは、リジョブのインタビューで、フリーランスを続けるにあたって必要なことについて以下のように語ってくれました。
「SNSなどで発信し続け集客に力を注ぐこと・売り上げ目標を立て、その目標を達成するためにどうしたらいいかを考えて行動することが大切です。また、お金のことも含めて、すべて自分でかじ取りをする覚悟もいります。」
引用元
「お客様一人一人にもっと向き合った接客がしたい」と独立。新規客も増え続ける現在地【フリーランス美容師 鈴木杏奈さん】#2 | モアリジョブ
より条件のいい職場へ転職する
サロンによって、月給に大きく差があるほか、歩合率や手当・賞与の有無などにも違いがあるため、より条件のいい職場を探して転職を目指す方法もあります。
また、美容師のキャリアをまだスタートしていない場合は、給料だけでなく、研修制度の内容やスタイリストデビューまでの期間がどれくらいなのかも確認したうえで、自分に合った職場を探すとよいでしょう。
キャリアアップが目指せる求人を探すならリジョブがおすすめ
美容師未経験者や、キャリアチェンジを考えている美容師が求人を探す際は、ぜひ求人サイト「リジョブ」を活用してください。
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「研修制度あり」「インセンティブあり」「独立・開業支援」など、指定できる条件が多様なため、理想のキャリアアップが目指せる求人を探しやすいでしょう。また、施設形態や客層・立地なども選べます。
アシスタントは美容師のスタートライン!スキルを磨いて理想の美容師を目指そう
美容師アシスタントは、働きながらスタイリストになるための技術を習得している段階の美容師です。美容師のスタートラインに立ったばかりで、美容師免許を持つ人のほとんどが、このアシスタントを経てスタイリストになることができます。
仕事内容はおもに、スタイリストの補助業務やサロンの環境整備業務で、いきなり一人でお客様を任されることはありません。
美容師アシスタントの給料は美容師スタイリストと比べると低めですが、努力すれば1~2年でスタイリストへキャリアアップすることも可能です。
さらにスキルを磨けばトップスタイリストが目指せるだけでなく、独立・開業したり、店長やオーナーになったりするなど進む道はさまざま。キャリアプランを立てて、スキルを磨いて着実にキャリアアップを目指していきましょう。
キャリアアップの一環としてより条件のよい職場を探したい人や、未経験でスキルを磨きやすいサロンを探したい人には、リジョブがおすすめです。リジョブは美容業界に特化しており、アシスタントやスタイリスト・サロン店長などの求人を豊富に掲載しています。
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