絶対になりたくなかったエステティシャン。人生を変えるほどの可能性に気づき、肌荒れに悩む人を救うと決意「アンジェラックス」大杉みどりさん

日本の美容業界を支える企業の魅力を紹介する本企画。今回登場いただくのは1987年長野県長野市で創業し、現在はエステブランド「アンジェラックス」を6店舗、「スキンケアセンター」を3店舗、「NADESHICO SPA by ANGELUX」を3店舗運営する株式会社アンジェラックスです。

高い専門性と技術で顧客からの信頼も厚く、「エステティックグランプリ」というコンテストでは史上初となる 6度の顧客満足度全国1位を獲得したこともある実力派のエステティックサロンです。

前編では、2017年に社長に就任した大杉みどりさんにお話しを伺います。先代社長である母の忙しそうな姿を見て、絶対にエステティシャンにはなりたくないと考えていた大杉さん。しかし、壮絶な肌荒れが改善したことをきっかけに、「この技術で肌トラブルに悩む人を救いたい」とエステティシャンになることを決意したそうです。

お話を伺ったのは・・・

株式会社アンジェラックス

代表取締役社長

大杉みどりさん

美容師になるため美容専門学校に通っていた学生時代に、引きこもりになるほどの肌荒れを経験する。ある皮膚科医と化粧品「エンビロン」との出会いにより、肌症状が改善。自分と同じような思いをしている人を救いたいと、エステティシャンを志す。

松本店(長野県)、新宿店(東京都)の店長、ゼネラルマネージャーを経て、2017年より代表取締役に就任。サロン運営からコスメ開発までを手掛ける。近年はYouTubeチャンネル「国際エステティシャンみどり先生」での発信にも力を入れ、登録者数は3.9万人(2025年4月時点)に及ぶ。

YouTubeチャンネル

外に出られないほどの肌荒れと改善を経験し、導かれるようにエステの道へ

肌荒れしていた大杉さんに大きな変化を与えた「エンビロン」。以来20年に渡り、エンビロンオフィシャルパートナーを務める

――「アンジェラックス」の成り立ちから教えてください。

元々は私の母である会長が1987年に立ち上げたエステサロンになります。母はそれまで別の仕事をしていたのですが、離婚を機に生活を安定させようとフランチャイズ契約でエステサロンを立ち上げました。

当初は痩身や脱毛など一般的なエステを提供していたようなのですが、その後、お客様に提供している技術が本当に安全で効果的なのかと疑問を持ち始め、世界中を周ってエステの技術や知識を習得。母が本当に信頼できると思った技術だけを厳選して組み合わせることでオリジナルの「大和撫子美容法」を確立し、お客様に愛されるサロンに成長することができました。

創業から30年が経った2017年に私が会社を引き継ぎ、現在は母が確立した技術に加えて「エンビロン」という化粧品と、私が各所で学んだ技術をベースに各メニューを提供しています。

――大杉さんがエステの道に入ったのはやはり、お母様の影響が大きかったのですか?

いいえ。むしろ私は子どものころから、エステティシャンとして働く母の姿を見て絶対にエステティシャンにだけはなりたくないと思っていました(笑)。というのも私の母はエステの仕事に人生を捧げているようなところがありまして、ほとんど家にいなかったんです。子どもながらにこんなに忙しくて、休みもない大変な仕事には絶対に就きたくないと。

――そこからなぜ、エステティシャンに?

美容師になるために東京に上京し、美容専門学校に通っていたところ、自分がひどい肌荒れを経験したことがきっかけです。そんな姿を見られたくないと、学校にも通えず、引きこもり状態になってしまっていました。

さまざまなお医者さんに診ていただきましたが、一時的にはよくなっても、薬を止めると元に戻るということを繰り返していて。母に相談したところ、母が当時お付き合いのあった「戸沢アレルギー科クリニック」を紹介してくれて、そこで、戸沢先生とエンビロンという化粧品に出会うことができたんです。

エンビロンは世界70ヶ国で愛されているブランドで、ビタミンA(レチノール誘導体)で肌本来が持つ働きを高め、美しくするスキンケアシステムです。先生からのご指導もあり、そこでやっと肌の状態が改善しました。

――なるほど。

自分がひどい肌荒れを経験することで、自分の肌に自信を持てなかったり、自分のことが好きになれないと外を出歩くこともできないし、人の目も見れないということを身をもって体験したんです。自分と同じ悩みを持っている人を救いたい、そのために私は肌荒れになったんだという使命感すら湧いてきて、エステの道に進むことを決めました。

母と同じ道を歩むことにはなりましたが、母は私を絶対に甘やかさないので、何かを教わったことはなく。「エステティシャンになるなら自分で経営をしなさい」と母の右腕だったスタッフとふたりで20歳のときに立ち上げたのが「スキンケアセンター」でした。

戸沢先生の元に通ってさまざまな症例を学び、厳しく指導していただいた知識や技術と、私がさまざまな場所に足を運び、得た学びを総動員して立ち上げたサロンです。2代目ではありますが、技術や知識の確立、経営など自分でやってきた自負はあります。ちなみに今、3店舗ある「スキンケアセンター」はこの店舗をリバイバルしたものになります。

スタッフ15人が一斉退職した過去。これからはみんなで夢を叶える

スタッフとの関係性を変えることになった転機について説明する大杉さん

――そこからは順調でしたか?

