ひとりひとりを大切にしたオーダーメイドの施術と接客で、リピーターの絶えない人気サロンに急成長中Air Daisies櫛原悠里さん♯2
元CAの接客術とグルーミングチームで培った美容技術を武器に、エステサロンを開業した櫛原悠里さん。前編では、CAからエステティシャンになるまでの経緯と、一切勧誘をせずにリピーターを作る技を教えていただきました。
この後編では、ひとりひとりを大切にした施術と接客術について伺います。櫛原さんは、良いものを提供したいという一心で、メニューもマシンも材料も常に進化させています。さらに、同じマシンでも、ひとりひとりに合わせて使い方を変える「オーダーメイド」な施術を提供。スキンケアへの関心が高い男性客も視野に入れた人気サロンの作り方を教えていただきます。
お話をお伺いしたのは…
Air Daisiesオーナーエステティシャン
櫛原悠里さん
元CA。航空会社で搭乗業務と並行して、スキンケアやメイクをＣＡにアドバイスするグルーミングチームに所属。コロナ禍で9年間務めた航空会社を退社。2021年、それまでの接客と美容の経験を活かし、小顔ハイフとハーブピーリングに特化したプライベートエステサロンAir Daisiesを表参道にオープン。CA時代の人脈と経験を糧に、進化し続けるサロンを運営｡
ひとりひとりの顔を最大限美しく見せるオーダーメイドハイフ
よりよいものを提供したくて、現在のハイフはすでに4台目。
――小顔ハイフとREVIハーブピーリングに特化している理由を教えてください。
実際に施術を受けてみて、効果があったのが小顔ハイフとREVIハーブピーリングだったんです。常によいものを提供したいという気持ちが強いので、現在も気になるエステがあれば行ってみて、新しい施術やマシンを体験することは欠かしません。
顔のリフトアップに関してはハイフがいちばんだと思っているんですが、メーカーや種類によって作用もさまざま。ここをオープンしてまだ2年目ですが、ハイフのマシンはすでに4回チェンジしています。いまのマシンは、効果や安全性から総合的に判断して、医師監修による国産のものを使用。消費者庁へのクレームもゼロなんですが、来月、より安全で良いものに替える予定なんです。
――「オーダーメイドハイフ」とうたわれていますが、これはどういうものですか？
ハイフも打ち方でさらに作用が変わってきます。自分が施術を受けたときに、あまり細かいことを考えずに打たれているなという印象を受けたので、サロンではお客様のお顔がいちばんきれいに見えるように、おひとりおひとり丁寧に打つようにしています。そういった意味で「オーダーメイドハイフ」とうたっています。
例えば、頬がこけている方はその部分には打たないほうが美しく見えますし、年齢差も左右差もあります。もちろん最初にその方が気になるところをお聞きして、それプラス、どこに打ったらその方のお顔が美しく見えるかを見極めていきます。そのために、ジロジロは見ませんが（笑）、おひとりおひとりのお顔をていねいに観察するようにしています。
――お客様をきれいにしたいという姿勢がすごく伝わってきます。二大メニューのもうひとつ、REVIハーブピーリングにはどんな特徴があるのですか？
陶器肌になれるREVIハーブピーリング。
現在、ハーブピーリングは剥離しないタイプが主流です。自分でほとんどのハーブピーリングを受けてみて、その中でいちばん良かったのがREVIだったので導入を決めました。
わたし自身、ニキビ肌を指摘されることが多かったんですが、最初に肌がきれいになったのを実感できたのがハーブピーリングだったんです。一回でシミが消えたりはしないのですが、月に一度のケアでクレーターや厚みのある肌、敏感肌が改善され、陶器のように白くてつるんとした肌になれる。「陶器トリートメント」と呼ばれる理由は、そこにあります。
フラットに接することでメンズ集客にも尽力
職場でも家でもない、寛げる「サードプレイス」として選んでほしい。
――集客面で工夫していることはありますか？
まず、ひとりひとりのお客様を大切にするよう心がけています。カルテに肌質、ご来店日、メニューはもちろんですが、会話した内容も記載して、前回お話した内容を忘れないように心がけています。お誕生日には、ゴルフをやる方だったら日焼け止めをプレゼントしたり、お出しするお菓子をその方が好きなものに替えたり、ひとりひとりに合ったものを選ぶようにしています。いつもお話する方でもお客様の動作で、今日は眠そうだなと思ったら、こちらからは質問しないようにしたり、こういった心遣いはCA時代に学んだことですね。
また、リピートしていただくために、常にいいものを仕入れるようにしています。ハイフだけだと通常30分で終わるんですが、サロンではその後に美容クリームをたっぷり塗るので、施術時間が長めなんです。
そして、CAのときから肝に銘じているのは、絶対にNOと言わないことです。「できません」とは絶対に言わず、それに替わる提案をできるように心がけています。
――男性も歓迎ということですね。
CA仲間の男性に、ものすごく美意識が高い人が多かったんですね。まわりの男性の友人に聞いても、スキンケアをしているのは当たり前で、ファンデーションを塗る方もいたりと、美容に興味がある男性はかなり増えていますよね。きれいになろうとするのは素敵なことだと思うので、うちでは男性も大歓迎です。
でも予想以上に、男性不可のサロンが多いんですよね。男性OKのサロンでも、お客さんもスタッフも女性ばかりで、シャンデリアが輝くかわいい店内に入りにくそうにしているのを何度も見かけました。
――そんな中、メンズ集客のために心がけていることはありますか？
本当はかわいいものが好きなんですが、男性が行っても恥ずかしくないように、インテリアも女性っぽくなりすぎないようにしています。そして、エステがはじめての男性が圧倒的に多いので、ていねいに説明するように心がけています。その際、男性にもフラットに接するようにしていますね。「なぜいらっしゃったんですか？」などとは聞かず、女性と変わらないように接して、来店しやすい環境づくりを心がけています。ここは完全プライベートで他のお客様と会うことはないので、そこは安心かもしれませんね。
――最後に今後の展開を教えてください。
スタッフや店舗を増やさないんですか？とよく聞かれるんですが、「いまいらっしゃるお客様をきれいにしたい」という気持ちが強いので、クオリティを落とさずにこのまま続けていきたいと思っています。いまいちばん投資しているのが、材料とマシンなんですが、次は内装をちょっとずつリフォームしたいですね。
櫛原さんがリピーターの絶えない人気サロンをつくれた理由は
1.マシンも材料も良いものを求めて常に進化している。
2.ひとりひとりを大事にした施術と接客を心がけている。
3.フラットな接客でメンズ集客にも力を入れている。
勧誘は苦手で、無理に施術やケア用品をすすめることは一切ないという櫛原さん。その通り、物腰が柔らかく、お話しているだけで癒されるような雰囲気の方です。でも、「お客様をきれいにしたい」という気持ちは人一倍強く、その探求心が美容の知識と技術を常に向上させ、りピーターをつくっているのだと思いました。
取材・文／永瀬紀子
