セラピストとカウンセラーはどう違うの?なり方や資格も紹介
世のなかにはいろいろな職業がありますが、「セラピスト」と「カウンセラー」の違いがわからないという人もいるのではないでしょうか。そこで、セラピストとカウンセラーはどんな違いがあり、それぞれの職に就くにはどうすればいいのかなどを解説します。
どちらも人から話を聞いたり相談を受けたりする仕事なので、そのような職業に興味がある人は参考にしてみてください。
セラピストとは?
セラピストとはセラピーを行う専門家のこと。悩みや困り事に対し、心身にアプローチするための具体的な働きかけをします。
医療系・ボディ系・リラクゼーション系といった種類があり、種類によってマッサージやエステ、アロマテラピーなどのケアを行うことが特徴です。
詳しくは下記ページで解説しています。
セラピーとは? 4種のセラピーとおすすめの職種を紹介 | モアリジョブ
カウンセラーとは?
カウンセラーとは、相談者(クライアント/クライエント)の悩みや不安などを「聴く」カウンセリングの専門家のことです。対話をしながら相談者に気づきを与え、解決や成長をサポートするという業務を担います。
カウンセリングは相談者本人が主体
セラピーでは、セラピストが施術などを行うので能動性があります。
一方、カウンセリングの場合は、相談者が主体になり、あくまでも相談者が自分で「どうすればよいか」という道を見つけ出すことが目的。カウンセラーは、相談者の意見をまとめるための手伝いや助言などはしますが、比較的受動的な立場です。
カウンセリングの手法の例
カウンセリングにはいろいろな手法があるので、どんなものがあるのか例を紹介しましょう。
認知行動療法
認知行動療法とは、相談者がどう認知・判断し、どのように行動するかを分析して、受け止め方を変えることによってよい循環を生み出そうとする手法。
自分が相手から責められているなどマイナスに捉えがちな部分を、そうではなく相手は自分のことを思いやってくれている、というようにプラスに捉えられると、相手に対する態度もよい方向に変わっていくと考えられています。
精神分析
精神分析は、心理学者フロイトが提唱した手法。相談者の話のなかで、本人が忘れてしまっているようなトラウマや無意識化でのコンプレックスなどを見つけ出し、解消への道を探ります。
来談者中心療法
来談者中心療法は、1940年代にアメリカの臨床心理学者カール・ロジャースによって提唱された手法。カウンセラーは相談者の話に傾聴し、すべての内容に対して受容・肯定・共感を行います。
話をするなかで相談者も自分への理解が深まり、新たな気づきを得ることができて、気持ちや行動に変化が生まれるとされる方法です。
セラピストへの相談者の特徴
セラピストのもとに相談に訪れる人には、どんな特徴があるのでしょうか。以下のような人々です。
・肉体的な不調を改善したい
・疲れを癒やして楽になりたい
・育児や仕事などで疲労がたまっている など
このような人々が、自分で整えるのが難しい部分を人(セラピスト)に改善してもらうためにやって来ます。
なお、上記のような人々が訪ねてくるため、セラピストになるのに向いている人は、人と接するのが好き・人に何かをしてあげたいなどの人です。
詳細は下記記事でチェックしてみてください。
セラピストに向いている人の特徴とは? 自分は向いている? 確かめておきたい適性をチェック! | モアリジョブ
カウンセラーへの相談者の特徴
ここでは、カウンセラーのもとに相談に来るのはどんなタイプの人なのかをチェックしましょう。
・自分に自信を持ちたい
・人から共感を得たい
・仕事で大きなストレスや負担を抱えている
・家族や友人と関係がうまくいっていない
・うつ傾向
・不安や心配事が多い など
カウンセリングを求めるのは、上記のように精神面に悩みを抱えている人が多いことが特徴です。
カウンセラーになるのに適している人
カウンセラーになる側に向いているのは、以下のような人です。
・人の役に立つ仕事をしたい
・包容力がある
・人の話にきちんと耳を傾けるのが得意
・人からの信頼を得やすい
・洞察力や幅広い視野を持っている など
当てはまるものがあれば、カウンセラーを目指してみてはいかがでしょうか。
セラピストになる方法
セラピストにもいろいろな種類があるので、どの分野でのセラピストになりたいかによって、なり方も異なります。
たとえば、医療系の場合は鍼灸師や柔道整復師などの国家資格が必要なので、資格を取るための学校や養成機関で学ばなければなりません。また、提供するセラピーの分野によっては、無資格未経験でも働ける職場もあります。
詳しく知りたい人は、下記ページもチェックしてみてください。
セラピストになるにはどうすればいいの? 資格を取得するメリットとは|おすすめ資格5選を紹介 | モアリジョブ
カウンセラーになるには?資格は必要?
カウンセラーは、資格がなくてもなれる職業です。しかし、きちんと勉強して知識を身につけることによって、より相談者も安心感を感じられ信頼してもらいやすいので、資格を取っておくことをおすすめします。
どんな資格があるのか以下で見てみましょう。
公認心理師
公認心理師は、心理学における専門的な知識や技術を所持していることを証明する国家資格。4年制大学で指定の内容を学び、さらに大学院で指定の科目を学ぶ、もしくは卒業後に特定の施設で2年以上の実務経験を積むなど、受験までの道のりがいくつかあります。
心理系唯一の国家資格であり、取得によって、相談者の心理状態を観察・分析したり、適切な助言や援助を行ったりすることができると認められるので、カウンセラーの仕事を極めたい人におすすめです。
臨床心理士
臨床心理士は、日本臨床心理士資格認定協会が認定する資格。指定の大学院を修了している・医師免許を持っており2年以上の臨床心理経験があるなど、高い受験資格が求められます。
取得後は専門職として公立学校に配属されることもあるなど、信頼性の高い資格のひとつです。
メンタルケア心理士
メンタルケア学術学会・生涯学習開発財団・ヘルスケア産業推進財団の3つが認定する資格。日本こころ財団が実施する「こころ検定2級」資格を所持しており、所定の課程を学んだ・所定の資格を持ったなどの条件に適合する人が受験可能です。
試験では精神解剖生理学・精神医科学・カウンセリング基本技法について問われ、真のメンタルケアのプロを目指せます。
セラピストやカウンセラーになって活躍しよう
セラピストもカウンセラーも、人の悩みなどを受け止める仕事という意味では共通しています。セラピストは自らが能動的に治療や施術を行い、カウンセラーはあくまでも相手を主体にして、根気強く話を聞きながら解決に向けたサポートをする仕事です。
どちらも人の助けになる職業なので、自分に向いていると感じたら、ぜひ目指してみてはいかがですか。
引用元
公認心理師 |厚生労働省
臨床心理士になるには | 公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会
受験資格 | 公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会
臨床心理士とは | 公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会
メンタルケア心理士(R)認定試験について|メンタルケア学術学会