いえいえ(笑)。新店を立ち上げた際になかなかお客様がいらっしゃらないなどさまざまな壁がありました。なかでも私の大きな挫折であり転機となったのが、2010年にスタッフが一斉退職してしまったことです。

それまでの私は目の前のお客様だけを見て走っていて、顧客満足度をもっと上げるために自分を高めていきたいという思いが強く、スタッフには見向きもしていませんでした。一切技術は教えずに、「覚えたいなら、見て覚えて」という感じでした。プライベートと仕事はきちんと分けていて、スタッフと食事に行ったりコミュニケーションを取ることもありませんでした。

そうやって走り続けてきたのですが、気がついたら誰もスタッフがついてきていなくて、スタッフが辞めていくことが増えました。そのピークが2010年で、当時は長野、松本と新宿、個人サロンと4店舗を構えていましたが、15人ほどのほとんどのスタッフが一斉に退職してしまったんです。

――そうだったのですね…。

でもそのときにひとつだけ救いがあって。私は全員が辞めてしまうと思ったのですが、スタッフのうちふたりだけが「みどりさんについていきます」と、残ってくれたんです。私を信じて残ってくれたふたりをみて、初めて心の底からスタッフに対する感謝が生まれました。それを機に考え方が180度変わって、これからはスタッフのために会社を経営し、一緒にエステティックの技術や知識を高めていこうと心に誓い、再出発を果たしました。

――スタッフの方を大事にするようになった?

はい。スタッフがいなくなり、売上がほとんど上がらないなかでも人件費と家賃は発生するので、私は給料がとれない時期が続いたのですが、原資はなくてもまずはスタッフがモチベーションを高く維持しながら、安心して働ける制度を作ろうと考えました。

自分の将来が見えればスタッフもやる気になると思ったので、キャリアアップの道をしっかりと作りました。そしてスタッフとの時間をとり、一緒に夢を語るようになりました。

私はエステティックがお客様の人生を変える体験を、その奇跡を何度も目にしてきたので、素晴らしいエステティシャンが増えれば社会全体が幸せになると信じています。そんなエステティシャンを増やし、日本一のエステサロンを作るのが私の夢です。その夢をひとりではなく、スタッフ全員で実現しようと心に決めて。そこから少しずつスタッフとの関係性も、経営状況もよくなってきたと思います。

――素敵ですね。

今、経営のなかでもっとも大切に考えているのも、スタッフの人生が豊かになり、輝くために私たちは何ができるかということです。スタッフの大半が女性なので、結婚や出産などさまざまなライフステージを経験するはずです。うちの会社にいることによって、何かを諦めることなくキャリアを積んで、自分の人生を豊かに輝かせてほしいと思っています。

「人生一度きり」。自分の力で生きていけるよう、自分を磨いていってほしい

大杉さんは、奇跡を起こすことさえある「エステ」を通して、スタッフに自分を磨いてほしいと考えているそう

――エステはお客様の人生を変えることもあるとのことでしたが、実際に体験したことがあれば教えていただけますか。

当時大学生だった、ニキビに悩むお客様のことがとても印象的です。どこに行ってもニキビが改善せず、その方のお母さんが最後の頼みの綱として連れてきてくださいました。初めてお会いしたときは私の目も見ず、ひと言も話さず「誰も、何も信じない」というようなとても怖い顔をしていて。

ところが肌がきれいになると、ちょっとずつ私の目をみるようになって、ニキビがなくなるころにはこんなにいい子だったんだと思うくらい優しい顔になり、私ともたくさん話してくれるようになりました。その後、彼氏ができ、結婚式にまで呼んでもらえる関係性になったんです。

あるとき彼女が過去を振り返り、「ここでニキビが治らなかったら、死のうと思っていた」と話してくれました。自分の顔が嫌で、外を歩きたくないし、恋愛もできない。人生を諦めていたと。その話しを聞いて、エステがどれほど大きな力を持っているかを改めて痛感しました。

今ではお子さんもいて幸せに暮らしていらっしゃいますが、今もそのお客様にお会いするとふたりで泣いてしまうくらい。お客様とそんな強い絆を結ぶこともできる仕事だと思っています。

――スタッフの方への思いを教えてください。

私の座右の銘は「人生一度きり」なのですが、そういった思いを持って、実力をつけてほしいと思っています。これからますます先の読めない時代になると思うのでどんな職業に就いても安定はないと私は考えていますし、人生には何が起きるか分かりません。

どんなことが起きても自分の大切な人や自分自身を守っていけるように自分を磨き続けて、成長させていってほしいのです。そのために学びの場や、挑戦する場を提供したいと考えています。

――求職者の方へメッセージをお願いします。

エステティシャンはおせっかいな人、誰かのために何かをしてさしあげたい、尽くせる人に向いている仕事だと思います。そういった資質があり、自分の人生を輝かせてキャリアアップをしたり、最高の仲間とやりがいのある仕事をしたいということでしたら、うちの会社をおすすめします。

この会社には、私が母から教わった「お客様を家族のように心配しなさい」という文化が根付いていて。お客様に対して一切の妥協なく、最高のサービスを提供し、お客様に尽くすことを信条としているのですが、実はこれがエステ業界では当たり前ではないんです。徹底的にお客様に尽くせる「アンジェラックス」で、ぜひ私たちと一緒に一歩を踏み出しましょう。


後編では入社3年目の保木愛さんに、入社のきっかけや仕事のやりがいを伺います。公務員からエステティシャンに転職したという保木さん。エステの仕事は思っていた以上に難しかったそうですが、同期や先輩に助けられなんとか技術を習得することができ、入社2年目にして「スキンケアセンター渋谷店」の副店長を任されるまでに成長することができたといいます。


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株式会社アンジェラックス
住所:長野県長野市南千歳町1-20-2-1アンジェラックスビル4F

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