出産・子育てで新たな世界を知った。これからも「笑顔」で私らしく生きたい!【美容師 若井友紀さん】#2

人気サロンVioletで美容師として働きながら、2歳の子どもを育てている若井友紀さん。弾けるような笑顔が印象的で、スタッフにもお客様にも愛される人柄が伝わってきます。

美容師としての経歴や、産休や産後の働き方に関してサロンと話し合ったことなどをお聞きした前編に続き、後編はママ美容師として発信していることや、子育てと仕事の両立において大切にしていることをインタビュー。

お話を伺ったのは…
Violet(バイオレット)表参道店
クリエイティブスタイリスト 若井友紀さん


2011年に関西美容専門学校卒業。HAIR DIMENSIONに入社し、24歳でスタイリストデビュー。2015年にVioletに入社してアシスタントから再スタートし、翌年スタイリストに。顔周りの似合わせや髪を柔らかく見せるカットを得意とし、お客様のライフスタイルに合ったホームケア方法も伝授。プライベートでは美容師のパートナーと結婚し、2021年に出産。2022年に職場復帰してママ美容師として活躍中。

Instagram:@yuki___waka.violet

子どもの成長に合わせて、SNSでママ向け情報を発信

――妊娠中から、インスタグラムでママ向け情報を発信していますが、何かきっかけがあったのでしょうか。

私のインスタを見てくださっている方やお客様の年齢層は、大体自分と同じくらいで20代後半から30代後半。似たようなライフステージの方に役立つ情報で、かつ自分が経験していることを発信したいと思ったんです。私は知りたいことをとことん調べまくるタイプなので、その情報を簡単にわかりやすく伝えられたらいいなと思って。

――お子さんの成長に合わせた情報から、ヘアスタイル、アレンジ、メイクまでバラエティ豊かに載せていますよね。それぞれの投稿でこだわっていることはありますか。

ママさんにとっては子どものことも自分のおしゃれのことも両方気になると思うので、あえてアカウントを変えずにいろいろミックスして投稿しています。

子育て関連の投稿はとにかくわかりやすくするのがこだわり。産休中や育休中って、わからないことをたくさん調べますよね。そういう方が私のインスタにたどりついたときに、ラクに情報を得てもらいたいなと思っています。

美容師目線での投稿は、年齢層などを分析して、自分のお客様やフォロワーさんにハマるような内容を選んでいます

子連れのお出かけスポット情報や、キッズカットの様子、トレンドスタイルの発信など、投稿は多岐にわたる。

――特に人気のあった投稿はどんなものですか。

子育て系だと、「ディズニーに行くときに何を持って行ったか。どんなアトラクションに乗れるのか」という内容です。いろんな人の情報をギュッとまとめたり、子どもの服装を載せたりしました。

お仕事系だと、ヘアアレンジ動画への反応が大きいですね。ロングヘアのアレンジはよくあるけれど、短めヘアのアレンジは少ないと思って上げていたら、結構見てもらえました。

――撮影や編集はどうされているのですか。

投稿内容に合わせて自宅やサロン、外出先などでスマホを使って撮影しています。動画の編集は子どもが寝てからやっていたのですが、今はその余裕がないので、通勤途中や出社して営業が始まるまでの隙間時間を見つけて…という感じです。

出産や子育ての経験が、仕事上でもプラスに

仕事復帰直後のハードな日々を「夫はとにかく忙しいし、私の親は大阪にいるので、ほぼワンオペ。子どもが可愛いから頑張れた」と振り返る。

――ご自身の産休・育休中、仕事への不安や焦りはありましたか。

今はよくも悪くもSNSを通じていろいろなことが「見える」時代。自分が仕事をストップしている間に、後輩がどんどん成長したり、以前は自分にきていた撮影の仕事が他のスタッフに振られたり…。そういうのを見ると不安はありました。

でも、妊娠中は子どもにとって私しかいないわけだから、悩んでも仕方ないし。生まれてからは目の前のことに必死で、それどころではなくなりました(笑)。

子どもを生んだことで新たな世界が見えて、考え方やものの伝え方も変わったので、今となっては仕事をするうえでもプラスになったなと思います。子どものいるお客様と共感できるものが増えたり、お互いに相談し合えたり。

――どれくらい休んで復帰したのですか。

1年3〜4ヶ月くらい休んで、2023年の4月末に復帰しました。その間、ハサミをまったく持たなかったわけではなく、身内のヘアカットはしていました。里帰り出産から東京に戻ってからは、どうしても切ってほしいというお客様だけ、子どもをおんぶしながら施術させていただいたことも。復帰の1ヶ月前くらいは、子連れで作品撮りもしましたね。なので、勘が鈍るということはありませんでした。

――復帰してから大変だったことは何ですか。

授乳を続けながら仕事に復帰したのですが、それがめちゃめちゃ大変でした!朝起きてすぐ、朝食の前、保育園へ行く前、帰宅後、夜ごはんの前、寝る前、夜泣きのときと1日に何度も。2歳手前まで飲んでいたのでわりと長く続きましたし、ミルクを飲まず完母だったので余計に大変でした。

――そうしようと決めたのはなぜですか。

助産師さんのインスタを見て、「徐々に飲む回数を減らして昼間は飲まないようにすれば、仕事中に胸が張らない」「親と子のリズムができれば、無理に断乳しなくてもいい」という情報を知ったんです。それで、コロナ禍だったこともあって子どもの免疫力を上げたい思いの方が勝ちました。いずれは卒乳するときが来るし、と思って。

大切な選択は「笑顔でいられるか」を基準にする

「両親ともに美容師なので、息子も『ちょきちょき〜』って髪を切るマネをするんです」と話す若井さん。

――家事・育児のほとんどを担いながら仕事も続けるのは大変だと思いますが、両立する秘訣は何ですか。

笑顔でいることかな。私自身が笑顔でいれば、家族も笑顔になる。そのために、何かに悩んだり選択を迫られたりしたときに、「笑顔でいられるか」を基準にして考えています。子育ても家事もしんどいと思うことはあるけど、頑張りすぎないことも大事。ひとりで抱え込まず、頼るようにしています。

――例えばどなたに頼りますか。

私は子どもに頼っています。男の子も家事をいろいろできたほうがいい時代ですし、あえて掃除や片付けをする姿を見せるようにします。子どもが寝てからパパッと済ませるお母さんも多いと思いますが、私は子どもと一緒にやるタイプ。

例えば洗濯するときは、「洗剤取って」「柔軟剤取って」と言いながらやります。今2歳ですけど、「じゅうなんざい♪」って持って来てくれるんですよ。お風呂掃除も見せていたら、最近は水のスプレーをシュッシュッとしながら掃除のまねごとをするようになりました。

――微笑ましい姿が目に浮かびます!これから美容師として叶えたいことや、ママとしての目標はありますか。

できるかできないかは別として、海外の方とつながるような仕事をしたいです。どういう形でというのはまだ具体的にはないですけど…。ママだからという理由であきらめることはしたくないので、できるだけ挑戦していきたいです

そして、子どもがやりたいと思ったことは背中を押してあげられるように、環境も私自身の心持ちも整えたいですね。子どもには好きなことをして、元気に生きてほしいです。

仕事と子育てを両立するための若井さん流3大ポイント

1.笑顔になれる選択をする

2.頑張りすぎずに楽しむ

3.仕事や家事をする姿を子どもに見せる

撮影/喜多二三雄
取材・文/井上菜々子

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Salon Data

Violet 表参道店
住所:東京都港区南青山5-10-1 H2 AOYAMA BLDG.3F
電話:03-5778-9646
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